175.有機化合物 organic compound

 organというとpipe organ(パイプオルガン)のような楽器を考えますが、もとはギリシャ語の「道具や楽器」をあらわす言葉で、いくつかのものが集まって一つの働きをするところからorganism「有機体、生物、有機的組織体」という意味が生まれたのでしょう。有機化合物の研究が始まった頃、これらは生物しかつくれないものと考えられていました。そこで、organismから「いのち」が宿るorganicな化合物として名付けられたのです。逆に食塩や鉄といった無生物の世界のことはinorganic(無機的な)という言葉で表されるようになり、organic chemstry(有機化学)、inorganic chemistry(無機化学)という言葉ができました。organの派生語にはorganize「組織化する、系統立てる」から、organizer「組織者、まとめ役」、そしてILO、International Labor Organization 国際労働機関やWHO、World Health Organization (国連)世界保健機関のorganization「組織、機関」などがあります。

176.特徴 feature

 featureは「作られたもの」という意味から「特徴や特徴」を表しますが、Her mouth is her best feature.(彼女は口が一番美しい)のように「顔の造作」の意味もあります。類語のfaceは「外形、様相」からきていて顔のあご(chin)から髪の毛までのheadの前面部分をさすので、eye(目)、nose(鼻)、mouth(口)、cheek(ほお)などを含みますがears(耳)やtemple(こめかみ)は含みません。化学では、characteristicが物質から法則の特徴まで広く使われるのに対して、featureは物質の特徴を述べるときに使われ、単に「性質」というときにはpropertyがよく使われます。同じ性質でも人の性質を表す言葉はいろいろあり、ラテン語の「印刻の道具」から印刻、表徴となったcharacterはa man of character(人格者)のように道徳的・倫理的な面における個人の性質を、personalityは対人関係において行動や思考の基礎となる身体的・精神的特徴を表します。また、individualityは他の人との区別がはっきりしていて際だった個人特有の性質をtemperament は性格の基礎をなす主として感情的な性質をあらわします。

177.分類 classification

 日常の言葉としてはgroupingがありますが、硬い言葉としてはclassificationを使います。もとはラテン語で「(ローマ人の)階級や区分」を表すclassisからきていて、名詞としてはbe divided into three classes(3種類に分類される)のような「種類」の他にGood morning, class! (皆さんお早う)やgo to class (授業に行く)のように学校のクラスや授業のことも意味します。動詞はclassify(分類する)で、その名詞がclassificationとなります。派生語のclassicはもともと「(最高)クラス(class)の」のという意味で、「一流の、最高水準の」というところから「伝統的な」とか「古典的な」といった意味が出てきたのでしょう。ゴルフの試合で「〜 classic」というのも「一流」の試合であるこということでしょうか。

178.次々に one after another

 anotherは中期英語のanとother が結合したもので、Have another [cup].(もう1杯召しあがれ)のように「もう一つの」という意味で使いますが、成句としては、I saw cars go past [by] one after another.(車が次々に走ってゆくのが見えた)のように「次々に」という意味になります。よく似たものとしてone after the otherは二人がかわるがわる(交互に)を表し、one anotherはeach otherと同じように「お互い(に、を)」という意味でElements frequently combine with one another.(元素はしばしば互いに結合し合う)となりますが、これらは主語にできないので、We each know what the other wants [the others want].とかEach of us knows what the other wants [the others want].のように表します。これらのほかにone with another(概して)という成句もあります。

179.鎖式化合物と環式化合物 chain compound and cyclic compund

 chainは鎖という意味からa chain of mountains山脈、a chain of islands列島、a chain of events一連の出来事、a chain storeチェーン(店)、chain reaction連鎖反応、そして動詞としてThe prisoners were chained together.(囚人たちは鎖でつながれていた)ようなものまで広く使われています。ラテン語ではcatenaで、鎖を垂らした曲線をcatenary懸垂線、鎖状に(連結)することをcatenation といいます。一方、cyclicはcycleの形容詞形でcycleはギリシャ語の「円」の意味から一連の現象が完成する周期を表し、life cycle生活環、the cycle of the seasons季節の一巡のように使い、関連のある言葉としては、その球根が丸い形(cycle)をしていることからcyclamenシクラメン、ギリシャ語の「回る」の意味からcycloneサイクロンなどがあります。ラテン語の「輪」からは円circleがあり、類義語として、環ring、link (鎖の)、車輪wheel、ひもなどで作るloop、たがhoopなどがあります。

