第2章:属性ゴーレム


ジャンケンはアルタイルが勝ち、湖へ向かった。

「やはり、動物がいますね。危険が迫っていれば、彼らがここに近づくことはありませんし、きっと安全ですよ」

アルタイルが微笑み話す。予想が当たって安心したと言う顔だ。

生き物がいなければ、むしろここは危険だと言う事になる。

「ここ……綺麗なところですね!少し湖へ行ってきます」

アイリスが駆け出し、近くにいたユニコーンの許へ向かう。

ユニコーンは警戒する様子も無く、アイリスになでられる。

「すごいわねあの子、ユニコーンは特に警戒心が強いのよ、あんなに簡単に触れるなんて」

「すごいだろ、なぜかアイリスは動物と仲がいいんだ。そうじゃなきゃ、あの歳でドラゴンと仲良くは出来ないだろ!」

アイリスの一族では、10歳になるとドラゴンが与えられる。だが、そこから最低10年はかけて信頼を築くのだ。

それまでドラゴンは、危なくなっても守ってくれないし、頼みも聞いてくれない。最初は噛み付こうとすらする。

それに対してアイリスは、1ヶ月でフィソラと心を通わせ、6年で召喚を覚えたらしい。

フィソラも召喚を覚えるのを心待ちにしていたそうだ。

ドラゴン使いの才能というより、動物に好かれる才能を持っている。

「あの子、将来有望ね!ライバルは多いんじゃないかしら〜?」

リーリアが、俺を横目で見つつ意味ありげに話す。

「どういう意味だ!」

「べっつに〜、大した意味は無いわよ」

そうこうしていると、アイリスの許へ動物達が集まってきた。

後ろに、森と湖、そしてさまざまな幻獣と戯れるアイリス!一瞬、アイリスが天使に見えた。

そして、近くにいるのは、あのユニコーン。彼らと相性がいいのだろうか?

なんとなくアルタイルをみつめ。言ってやりたくなった。

「渡す気はねえぞ!」

「え?どういう意味ですか?」

「いや、分からないならいい」

リーリアは向こうで、意地悪そうに笑っている。女性の方が敏感なのは常識だ。

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