京都市電開通式式場平面図
京都市臨時事業竣工電車開通式式場付近之図(原図、縮尺1200分ノ1)




京都市四条御旅町付近・花電車 (この付近四条通りに面している、長春寺借家の
地下に三代吉設計、古谷工務所施工の御旅カフェが営業し連日満員御礼であったとゆう。)

この頃花電車は人を乗せる電車と装飾だけの花電車の二通りあった。
運転台は吹きさらしで前方にはフロントガラスがなかった。
手動式のブレーキを使っていた。縞の着物に各帯をしめて見ているデッキの姿がほほえましい。

古谷三代吉設計図面 平面図
明治44年4月27日・京都市臨時事業竣工電車開通式事務官を当時の京都市長、川上親晴より任命される。
 
 イ アーチ
 ロ 式 場
 ハ 宴会場
 二 夜会場
 ホ 角力場
 へ 劇 場
 ト 貴賓御休憩場
 チ 萬歳堂
 リ 音楽堂
 ヌ アーク堂
 ル 蛸 吊
 ヲ 埒 垣
 ワ 警察詰所
 カ 設備部詰所
 ヨ 余奥部詰所
 タ 湯呑場
 レ 人力車置場
 ソ 茶 店(在来の分)
 ツ 便 所
 ネ 便 所(在来の分)
 ラ 救護班


 (注)平面図を拡大して、記号「カタカナ」を明記しました。
 



  上記の平面図の解説。
 京都市左京区岡崎公園の付近です。図面上記(北側)に平安神宮(明治28年竣工、設計者は木子清敬・伊東忠太です)、その西側に武徳殿(明治31年「1898」設計者は松室重光)、メイン通り東側、(ト)貴賓御休憩所の設置してある場所は現在の岡崎公園グランドと地下駐車場。通りを挟んで西側は現在の京都会館です。
図面下部(南)、通りに面して西側に京都府立図書館・(明治42年「1909」竣工、設計者は武田五一。)
東側は現在の京都市美術館(昭和 8年の竣工)です。
 明治26年、荒れ果てた岡崎の地に平安遷都1100年記念祭の事業として
平安神宮の建設が始まった。それ以後は岡崎の地は京都文化の中心として整備されて現在に到る。
 当時式場としては整備されたばかりの、岡崎の広大な土地に広範囲に亘って盛大な記念行事が催されました。市電の開通は日本で始めての大事業で京都市は近代化へ向けて他府県のどこよりも新しい動きに着手したのである。
我が祖父、三代吉は京都市の設計技師として、この場に立ち会えたことは、最高の栄誉であり、管理人は誇りに思うものである。 
平成17年(2005)5月28日 管理人記す。


竣工式の歌   京都市役所 作(作詞、作曲者は不明)
式場(「ロ」参照)等で楽団によって演奏された。


明治45年6月9日、京都市役所によって発行。


次回は京都市市電の歴史と開通式に係わった人々の名簿を公開します

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其の他の書籍等に掲載は禁じます。管理人 2005・5・28





京都市電開通式式場平面図解説
京都市電開通式式場平面図解説