情けを知らない吹雪の中、俺は真っ向から立ち向かっていた。
 始めから覚悟していたのだが…ここまで荒れるなんて思ってもみなかった。
 山は一瞬の気の緩みも一筋の希望も許さない。かつて旅先のどこかで聞いた事のある言葉が頭をめぐる。
「くそっ………っ!?」
 急に身体が前のめりに倒れた。
 もう感覚がなくなりつつある…まずいな…。
 ああ…果たせなかったな…俺の『目的』…こんな惨めに終わるのか…。

 …いや、あれは本当に幻か…?
 俺はもう一度前を見た。



○そこには…