眠気覚ましもかねて、皆と外に出る事にした。
リーリアがいっていたとおり滅多にこんなとこには来れないし、何と言っても空気がうまい。
「で、どこか行く所は有るのか?」
「……」
皆別に行きたいところは無いようである。
当然だろう、行きたい所が有るなら、人が来て空気はまずくなる。
何処に行こうか考えていると急に聞こえた
「うわー」「キャー」
何か起こったに違いない!俺たちは声のする方向へ走った!
ゴーレムだ!
腕を振り回し、畑を荒らしているのは、人型の鉄製ゴーレムだった。
雑魚ではあるが、一般人から見れば脅威である。
剣を抜き構える。
狙いは相手の弱点である核。ここを破壊しなければ、腕を斬っても向かってくる。
地を蹴り跳ぶ、そして全体重をかけ剣を相手に向かって振り下ろす。
キーンと金属のぶつかる音がする。ゴーレムはこの一撃で核を破壊され、止まる、
……はずだった。
「なんだ、情報よりも硬えじゃねえか!」
稀ではあるが、魔力を浴び続けたゴーレムは、ステータスが上がる事がある。
傷は付いたが、剣は撥ね返された。
「うわっと」
ゴーレムが殴りかかってきた、剣で防ぎ飛び退く。
「アイリス、やってくれ」
「オッケー。
強き攻撃の象徴よ、彼に一時力をかしたまへ ”ファイアブースト”」
剣が赤く光りだす。
「これで、どうだ!」
なおも暴れるゴーレムの隙をつき、核の埋め込まれた胸を狙い、真一文字に剣を振るう。
さっき剣を撥ね返した体は、紙切れのように簡単に切れた。
ゴーレムは胸からふたつに割れ、切り口には核も含まれていた。
倒したゴーレムが溶けて流れ出す。金属のゴーレムの特徴である。
「終わりましたね」
アルタイルである。
手助け不要と思ったらしく俺の力を見ていたらしい。
「出会った時いきなり寝ていましたから、実力が心配でしたが、このゴーレムを軽く倒すなら心配ないですね」
「ああ、硬さにはびっくりしたが、ほとんどのゴーレムはこれより脆いだろう。
予定外だが、問題じゃないな」
「へー組織からの報告書には目を通しているのね、いい加減な感じだったけど」
失礼な
「当たり前だ、油断が一番の大敵。情報は多い方がいい。
それより今後どうする?」
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