僕はリックが持ちこたえてくれることを信じ魔法陣の破壊に向かった
「そうはさせるか!!」
圧倒的な瘴気が僕を襲う
咄嗟に張った『エアシールド』もあまり役に立たない
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!」
「「ギルバート!?」」
(ギル!?)
僕はづたづたになって地面を転がる、動けなくも無いが結構な怪我であることは間違いない
「お前の相手は僕だ!」
とても同じ人間とは思えない速度でリーファはサーフィスに迫る
「ふははははは、何度やっても同じことだ!」
ミリィも『アローレイン』で魔方陣を破壊しようとするがかなりの強度があるようで壊すことができずにいた
「くっそぉ・・・」
僕はよろよろと立ち上がる
(ギル、大丈夫!?)
アナスタシアが心配して駆けつける
右腕の自由が利かない、おそらく骨が折れてしまったのだろう
これ以上戦うのは危険だ・・・僕はそう判断した
「みんな、いったん逃げるぞ!」
そう言って逃げようとしたその瞬間だった
ドクン
世界が脈打った
「ふははは、いよいよ魔王の復活だ、もはや誰にも止められん!!」
サーフィスが勝ち誇った声で笑う
確かに桁違いに強力な魔力を感じる、こんな化け物と戦ったら間違いなく全滅だ
「やべぇぞ逃げろ!」
リックがハーメリアを抱えてアナスタシアに飛び乗り、リーファも後に続く
(しっかり掴まって、飛ばすよ!)
僕はこの世界から脱出する直前、一度だけ後ろを振り返った
「ふははははははははは、魔王の復活だ!この俺が新しく世界を組み上げるんだ!!」
「ふ〜ん、僕に隠れてそんなことしようとしてたんだ〜」
「き、きさま、なにものだ!!」
「この世界の『神』さ☆」
僕の見間違いでなければ、その『神』はペンギンの形をしていた・・・ような・・・気が・・・する?
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