とにかく暑い夏が今日も訪れた。

 部屋のクーラーは電源が入りっぱなしだったようで、
ボクが帰ってきたとき、ウンウンうんなっていた。
モーターもえらいだろうなと思う。

 クーラーなんてない時代は、
たとえば軒先に吊した風鈴が涼しさを届けてくれたりした。

「床机の浴衣の袖まくり、団扇を片手に将棋さす。」

 ちょっと前まで、その辺で見られた日本の夏の景色だ。

 時折聞こえてくる風鈴の音も、大人たちのそういった
遊びをながめるのも、夏の暑さを忘れさせてしまうものの
ひとつだった。

 そういえば、この夏は風鈴の音を聞いていない。

あんなにあった風鈴はどこへいってしまったのだろう。

2001,8,18

水彩画廊へ