醤油瓶

 必要に迫られて,水彩画の講習会に行った。ずいぶん前のことだ。用意された題材は,藁縄やわらじなどの藁で作られたもの やひまわりの花を乾かしたもの,それと柳の篭に収まった醤油瓶。
 講師の先生が適当にどさっとテーブルの上に置いたのもを,みんなはそのままを描き出した。自分もその一人で,ごちゃごちゃしているなあと思いながら苦労して描いたことを思い出す。できあがった絵を見て,右の手前ががらんとしていたので,浜で拾ってきたひまわり らしきものの茎を付け加えたら画面が落ち着いた。
 もう,20年ほど前のことになるが,この絵を見ると思い出す。そういった記憶は普段どこにしまわれているのだろうか。何年経っても変わることはない。

 この20年で世の中はずいぶん変わった。日本の社会も,地球という星も。
変わっていくことが当たり前だといわれそうだが,変わっていく場合,その変わり方が問題だ。2008年はどのような変化が起こるのだろうか。

恐ろしくもあり,楽しみでもあり。

2008,1,5


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