若葉で覆い隠されて

 車1台がやっと通れるこの狭い道 は,向かって右側の宇日神社と左側の竜海寺の双方の木々の若葉で覆い隠されて,さながら緑のトンネルのようである。スケッチした時は時折雨がピリピリする曇った日で,日差しによるコントラストはほとんどなく,通りの隅々まで見ることができた。

しかし,日差しのきつい時なんかはそうはいかない。

 明るい大きな通りからこの通りをのぞき込むと出口がすぐそこに見える短いトンネルのようだ。そんな時,この道を歩いて通る。偶然に向こうから人がやってくる時がある。シルエットがどんどん近づいてきて,目が慣れた頃知り合いだと分かる。相手も同じようで
「あら!」
「こんにちは」
ひと言交わして
「じゃあ」

知らない人だったりするとちょっぴり緊張しながらすれ違う。

2005,5,24


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