リーファは僕たちから少し離れると呪文を唱えだした
「偉大なる大地よの力よ、土くれに仮そめの命を与えよ!」
ずごごごごごごごごごごごごごごごごご
リーファの目の前の大地が盛り上がり全高8メートルほどのゴーレムが姿を現した
ずしぃぃぃぃぃん、ずしぃぃぃぃぃん、とゴーレムは歩を進め迫ってきたガーゴイルの一団を右腕の一薙ぎで吹っ飛ばした
「冥界の炎よ、我が名において現世に顕現せよ!」
ゴーレムの肩に飛び乗ったリーファが続けざまに魔法を放つ、炎系統魔法『焔』、黒き冥界の炎で魂すら焼き尽くす大技だ
リーファは『焔』を自分の手足のごとく操り敵を撃破していった
「あいつ・・・すげぇな」
思わずリックが感想を漏らしていた
「いい具合にワイバーンの注意がそれてる、私たちも行きましょ」
ハーメリアに言われ僕はアナスタシアに発進命令を出した
アナスタシアは力強く羽ばたくと風を捉え一気に加速する
「しっかり掴まってろよ!」
アナスタシアは一直線にグレイス城の中庭に突っ込んだ
チラッとリーファの方を見てみると巨大モンスターに囲まれていたが、しばらくは持ちこたえられそうだった
「まずい、結界だわ!」
ミリィが叫んだ通り中庭には強力な結界が張り巡らしてあった
「行けるか!」
(問題ない、突き破る)
アナスタシアはもう一度羽ばたくと結界に向かって勢いよく飛び込んだ
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