放課後の美術室
生徒のいなくなった放課後の教室は独特の雰囲気に満ちている。中でも、理科室や美術室などの特別教室は空気が違う。 がらーんとしていて、そこにいるのは自分ひとり。誰もやっては来ないだろうという安心感と、もしかして、誰かが突然現れるかもといった緊張感と期待感。さっきまで、誰かがそこにいたといった残存感とでも言うのか、なんともいえない不思議な感覚を肌で感じてしまう。学園ドラマの舞台になるのがうなづける。
ひとしきり説明を終え、多くの生徒が題材を求め教室から出ていった。残った数人の生徒と話しながら、「じゃあ、ぼくも描いてみるかな」と大急ぎで鉛筆を走らせた。後日、色はのんびりと楽しみながら置いてみた。
2009,11,2
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