竹野町馬場町の路地は迷路

竹野町の浜地区に、馬場町という区画がある。

 この馬場町区には、たくさんの道路がある。
面積はほかの区画に比べて結構広いのだが、車が通れる道はわずか二本だけで、あとはほとんどが路地である。これらの道がどのようになっているかというと、マスクメロンのあの網のように巡らされていて、初めて訪れる人は、海に向かったつもりが、いつの間にか90度方向違いにある大きな通りに出てきたりするほど入り組んでいる。路地の中には角がなく緩やかにカーブしているものがあるからだ。

 絵に描いた路地の向こうは緩やかな下り勾配で、左の方にゆっくりカーブしている。左側は塀があり自分がどっちを向いて歩いているのか方向感覚をなくしてしまう。しばらくいくと車のかろうじて通れる道路と交わる。その道路はこの路地に平行なのだが、初めての人にとっては、そんな位置関係は全くわからない。「あれ、どこに出たんだ」と思った時点で、もう迷ってしまっている。友人も「何回行ってもわかりにくいな、迷ってしまう」とこぼす。

 この絵を描いたときはだいぶ日は傾いていて、日差しは弱くなっていた。でもその光とそこにできる陰とのコントラストはとてもきれいだった。


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