春はそこまで

 何年か前に描いたこの絵をながめてみた。なんか新鮮な感じがした。

 今年の冬はもう終わろうとしている。
この近くでは年々雪の量は少なくなってきている。山陰地方の積雪量が少なくなってきたと感じている。

 20年ほど前まではよく雪が降った。「雪起こし」という雷を合図に雪は降り出した。「雪降り三日」といって降り始めると3日間はしんしんと降った。降り積もった雪はなかなか消えず、根雪となって残り、その上にまた新しい雪が積もってどんどんその量を増やしていった。屋根に積もった雪は徐々に溶け大きなつららを作った。子供の背丈ほどのつららも多くあった。そういえば子供の頃、そんなつららを風呂に持って入って遊んだこともあった。冷たいつららを持った手に感じる熱い湯の感触が懐かしい。

 今年の竹野の浜地区では何回か雪は降ったが、降り積もった雪は1週間と持たず消えてしまった。

 この50年間で地球の平均気温は0.7度ほど上昇したという。この地方でこれからもずっと雪は見られるのだろうか。

 そんな今年の冬ももう終わる。またいつもの春がやってきて、今はまだ葉をつけていない木々がもうすぐ芽吹く。

 春はそこまでやってきている。


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