俺たちは歩いて探し、フィソラには空から探してもらう事になった。

「出てきてフィソラ」

アイリスの指輪がひかり、フィソラが現れる。

鱗に覆われたその体は3メートルほどだろうか、かなり大きく感じる。

背びれも有り、翼も有る立派なドラゴンである。

額には、属性を示す水晶が有り角も有る。

だが顔は、

「フィソラ、お前ってやっぱかわいいなー」

幼体だけに、クリッとした丸い目、柔らかいフォルム、まるで仔犬を想像させるかのようなかわいさである。

『アイリス、肝心なのは、生きた年月、顔より中身を見ろといってくれ』

「えー、でもほんとにかわいいし、若く見えるのはいい事よ」

『お前までそんな事を言わんでくれ……』

ちなみに本人(ドラゴン)のコンプレックスである。

コンプレックスとはいえ、これが普通の姿なのだが。

そして、フィソラに飛んでもらい。俺たちは歩き続けた。

フィソラは、上空で旋回し探している。

近くを飛んでいるところを見ると、一人では戦えないアイリスが、やはり心配なのだろう。

俺がいるんだから、心配しなくてもいいのに。

そうこうしていると、なんと宿屋が見えてきた。

「なんだ、心配する必要なかったな、まっすぐ歩いただけなのに」

フィソラも気づき降りてきた。

『呼び出す必要は無かったようだな』

「でも、ありがとう、もし違う道だったら助けがどうしても必要だったの」

『なに、わかっているさ用があればいつでもよんでくれ』

そして光とともに、フィソラの姿は見えなくなった。

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