とりあえず、アルタイルの許へと走りよる。
「どうしたんだ!チャンスじゃないのか?」
アイリスもリーリアもわかっていないようだ。アルタイルの指示に驚いている。
だが、何か考えがあるのだろう。こいつは俺より賢い!
「皆さん。水属性は癒しの象徴です。奴の能力は……」
言いかけたところで敵の角の根元が光りだす。
湖の水を吸収していた。氷の角が再生する!
角の先端は、さっきまで俺が居たところの手前……。敵が動けば、回避も守りも間に合わず、確実に刺される距離であった。
嫌な汗が流れた。
「助かった。ありがとよ、アルタイル」
「どういたしまして、今後は、皆さん気をつけてください」
「ええ、そうさせてもらうわ…」
アイリスが、恐怖の色を浮かべていた。さっきのを食らっていたら。どうなっていたか…。
「ダメージを受けてもすぐ回復。俺が与えたダメージもすでに回復…。核を狙うしかないか」
「なら、私に任せてちょうだい!威力が高ければいいんでしょ!」
リーリアが言う。確かに彼女の魔法の威力は強いらしい。適任だろう。
「よし、それで行こう!リーリアの魔法を全員でサポートする!」
皆がうなずく、反対するつもりなど毛頭ないようだ。
ゴーレムがこちらを向く。本番はここからだ。
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