僕は、気づいたらリックとともにハーメリアの前に立って瘴気を受け止めてみた
受け切れなかった障気が腕に当たり「じゅ!」と音を立てる
(ギル!)
アナスタシアがドラゴンブレスを吐き出して瘴気を霧散させる
だがすぐに別の場所に現れたサーフィスが瘴気を放つ
とてもではないが動くことができない
「憑依召還『神楽』!」
(ちょこまかちょこまかと!)
神楽の乗り移った弓から無数の刃が放たれるがやはり決定打にはならない
「くっそ〜あんなのありかよ!」
リックが障気を打ち払いながら悪態をついた
「燃え盛る炎よ、一面を焦土と化せ!」
ハーメリアも『煉獄』で応戦するものの障気に阻まれ魔方陣にダメージを与えることができない
「俺の邪魔をする者は誰一人として生かせやしない!」
その時だった、フッとリーファがサーフィスの真後ろに現れた
「そうはさせない」
リーファがそう言うとリーファを中心として巨大な魔方陣が浮かび上がった
「きさまその魔方陣は・・・」
「破邪の光よ、剣と化して暗黒を打ち破れ」
世界が、一瞬にして塗り変わった
サーフィスの力の象徴であった紫色の魔方陣がかき消され変わりにリーファの水色の魔方陣が浮かび上がる
「アナスタシア!」
(いくよ!)
僕はアナスタシアに飛び乗り呪文を唱える
「天駆ける風の力よ、牙となりて引き裂け」
風系統の魔法『サイクロンロア』、無数の真空の刃に強力な魔力をさらに上乗せし追加ダメージを与える強力な術だ
サーフィスも瘴気を放つが、切り札を打ち砕かれてしまってはいくら賢者といえど勝ち目は無かった
「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
それは、新世界の神になろうとした男のあまりにあっけない最後だった
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