昼下がりの路地

 太陽は高いところにあって日差しがきつい。子どもたちの声が響きわたっているいつもの路地も、今日は静かだ。

 竹野町森本の梅田地区はそんな風景がよく似合うところだ。小さな集落の小さな路地だが車の往来が少なく安全なのだ。

 この絵は写真を参考に少し大きめの画用紙に描いてみた。今までは実際にその場でスケッチしてきたが、こうして写真を参考に風景を描いてみるのもおもしろいと思った。でも写真だけでは印象がはっきりしなかったので実際にその場に立ってみたが、家も建ち替わり写真とは少し変わっていた。

 路地の向こう側に竹野川を隔てた集落の神原地区の家がみえた。写真では小さくはっきりしなかったので描かなかったが、その印象がとてもよかったので、描いてみた。

 「路地が切れて視界が広がったときはどんな景色が広がるのだろう。」
 路地を描くときの楽しみは、そんな絵にできあがることを期待しながら進められることだ。

2002,10,17


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