D51-882 号機 トップページに戻る
マイクロエースのD51-882号機(月と鹿マーク)を改造し、テンダーモーター化しました。
マイクロエース製のD51(KATO製もそうですが)は、キャブからモーターがはみ出していて、気になると言えば気になります。
車高を下げると同時にモーターのはみ出しを無くすには、テンダーモーター化するしかないと思い、今回の改造となりました。
実車の最大の特徴はデフの月と鹿のマークです。また、インターネットで882号機について調べていくと、「ススカランド号」を
牽引しいる写真を多く見かけました。「スズカランド号」は国鉄の無煙化政策により蒸気機関車が旅客列車から外される中、
SL牽引の旅客列車を望む声に答えて1973年頃に登場した列車だそうです。当時開園して人気だった「スズカランド」に向かう
列車だったと思われます。末期には12系客車を牽引していたこともあるようですが、多くは青の旧型客車の編成だったようです。
今回のD51−882号機の改造では、この「ススカランド号」の牽引機にしようと、ヘッドマークも自作しました。
テンダーモーター化したことでキャブがシースルーになりました。空っぽなのも寂しいので運転士を乗せました。機炭間隔も
ぐっと詰めることができました。また車高を下げたことでキャブの屋根が客車とほぼ同じになり、編成としてまとまりました。
「スズカランド号」のHMはパソコンで作りました。
配管なども追加しました。ATS発電機(銀河のパーツ)を追加し、タービン発電機と合わせて給気管・排気管・電気管を追加、
省略されていた給水温め器からのパイプも追加しました。またキャブのナンバープレートの位置を変え、タブレットキャッチャーを
取り付けたり、先輪をモリタのスポーク車輪に交換したりもしています。ちなみにマイクロのSLのタービン発電機はそのままでは
形が悪いので、切り詰めました。
車高を下げるためにはダイカストブロックをひたすら削りました。またシリンダの取り付け位置を下げ、スライドバーの部品も
取り付け位置を下げなければなりません。ちなみにシリンダは、製品のままでは縦長すぎるので上部を少し削ってあります。
テンダーにモータを入れるのは大変でした。小型のモーターを使えばよかったのですが、部品を無駄にしたくなかったので元
の製品のモーターを流用すると、大きくてそのままでは入らないのです。モーターのケースやテンダー部品の裏側など、現物合
わせでかなり削りました。集電板も固定してモーターとははんだ付けしました。はじめはモーターをはめ込み式にして、何かあっ
たら外してメンテナンスできるようにしようと思ったのですが、どうしても接点で集電不良を起こしてしまうので断念してはんだ付
けしてしまいました。
エンジンとテンダーをつなぐドローバーは3.5mmほど詰めることができました。機炭間隔はかなり縮まりました。
最後にモーターとウォームギヤとをつなぎます。ユニバーサルジョイントが手に入らなかったので、製品のシリコンチューブを
半分に切断し、モーターの軸と同じ太さの丸棒(直径1.6mmの真鍮パイプ)を適当な長さに切って間に入れています。こんな
に単純な加工でもちゃんと走ってしまいました。ただこのままだと、モーターとウォームギヤの軸の高さが違うため、低い位置の
モーターの軸が引き上げられてしまい、テンダーが上向きに傾いてしまいます。これを防ぐためにウォームギヤの軸がテンダー
対してななめ下向きになるようにウォームギヤの軸受けを削りました。ところがこの加工によりウォームギヤの軸の中心がずれ
たため、カーブで軸が曲がるとダイカストブロックの内側に当たってしまい、カーブで止まってしまいました。このためダイカストブ
ロックの内側を削ってカーブで曲がっても軸が当たらないようにしました。今回の改造ではダイカストブロックを削るのが最大の
苦行で、ルーターと100均で買ったヤスリが大活躍しました。
走りは全く問題なく順調ですし、音も元の製品とあまり変わっていません。車高が下がってプロポーションが良くなり、キャブが
シースルーになるなど、かなり良くなったと自負しています。しかし悲しいかな、Nゲージでは編成で走らせれば未改造の物とどう
ちがうかは一目では分かりません。苦労して改造したのにあまり報われた気持ちになれません・・・。
未改造(連結器のみ取り替え済み)のマイクロエースD51-750の写真と比べてみて下さい。
ちなみにこれらの改造は、今回も「Nゲージ蒸気機関車」というHPの「蒸機の加工」 という記事がとても参考になりました。