学校の廊下

 学校の廊下は独特の雰囲気がある。木造の校舎であればなおさらである。今の職場は木造の校舎の一部分が残っていて、ここにくるとなんか落ち着いてしまう。床はもちろん板張り。歩くと弾力を感じ、何とも暖かい。天井には今は蛍光灯がついているが、昔は白熱電灯だった。その電灯カバーは白く丸いものだったように記憶している。暗くなってこの電灯を灯すと、何とも言えない風情があった。
 このスケッチは西日が差し始めたころに描いた。梅雨の合間にたまたま差し込む柔らかい日差しが板の廊下を明るくしていた。天井はその照り返しで明るく感じた。
 右側は音楽室でこのスケッチをしていたときは1年生の授業だった。きれいな先生の声に一生懸命応えようとしている生徒たちの声を聞いていたら、彼らの表情が浮かんできた。
 つきあたりの戸の向こうに体育館の入り口が見える。体育館の中は真っ暗く、そこにたたんである卓球台の色をかろうじて感じることができた。
卓球台の色は、なんと青だ。

                    2002,6,27

これは、生徒と一緒に線遠近法(透視図法)を試してみたものである。

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