漁港からの帰り道

 この絵は、竹野漁港の漁船を係留するための杭に腰掛けて描いた。漁港から家に帰る道をスケッチしたのはもちろん始めてで、絵にしてみるとどこか違った町になる。

 小さい頃から見てきたこの道も、何ら変わってないように思うが、あのころと比べ家も道路もそのほとんどが新しくなった。

 今の漁港はコンクリートのしっかりした護岸になっていて、台風などによる川の増水にも安心できる。しかし、その代償として、川原がなくなり、カニやウナギの稚魚やハゼやいろいろな川の生き物にあえなくなってしまった。

 一度失ったものは、もう帰っては来ない。


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