「アルタイル、心配する必要は無いぞ、見えにくいだろうが、もう角は折ってある」
「やつの真の武器は、角じゃありません。皆さん気づいてないんですか?」
アルタイルがアイリスとリーリアを見るが、二人ともなぜだかわからないらしい。
『彼の言うとおりだアイリス。すぐにギルバートに避けるように伝えろ』
「なんで?武器が無いのよ!チャンス……、違う……!ギルバート逃げて!」
アイリスはアルタイルの言わんとした事に気づいたらしい。
顔を真っ青にし、恐怖の色を浮かべている。
「二人ともどうしたの?チャンスを潰しちゃ駄目よ!」
「速さも大した事無い。避ける必要は無いだろう!?」
アルタイル&アイリス、リーリア&俺という珍しい構図が出来た。
策士と馬鹿に分かれた気もするが……まあ置いといて。
話している間、敵から目を離していた。油断しすぎた。急いで敵を見る。
相手の、角の根元が光だし、後ろの湖の水を吸収していた。
相手の角の先端は、今や俺のすぐ手前。
ああ、そうか。水属性は癒しの象徴。再生こそがやつの武器…。
剣を構え、心臓だけにはぶつからぬよう守る。それしか出来なかった…。
相手が加速し、突っ込む。角が俺の横腹を突き刺した!
意識が遠のく…
「……クソッ………」
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