雪の日

 学生時代は関東にいた。大学の周辺はブナの雑木林がまだ残っていた。空っ風の冬が終わると、ブナ林は新緑に染まった。田圃や畑を区切るようにそれら雑木林はあって、どの方向を向いても美しい緑にあふれていた。

 何年か前ぼんやりとテレビを見ていたら、しんしんと雪の降る日の映像を流していた。広い田圃が雪に覆われ、遠くに民家がある雪の日のひとこまだった。

 今年も冬が近づき、雪の降る日を思った。学生時代を過ごしたあの地の、遠くにみえるブナ林と、一面に広がった田圃や畑が雪に覆われたら・・・。そんなことを考えながら描いてみた。

2001,11,17

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