- 諺で解く日本人の行動学">諺で解く日本人の行動学 竹内康雄 東洋経済新報社 ISBN:9784492221839 ASIN:4492221832
諺にひそむ日本人の行動原理を辛らつにあぶり出す。
- 見ざる聞かざる言わざる 諺で解く日本人の行動学 p18-19
これも安全な方針とは言い切れない。自分が「三ざる」に徹して、情報を持っていないことを周りに納得させない限り意味が無い。
自分が実際に知らなくても「知るべき立場にあるので、知っているに違いない」と思われたらそれまでである。
見ざる聞かざる言わざる
- 一ひき二才三学問 諺で解く日本人の行動学 p35
一の「引き」はコネ、人脈に恵まれることをいう。
自分の努力と才覚で人脈を作り、コネを開拓したのであれば、それを努力や能力のうちに数えることも出来る。
二の「才」は、持って生まれた頭の良さや、さまざまな能力のこと。
- 言わぬが花 諺で解く日本人の行動学 p38
- 相手に、すべての真実を聞かせないことで、あれこれ想像させる余地を残すほうが良い
- 本当のことを話すと、相手がショックを受ける等、本人のためにならないので言わないほうが良い
- 言わないことで奥ゆかしいと思わせたほうが賢明である
- 言わないことで、余計な詮索や追求を受けずに済む
多言數窮
- 嘘も方便 諺で解く日本人の行動学 p38-39
森鴎外は「知恵袋」の中で、「嘘をつくな、妄言を口にするな」と言っている。
本当のことを言うと不利になるから黙して秘密にするというのはまだ良い。一歩踏み込んで作り事を言うのは良くないと言う。
その時々の損得を考えて嘘をつき、作り話を並べていると、やがて墓穴を掘ることになる。
嘘も方便
- 鬼の居ぬ間に洗濯 諺で解く日本人の行動学 p41
監督する人間の目が届かない時に適当に仕事をサボって息抜きをするのは使用人の「要領」である。だから監督を怠れば使用人はサボるものと覚悟しなければならない。
しかし、サボらないように厳しく督励しなければならないようでは賢明な人の使い方とは言えない。たとえば、「出来高払い」で人を雇えば、結果を見て報酬を支払えば良いため、監督はいらない。
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