京都府庁旧本館(重要文化財)




明治37年(1904)・京都府技師松室重光(久留正道・一井九平)により設計される。
 松室重光    明治6年(1874年)京都府京都市生まれ。 東京帝国大学卒

京都府庁旧本館(重要文化財)
Come on・ザ府庁旧本館2005ー重要文化財旧本館公開(旧知事室等公開・展示)記念
11月2日〜11月6日まで(期間中ライトアップ)

京都府庁旧本館は明治37年(1904)12月20日に竣工。平成16年12月に重要文化財指定される
京都府庁舎平面の特徴 京都府庁舎外観の特徴
松室重光について
 設計は東京帝国大学で西洋建築を中心とする建築学を学んだ、明治6年(181874)生まれの若き京都府技師松室重光でした。彼の実力は、京都市役所を設計し京都帝国大学の建築課を創設した武田五一博士が後日、梅屋にてというイラストの中で当時を代表する建築家の一人として描いていますご覧下さい。 
成田町梅屋にて・・人物像解析


建物の歴史
 京都府庁舎を建築するについては先に完成していた東京府庁舎(明治27年)、
兵庫県庁舎(明治35年)を参考に設計されました。
外観は兵庫府庁、同様に近世フランス、ルネサンス様式に属しています。
松室重光(京都府庁)、山口半六(兵庫県庁)、時代を代表する建築家が関西で、時を同じくして府庁舎を設計しています。当時の写真、平面イラスト等を比較してご覧ください。


京都府庁庁舎建築風景

建設当時の京都府庁舎 明治36年頃の風景です。南西より眺望する。



兵庫県庁舎建築風景


完成直後の兵庫県庁舎 明治35年5月頃 写真・管理人蔵
 この建物(旧南庁舎)は建築家山口半六が兵庫県庁舎として設計し、明治35年に竣工した近世フランス
ルネッサンス様式の代表的作品であります。当時この種の建造物としては規模、優雅さともに日本一の博しました。   山口博士建築図集


京都府庁、創建当時の平面図



建物の概要
構造・練瓦造一部石造地上2階建(一部地下室付)
屋根・天然スレート葺一部銅板瓦棒葺
面積・約855坪
京都府資料より転載


兵庫県庁、創建当時の平面図
構造・練瓦造2階建建物、前半地下室附側石窓廻り    長押類花崗石軒蛇腹銅板屋根石盤葺
面積・約700坪
管理人(写真及び資料提供)
京都府庁舎平面の特徴
 平面は南側を正面とし、中庭を囲むロ字型としています。執務室はほとんどロ字型の外部に設け、中庭側を廊下としています。南面中央には車寄せが設けられ、広間を入ると正面に大理石を贅沢に用いた中央階段があります。其の階段を上がりきったところに正庁を設けています。また創建当時1,2階の四隅には重要な部屋が配され、特に2階の東南隅には知事室が、南西隅には貴賓応接室が設けられています。議事堂は北面に設け、1階には議場を置いて上部を吹き抜けとし、北・東・西の三方の2階には傍聴席が設けられています。このように、主要室が極めて整然と配置されていることが、この建物の最大の特徴となっています。  
京都府庁舎外観の特徴(平成17年11月2日〜6日までライトアップ)
 全体としてはルネッサンス様式に属し、正面の外観は、車寄せ、3連窓と上部の丸窓、彫刻を充填させたペジメントとコリンド式の角柱型、中央のおおきなマンサード屋根等の配置により中心性が強調されています。更に壁面は四隅の一画が強調して見えるように段違いになっています。屋根は天然スレートをうろこ状に重ねて葺き、大小のドーマー屋根(屋根窓)をアクセントに付けています。小さなものは換気の役目を果たしていますが、屋根裏部屋は造られていません。外壁の仕上げは擬石モルタル塗りで、要所を花崗岩で飾っています。           重要文化財 京都府庁旧本館(京都府) より転載
2005・11・12  管理人記す

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