堅き守りの象徴よ、その力で彼を守りたまへ ”ディフェントサンド”

「堅き守りの象徴よ、その力で彼女を守りたまへ ”ディフェントサンド”

アイリスの十八番、ステータスアップ系魔法の1つ、防御力を上げるディフェントサンドが発動する。

俺の服とフィソラの鱗に砂上の鉱物がまとわり付き、うっすらと銀色に輝く!

「よし行くぞ!」

俺に近い敵は3体、突っ込む!

敵が気づき殴りかかってくるが……遅い!

避けるためにジャンプしそのまま斬りつける。

1体倒し、振り向きざまに2体を斬る。この堅さなら、攻撃力アップはいらない。

「よし次来い!」

だが…勝負はついていた。フィソラがすでに踏み潰している。

『アイリス、この程度の敵、私が出る必要も無ければ魔力のサポートも要らないぞ……

実力を見せる暇もなかったな』

「そうね、さっきの魔力がもったいなかったし、私の出る幕はなかったわね……。

ディフェントサンドだって、無傷で勝ったんじゃあ、どれ位の効果か解らないし……」

「具体的には解りませんでしたが、あなた方が強いということは、分かりましたよ」

観察していたアルタイルが、やって来て言う。

火山を抜ければ、強いゴーレムが出だすのは分かりきっているし、具体的に見せたかったのだが……。

「次どうする、あなたたちの戦いを見せてもらいたいけど、……またこんなのじゃな」

「もちろん戦っておいた方が良いでしょう。強いかどうかだけ分かるだけでもまあ、分からないよりマシですから…

リーリアもそれで良いですよね」

「そりゃそうでしょうけど、こんな暑い中戦うのは嫌だし、このまま何も出ないと良いわね」

一理あるが、一度実力を見ていないと作戦が立てられない!どうしようか?

『とりあえず、また私の背中に乗ると言い。敵が出るまではこんな暑い中を歩くしかないのだから』

「みんな、フィソラが乗っても言いそうよ」

とりあえず、前に進む事にした。そもそも敵が出るかも分からないのだ、悩んでいても仕方ない。

「じゃあ、アルタイルとリーリアは出たら戦ってみてくれ」

「分かったわよ!次出たらね!あ〜暑くて気分が乗らないわ……」

リーリアが心からの嫌そうな顔をする。よっぽど暑いのが嫌いなのか?
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