180.官能基 functional group

 「官能」を辞書で調べると名詞はthe sensesで感覚(五感)のことですが、形容詞としてはsensualで(知的・精神的と区別した)肉体的感覚のという意味になり、sensual pleasure(官能[肉体]的快楽)のようなsexualやcarnalの意味で使われます。ちなみに、carnalはcarnis肉に由来する言葉で、carnisに関連する言葉としてはcarnival謝肉祭、carnationカーネーション(花の色が肉色)などがあります。このため、「官能基」というとよく誤解を招きますが、化学では、functional groupの訳で、an atom, or group of atoms, which gives an organic compound its reactivity.のことです。functionはラテン語の「functusなし遂げる」からきて、the function of the heart(心臓の働き)のように「機能、働き」を表します。数学ではfunctionは「関数」を表し、三角関数trigonometrical function、対数関数logarithmic functionなどがあり、医学用語ではa functional diseaseは「機能的疾患」となり、対になる言葉がan organic disease「器質性疾患」です。

181.命名法 nomenclature

 名前は英語でname、ドイツ語でName、フランス語でnomですが、nomenclature(命名法)はラテン語のnomenに由来します。nomenからは、形容詞としてのnominalをa nominal ruler (名ばかりの支配者)のように使ったり、動詞としてのnominate、その名詞としてのnominationをnominate a person for the job(人をその仕事に推薦する)やShe won an Oscar nomination for best supporting actress.(彼女はアカデミー賞の最優秀助演女優に推薦[ノミネート]された)のように使います。nominalの反対語はrealで、trueが実際と一致していることを表すのに対して、外見と内容が一致していて名前だけではないことを表します。realの反対語はnominal以外に、real number(実数)に対してimaginary number(虚数)、real image(実像)に対してvirtual image(虚像)などがあります。さて、nominativeとはどんな意味でしょう。

182.精密 precision

 precisionは「短く切る」という意味の形容詞preciseの名詞で、精密な技術a precision techniques、精密な測定a precise measurement、正確にwith precisionのように使い、細かい点に至るまで正確なことを表します。類語には、a correct view正当な見解、a correct judgment正しい判断のように一般的に認められた慣習に合っていることや規準に合って間違いのないことを表すcorrectや、He is accurate at figures.(彼は計算が正確である)のように注意や努力を払った結果として正確であることを表すaccurate、the exact time正確な時間のように事実や真理に完全に合致していることを表すexactがあります。その他にも、フランス語の「細かく切る」からきたdetail(細目)の形容詞detailedはa detailed report詳報のように使われ、「小部分」からきたminuteは名詞としては「分」を表し、「秒」のsecondはminute(分)の次に細かい(second minute)に由来します。

183.操作 operation

 operationのもとの動詞operateは、「働く」からきているので、The machines will not operate properly.(機械がうまく作動しない)のように操作してうまく動くかどうかを表すときに使い、The surgeon operated on him.(外科医は彼に手術をした)のように手術という意味もあります。「操作」を意味する言葉には、「手」に由来する言葉が多く、manipulate stocks[public opinion](株式[世論]を操作する)というmanipulateはmanicureなどと同様にラテン語の「手」に由来しどちらかというと「操る」という感じがあり、He was severely handled in the witness box.(彼は証人席で手厳しい扱いをされた)というhandleは古期英語の「手でふれる」の意味で文字どおり「手で扱う」という意味になります。manager(支配人)やmanagement(経営、取り扱い)などで使われるmanageはイタリア語の「手で馬を訓練する」からきた言葉で、「事業などを経営する」ことや「家事などを切り盛りする」意味のほか、馬を御するところから人や道具を上手に扱う(あしらう)という意味もあります。

184.整数 integer

 整数比the ratios of whole numbersのような場合には、古期英語の「健康な」の意味からきたwholeをよく使います。これは、ラテン語の「割ること」からきたfractionが「分数」を表すことに対して、wholeには欠けたところがないという意味がありwhole numberで「整数」となるからですが、数学の用語としてはintegerを使うことの方が一般的です。integerはラテン語の「完全な」という形容詞ですが、英語では名詞として「整数」、「完全体」というような意味になり、代わりにintegralが「完全な」という意味の形容詞になっています。このintegralは、数学用語としては形容詞として「整数の」、「積分の」という意味や、名詞として「積分」という意味で使われます。動詞のintegrateは「完全にする」という意味からThe theory integrates his research findings.(その理論は彼の研究結果をまとめたものである)のようにいくつかの要素を統合するという意味になります。、integrateからは、IC(integrated circuit)のintegrated(集積された)やLSI(large-scale integration)のintegration(集積、「積分すること」という意味もある)などが派生しています。では、a man of integrityはどんな人でしょう。

