「すまないけど、もう少し寝かせてくれ。今度こそゆっくりしたい」

「分かったわ……少し残念だけど……、私たちだけで行くわね!」

そういうと、アイリスたちは、宿屋ガーゴイルの外へと出て行った。

少しだけ残念がってくれた事がなんとなく嬉しかった!

「さて、いい気分のまま寝ようか」

ぐっすり寝て疲れを取ろうとまどろんだ。

が……、その10分後

「ギルバート!大変よ!!」

いったい何があったのか、アイリスが宿屋に駆け込んでくる。

「ゴーレムがとうとう村まで入ってきたわ。

1体だけだったから、私たちで倒したけど、まだまだ出るかも」

「なんだって!」

もう、「ゆっくり休んで」などとは、言ってられない。

話を聞くと体の硬い金属のゴーレムが畑に現れたらしい。

アルタイルとリーリアは、村人のために今それを除けているそうだ

「すぐに行って相談しよう」

そういうが早いか、アイリスと共に駆け出すはずだったが、

「あなた、眠れなかったでしょ!回復してあげるわ。じっとしてて」

「え、ホントに!ぜひ頼むよ、追いて行ったし、てっきり頼んでも駄目だと……」

「あら、頼んだらやってあげたわよ!頼むまで、やる気はなかったんだけどね……」

アイリスが呪文の詠唱を開始した。

あらゆる命の源よ、その力を持って傷を癒したまへ “キュア・バブル”

俺の体が、1つの大きな泡に包まれる。非常に心地がいい!

「疲労ぐらいなら、2、3分で元気になるわ。相談はそれからで大丈夫よ」

「ホント助かるよ、ありがとう。君は天使!エンジェル!いや女神!恩に着る!」

「そこまで言わなくてもいいわよ!わざとらしい!」

かなり照れた様子で、少し怒ったように話す!

「そりゃそうだ、わざとだよ!もちろん感謝してるけどな!ありがとう」

アイリスの顔が変わる。もちろんさっきの比ではない!

「何よ、ちょっと嬉しかったのに!」

「ごめんごめん。まあ、ちょっとしたジョークだ。ほんとに感謝はしてるさ!」

最後に感謝しているといったのが良かったのか、アイリスの顔から怒りが消え、呆れ顔になる。

「まあ、いいわ…。直ったらさっさと行きましょう!二人とも待ってるわ」
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