僕が指定された席に行くとそこにはすでに二人の人間がいた

片方は身長140cm程度の女

そしてもう片方はその女に蹴られて伸びている剣士風の男

さてどっちに話しかけたもんかと考えていると女のほうがこちらに気がついた

僕のほうをジロジロ眺め回していわく

「中の上ね」

「はぃ?」

いったいなんの事なんだろう・・・?

「中の・・・上って?」

「あたしはハーメリア=ロッソ、あんたの噂を聞いてある仕事に参加してもらおうとおもったの」

・・・速攻無視かい・・・

「じゃあそこで伸びてんのもその仕事と関係あんの?」

「あああれは気にしないで」

さらりととんでもないことを言う・・・

「・・・とりあえず大丈夫ですか?」

この女だけだと話の流れを強引にもって行きそうなので男のほうにも声をかけておくことにした

「あーまあなんとか・・・俺の名前はリック=ハーウェス、よろしくナ」

ぐったりと伸びていたくせにあっという間に復活したその男はそう名乗った

「で、ハーちゃんどこまで話が進んでんの?」

「ハーちゃん言うなぁ!」

次の瞬間!彼は人体急所の一つ、あごを思いっきり蹴られ高々と舞い上がった

「・・・!!」

・・・どさ!

今、蹴りの軌道が見えなかった・・・

「で、話を戻すけどー」

この女、大物かも知らねえ

「こっから南にずっといったところにある何とか城を拠点にしている」

「・・・グレイス城」

足元でリックがそう付け加える

「・・・グレイス城を拠点にしているサーフィス=ネオっていう魔導師が昔封印された魔王とか言うのの封印をといて自分の力にしようとしてるらしいの」

「なるほど」

適当にうなずく

「でーその魔王が復活したらとんでもないことになるらしいから復活する前にサーフィスを倒そう!って話」

「ふーん」

やはり適当にうなずく

「でも賢者クラスの魔導師をあたし達だけで相手するのはちょっとだけ無理があるから何人か腕の立つ人間をパーティーに加えることにしたの」

「でも賢者クラスが相手だと無謀じゃねーのか?少なくとも僕が相手するのは無理」

さりげなく逃げの伏線張っておく、世の中を生き延びていくには危ない橋は出来るだけ渡らないに限る

「あ、逃げよ立ってそうは行かないから」

きらーんとハーメリアの瞳が光る

「だってあんたもうお金受け取っちゃってるもん」

「なにぃ!」

あっ、ロードが渡してきた追加の袋、こいつらのやつだったのか

「ぶっちゃけあんた以外にこの辺りでドラゴンを使える人いなかったのよねー、

道中パーティーにドラゴンがいると早く敵が見つけられるから絶対一人はほしかったの」

こ、こいつ・・・性格死んでる・・・

「ま、ちゃっちゃとあきらめて手伝ってくれや」

いつの間にか二度目の復活を果たしていたリックがポンポンと肩をたたいた

このままでは死地に突っ込む羽目になると思って逃げようとしたらロードが退路を断っていた

「おっちゃん頼むどいてくれ!」

「無駄よ、その人私にいくつか『貸し』があるから」



ーーー目の前が真っ暗になった・・・