中町の路地

 竹野町の浜地区には狭い道路がたくさんある。しかし,そんな通りを歩いていると,結構大きな車が家の前に止めてあったりする。通りの入り口が狭いのに,よく車の出し入れができるなあと感心してしまう。一度こつをつかめば何のことはないのだろうが,それにしてもたいした腕前だ。この路地 の突き当たりの家にも,駐車スペースのある小さな庭が造られている。

 路地を歩くのが結構おもしろい。あり得ないところに電柱が立っていたり,猫がのんびり昼寝をしていたり。手入れの行き届いた玄関先の植木や花に感心したり。何かしらの出会いがある。たまに居間の様子がすっかり分かってしまうような家に出くわす。 そういえば,夏の暑いときなんかに部屋の中からの視線を感じることがよくある。外を歩いている方がドギマギしてしまう。中にいる人と目があったりすると本当に恥ずかしい。知らない家だとなおさらだ。でも,そんなハプニングも含めていろいろな出来事があるから路地を歩くのはおもしろいのだろう。
 知らない町で,路地を歩いていて,気の利いた店を見つけることができたときは嬉しくなる。画廊であったり,小料理屋であったり。
「よくぞ見つけてくれました。」そういってもらってるようでもある。

2009,1,10

日本海側の冬はどんより曇った無彩色 のイメージが強い。実際にはそういった日が多いのはたしかで。風景を描くには向かないかもしれない。しかし,それだからこそ,たまに訪れる晴れた日は,とても明るく感じる。暖かくなって,豊かな色彩が戻ってきたら,色をつけてみるかもしれない。


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