アメリカ見聞録10
魅力いっぱいのNew Orleans
Jazzの他にもNew Orleansはとても魅力的なところだった。8月4日、ホテルで久々にまともな朝食をとり11時前のpick
upでLouisiana Swamp tourに参加した。最初にDestrehan Plantationといういわゆるhomesteadと同じ大農家の見学ツアー。最初はindigo次に
sugarcaneそして oilと各時代に応じて儲けのネタは変わっても儲ける家系は同じという訳。結婚もarranged marriageという事で貴族並み。The
Mississippiのすぐ側にあり小高い土手で洪水を防いでいる。New Orleans は海抜よりも低いという事で運河と堤防の街でもある。そして広大なmarsh
とswampの地域でもある。
Plantationから45分ほどメキシコ湾の方にmarshと林しかない所を走りBayou Baratariaに到着。Bayouとはbackwardくらいの意味らしい。安定したflatなboatに乗り、Swamp
tourへ。一ヶ所でメキシコ湾と繋がっていてそのあたりは大きな川の河口のような感じ。ところが、ぐるぐると進んで行くうちに迷路のように枝分かれに別れて行く。昔よく映画で見たようなjungleに囲まれた沼のような川のようなところに入ると、あちこちから船をめがけてAlligatorがやってくる。大きいのも小さいのもすごく泳ぎが早い。船から船頭が撒くマシュマロが目当てなのだ。このswampはNational
Park で厳密に保存されているのかと思いきや一部はなんとprivate propertyになっているというのに驚く。立ち入り禁止の看板がかけてあるのだ。漁業にも利用されており、海水、淡水両方の魚が獲れるという。Forrest
Gumpで見たshrimp boatも沢山あって懐かしい感じがして変だった。実際迷い込んだらnative captain以外絶対に出られないところだ。日本の鷺に似た水鳥がいた。
帰りは、River Walkで降りて、Mike Andersonユsのseafood Jambalayaを初めて食べる。これがなかなかイケタ。外に出てstreet
carで知らずにGarden Districtと言われる所まで行く。なかなかお洒落な街並みだ。途中でTokyoという和食の店を見つけてつい寄った。マグロとイカ刺しが美味かった。マグロはエクアドルから来るそうな。親父は日本人だった。こんなところまで日本人が来て生活している事実に驚いた事だった。
真実を見ぬく確かな目を(中間のまとめ)
さて、この連載は少し書き残している気がするのでもう少し続ける予定だが、3年生諸君にはこれが最後の連載になる訳なのでちょっとした締めくくりをしておく。
Chicagoで僕はアメリカの人種差別の根強さに驚いた。第5回で書いたようにそれは人の心がけとか好き嫌いのレベルの問題ではなくアメリカ社会全体のsystematicな問題なのだった。そういった問題を垣間見てChicagoでは何か重たい気分に襲われたのだ。
New Mexico やColoradoなどでは大自然の雄大さ、広大な砂漠に押しやられた先住民たちのことなど都会とはまた違うアメリカの顔を見た気がした。New
Orleans ではJazzとともに上記のような不思議な魅力を強く感じた。詳しくは後述する予定だがSan Francisco(裏へ続く)
はChicagoと同じ都会でも多民族社会としてのアメリカの未来の有り様の一つの理想像を示しているように思えた。
アメリカ社会はそれほど多様で、様々な問題を常に抱えつつ、それでも政治的、軍事的には「世界の警察」として、経済的にも世界の強国として繁栄しているように見える。その原動力とは常に移民を受け入れなければStatesとして立ちいかない反面、よそものに対するprivate
propertyのprotectionとしてのcommunityの存在との矛盾、それが巨大なメディアの資本との相対的独自性(チョット難しかったか)によってドライブがかけられ増幅される。the
Declaration of Independenceのあの有名な一節"All men are created equal."という民主主義の根本理念を高らかに謳いあげた「民主主義の旗手」としてのアメリカの苦悩と葛藤、傲慢さ。それを全部飲みこんで行くアメリカ社会のdynamism。事は決して単純ではない。大切なのは事実をリアルに、丹念に見て行く事であり、そうして得た知識や情報を分析する確かな眼をいかにして養うのかという事ではないだろうか。それは決してアメリカを知る為にとどまるものでない事は明らかだろう。
賢明な君たちは、僕がこの連載を通して君たちに何を伝えたかったかを感じ取ってくれたのだと信じている。My Dear 3rd Graders!
親愛なる3年生諸君の前途に幸多からんことを願ってやまない。