畳には次のような特性があります。

1.弾力性

  畳表に使われているイ草。イ草一本一本のなかには、スポンジのようなフカフカしたものがつまってます。
  このフカフカの部分に空気がたくさん含まれているので、ほどよい弾力性が得られます。
  又、畳床がワラ床の場合も、稲ワラにたくさんの空気が含まれています。
  この弾力性によって、畳の上で転んでもたいしたケガをしないですみます。

    2.断熱性・保温性

      ワラ床は稲ワラがぎっしりとつまったものです。
      40cm程積み上げた稲ワラを、5cm程の厚さにギュッと圧縮させています。
      稲ワラの中身はイ草と違いポッカリと空いた空洞状です。
      ここにもしっかりと空気がつまっています。
      空気は熱を伝えにくいと言う特徴があります。
      畳の熱伝導率は、他の床材(アクリルカーペットやウールカーペット等)に比べ、
      熱伝導率が少ないので、断熱性・保温性に優れています。

    3.吸放湿性

      畳の敷かれている部屋は、夏涼しく、冬は暖かいという特徴があります。
      これは、畳を構成しているイ草と稲ワラのお陰です。
      イ草のスポンジ部分が湿気(しめり気)を吸収し、稲ワラのポッカリ空いた空洞部分が湿気を放出します。
      つまり畳は呼吸をしているのです。畳一帖分の自然吸湿能力は、約500ml。
      空気が乾燥した場合は、ほどよいしめり気を吐き出す力があります。
      畳は水分を吸う速度が遅く、高温多湿の日本の風土にピッタリ!とマッチした床材だと言えます。

    4.難燃性

      燃えやすい紙でも、ギュッとねじったものは広げてある紙よりは燃えにくいという性質がある通り
      ギュッと圧縮させた稲ワラは燃えにくい性質があります。
      そして、適度な湿気を含んでいるので、すぐに火がつく事はありません。
      例えば燃える事があっても、一気に燃え上がるのではなく、プスプスとくすぶる程度です。
      又、植物から作られている床材なので、有害ガスも出ません。
      この畳の難燃性は、消防庁も認定しています。

    5.空気の浄化

      イ草の中身は、フワフワとしたスポンジ状になっています。
      このスポンジには小さなプツプツとした穴があり、
      この穴やスポンジ部分に空気中に含まれている、
      人体にあまりよくない二酸化ちっ素を収着する性質があります。

    6.吸音効果

      「弾力性」の部分でもふれた通り、畳床の中の稲ワラの中には、
      たくさんの空気が含まれています。
      この空気は、ショックを柔らげる力のほかに、余計な音を吸い込む
      吸音効果にも作用します。
      ぎっしりと詰まった稲ワラの中の空気が、転んだ瞬間に吐き出され
      衝撃を弱くするのが弾力性。その逆に、歩いている足音が振動となり
      空気に含まれ吸い込まれるのが、吸音効果です。
      畳の敷かれている部屋に入ると、シーンと静まりかえっているはずです。
      目で感じる”落ち着いた雰囲気”に加え、この吸音効果がプラスされ
      心が静まるイメージを与えます。

                                             全国畳産業振興会発行 畳ミニ百科より抜粋

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