サポートする。宣言したもののどうサポートしようか……。

「リーリア。とりあえずどうすれば助かる?」

「動きを止めてちょうだい!くれぐれも敵の近くに居ないでね。

巻き添え食うわよ!」

「解った!」

敵が突進してくる。さっきと同じ単調な攻撃。受けるはずもない。

横に動きかわそうとする。だが、思いとどまる。動くわけに行かなかった!

今、後ろを向いて話した…。

後ろには、アイリス、そしてリーリア。素早さアップをかけていない彼女達は、避けられる確証がない!

特にリーリアは、呪文の詠唱に入ろうとしている。動けない!

「仕方ない!」

剣を構える。角を剣背(平らな部分)で叩き。敵の軌道を変える。

敵が迫る!タイミングを逃せば……考えたくもない。だが、ここで逃げるのと……どちらがいいだろうか。

「今だ!」

理想的タイミングで角を叩き、敵が下を向く!そして地面に突き刺さる。運良く敵の動きが止まる!

急いでその場を離れる。アイリスもすぐ後ろにいたが。すぐに離れる

リーリアの呪文詠唱が、完了した。

万物を蹂躙せし竜巻よ 風の精霊シルフの力を借りて 新たな力を手にしこの地に集まり吹きすさべ 飛ばし切り裂け “ブレイドサイクロン”

リーリアの目の前に、敵を閉じ込める結界が出現した。内側には、複数の竜巻。

突如敵の体が切れる。かまいたちが発生している!そうとしか考えられない。

見ているうちに粉々になってゆくゴーレム。後に残ったのは、核の残骸。青い砂であった。

「とっさの判断。さすがだったわよ!さすがリーダーね」

「ああ、見たか!俺の実力」

偶然なんだが……、これでいいのか?

「あの場で逃げずに、機転を利かせるとは…。さすが話題の新人。私達も、うかうかしていられませんね」

「そうよ!こんな若造に負けたら恥ずかしいわよ!!気を引き締めましょう」

二人とも、新人の俺の活躍が意外だったのか、盛り上がる。

いや、だから偶然なんだって!ここまで言われると、さすがの俺も罪悪感が…。

「別にいいじゃない。偶然でも、活躍できたんだから!運も実力のうちよ」

アイリスである。さすがに、長く一緒に居るだけある。わかっていたか…。

「私達をかばったのよね、ありがとう!胸を張って!」

微笑み、俺に話しかける。なんだかスッキリした。

仲間を守れた。それで十分だ!
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