神原,蔵のある家

 田舎には蔵を持つ家がまだまだ残っている。蔵の土壁は長い年月風雨にさらされてきたはずなのに,きれいな黄土色をそのまま残しているものが多い。近寄って見ると,けっこう痛んでいるが,藁と土でできた壁土は頑丈で粘り強く,たくましい。

 小さい頃,悪さをしたときのお仕置きは,「蔵に閉じこめられること」だった。さらに,「食事抜き」を言い渡されたときの悲しさ,そして絶望感。「俺たちの頃は,それが普通だったよな。」と昭和20年代生まれが相づちを打った。
 今思えば・・・。

2005,10,19


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