ここはどこなんだろう
意識が戻ってきたらしい僕は辺りを見回してみた
どこまで行っても真っ白な世界
僕は死んでしまったんだろうか
なにやら遠くで誰かのしゃべり声が聞こえる
「・・・・・・・・・」
うまく聞き取ることができない
と、そのとき、この世界に異変が起こった
すなわち、色が少しづつついてきたのだ―――
そこにはハーメリアがいた
ついでにリックもいた
どこかから小鳥のさえずりが聞こえてくる辺りどうやら朝らしい
二人が僕に気がついたようだ
そして、固まる
「え〜と、おはよう」
なんだか間抜けに聞こえる挨拶をした
すると何を思ったかハーメリアがブワっと泣き出した
「どんだけ人に心配をかけさせれば気が済むのよこの馬鹿!!」
「――え?」
さっぱりわけがわからない
右腕にギブスを巻いているリックが僕に耳打ちした
「あのな、お前が気を失ってた3ヶ月の間ほぼ毎日ココに通ってたんよこの人」
・・・・・・
頭がついていかない
「ほーんと健気だよなー、おっと大事なこと言いそびれるとこだった、実はハーちゃんがお前に―――」
僕が聞き取れたのはそこまでだった
気がつくとリックはものすごい勢いで上昇し
「ぐぼはぁ!?」
としたたかに背中を天井にぶつけ
「げふ・・・」
と床に伸びた
「なんだ今の音は?」
がらがらっと扉が開いてリーファとミリィが入ってきた
「ギルバート君、目が覚めたみたいね」
なんだかものすごく懐かしさがこみ上げてくる声だった
「・・・こちらは入れ違いに意識を失ったらしい」
とリーファは床に伸びているリックを示した
突然窓からもの凄い突風が入ってきた
(ギル!目が覚めたのね、よかった!!)
「アナスタシア!」
窓から顔を突っ込んで鼻先を押し当ててくる
すると、その背中にへばりついている人間を発見した
「おっ久しぶりおっちゃん」
その人物は車酔いならぬドラゴン酔いでふらふらになったロードだった
「ひさしぶりだな皆の衆、やーっと全員そろいやがった、実はな、お前さんたちは魔王の復活を阻止した英雄みたいになっててな」
「マジ!?」
僕は心底驚いた、3ヶ月も気絶した上仲間に心配をかけるような情けない英雄、はたしているんだろうか
「そこでお前が気絶から目覚めたら大規模な凱旋パーティを開くことにしたんだ」
「おっそれマジ?」
床に這いつくばったままリックが復活した
「もちろん参加してくれるよな」
そういって差し出された手をしっかりと握って
「もちろん!」
と言った
視界の隅のほうではこっそり逃げ出そうとしていたリーファがミリィとリックに捕まっていた
そんな光景にクスッと笑って僕はこう思ったのだった
この世界に来れて、本当によかった――と
終わり
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