10 しかし、ここにおいて彼は言う:「私はあなたを有罪とする。なぜならあなたは、万物の復興が存在すると述べられたオリゲネスの作品を翻訳したからだ」と。その中で我々は次のことを信じなければならないとされる:罪人たちばかりでなく、悪霊自身と彼の使いたちも、最後には彼らの罰から解放される――もしもわれ輪レアが、万物の復興によって示される事柄に首尾一貫した仕方で我々の精神を向けるならば。そしてオリゲネスは――彼は言う――さらに次のことを教える:諸々の魂は、彼らの身体以前に造られたが、諸々の天から落とされ、各自の身体の中に挿入されたと。私は、いま、オリゲネスのために振る舞っているわけではなく、また、彼のための弁明を書いているのでもない。彼が神のみ前に受け入れられて立てるのか、放逐されるのかを判断するのは、私のすべきことではない。彼が立つか倒れるかは、彼自身の主による(Rm14,4)。しかし私は、幾らか彼に言及せざるをえない。なぜなら我々の偉大な雄弁家は、彼を論駁しているように見えるが、実際には私を攻撃しているからである。しかも彼は、もはやそれを間接的にしない。彼は、剣を抜いて公然と私を攻撃し、その憤激のすべてを私に向けるに至ったからである。彼が私を攻撃していると言うだけでは足りない。実に彼は、その激怒を私にぶつけるために、彼のかつての教師[1]を容赦することさえしないのである。彼は、私が翻訳した作品の中に、私に対して諸々の中傷を浴びせることを可能にする何らかの事柄を見出すことができると考えている。彼は私を非難するために見出す諸々の口実の中に、さらに次のような不愉快な発言を加える:すなわち彼は、彼も他のかつての翻訳者たちも訳したことのない作品を、私が翻訳のために選んだと言うのである。そこで私は、私が特に攻撃されているのはまさにここにおいてであるから、わたしがどうして他の作品よりもこの作品を翻訳しようとするに至ったのかを述べることから始めたい。私は、できるだけ簡潔に、そして最大限に真実な言葉の内にそうしたい。親愛なる我が子よ、疑いもなくこのことは、あなたによって余計なことである。なぜならあなたは、その経緯のすべてを知っているからである。しかし、それを知らない人たちが真理を知るのは望ましいことである。さらに、彼も彼の追随者たちも、意気揚揚と、次のことを私に対する非難の口実にしている:それは、私が、私の(書いた)序文の中で或る翻訳の方法を採用すると約束したが、当のその作品それ自体の中では別の方法を採用したことである。そこで私は、彼らに対してばかりでなく、彼らの悪意によって、あるいは、他の人たちが私に対して行う諸々の非難によって判断を歪められた多くの人たちにも有益な応答をするつもりである。



[1] オリゲネスのことである。

 

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