185.適当 appropriate

 This present is suitable for a girl of ten.(この贈り物は10歳の女の子には向いている)のように条件や目的などに合致していることをsuitableで表しますが、特にぴったりとあてはまっていることを表したいときには、by appropriate method(適当な(適切な)方法により)のようにappropriateを使います。類語のfitは、形容詞として条件や目的などに対する適応性があり、特に使用や行動に用意ができていることを示すので、The house is not fit for you to live in.(その家はあなたが住むにはふさわしくない)のように使いますが、名詞として衣服が体に合うことを示して、The coat is a good [a poor] fit.(この上着は着具合がよい[よくない])のようにも使います。また、He is adequate to the job.(彼はその仕事に適任だ)のようにadequateも「適当な」という意味に使われますが、この言葉は「等しくする」からきているのでsuitableなどとは異なり、数量のほかに性質や資格などについて最低の必要を満たすのに足りるという意味で用いられます。これらの他にも、a reasonable price(手ごろな値段)、fair wages(適正な賃金)などがあります。

186.ミリグラム milligram

 1000分の1gが1mg(milligram)、1000分の1mが1mm(millimeter)というようにthe metric system(メートル法)で「…の1000分の1」の連結形として使われるのがmill-で、10進法により10倍、100倍、1000倍をギリシャ語系のdeca-、hecto-、kilo-で、1/10、1/100、1/1000をラテン語系のdeci-、centi-、milli- で表します。ラテン語の「千」からはmille(フランス語の千)、「千歩」という意味のmile、millennium(千年祭、至福千年)、mille-feuille(ミルフィーユ、千の葉という意味)などがあります。

187.脂肪族 aliphatic

 ギリシャ語のaleiphatに由来する言葉で、脂肪fatは、この言葉の後ろの部分からきたのでしょうか。fatはthin(やせた)に対して「太ったこと」を表す最も一般的な語ですが、脂肪が多く醜い太り方を意味するので女性には用いないほうが良く、赤ん坊や若い女性について、よい意味で丸々と太っていて肉づきがいいことを表わすには「ふくよかな」という感じのplumpを用います。また、fatは比喩的に使われて、a fat purse「金がたんまり入っている財布」、a fat job「もうかる仕事」を表します。類語には、豚の脂肪を表すlard 、牛や羊などの固い脂肪を表すsuet、鯨の脂肪を表すblubberなどがあります。形容詞のfattyは、「脂っこい」という意味ですが、化学ではfatty acid脂肪酸のように使います。

188.パラフィン paraffin

 paraffinという言葉は、ラテン語のparum(わずかの)とaffinis(親和性のある)からできた言葉で、alkaneまたはメタン系炭化水素(hydrocarbons of methane series)のことをパラフィン炭化水素(paraffin hydrocarbon)ともいうのは、これらの反応しにくい、つまり他の物質との親和性(反応性)が乏しいということによります。affinisは、英語ではaffinityとなり、電子親和力electron affinityやEnglish has many affinities with German.(英語にはドイツ語と多くの類似点がある)のように使います。paraffinに属するものを調べてみると、methaneはmethylからきていて、methylはギリシャ語のmethy(酒)とhyle(木)からきています。これは、木を蒸し焼きに(乾留)して得られるアルコール(酒)がmethyl alcoholメチルアルコール(メタノール)ということに由来し、また、butaneはバターbutterに含まれる酪酸butyric acidに由来しています。

189.同族体 homologous series(homologue)

 もとの言葉はhomologyで幾何学や生物学では「合(相)同」を、化学では「同族関係」を表す言葉です。homologyからhomologueが派生するように、類語で「相似」という意味でdraw an analogy between two things(二物間の類似を指摘する)のように使うanalogyからはanalogueが派生し、指(digit)からきたdigitalに対する言葉となっています。homo-はギリシャ語の「同一(the same)」を表す言葉の連結形で、均質なという意味のhomogeneous、その動詞のhomogenize(…を均質にする)や、pale「青白い」とpale「くい」のような同音異義語homonym、rightとwriteのような異形同音異義語homophoneがあります。homo-の反対の意味を表す言葉はhetero-でorthodoxに対する「異端」という意味のheterodox、homogeneousに対してheterogeneousは「異質な」という意味になり、tear(涙)とtear (裂く)のような同綴り異音異義語はheteronymといいます。ちなみに同義語はsynonym、反対語はantonymです。人類のことをホモサピエンスHomo sapiensというのは、ラテン語のhomo(人間)とsapio(賢明である)からきていてwise manの意味になります。

190.異性体 isomerism, isomer

 日本語では、性質が「異なる」という意味の言葉ですが、英語は、逆に「等しい、同じ」を表すiso-からきています。そして、the property of having the same molecular formula, but diffarent structure formulaeをisomerismといい、one of two, or more, compounds which exhibit isomerismをisomerと区別しているのですが、日本語ではどちらも「異性体」というので間違うときがあります。形容詞はisomeric(異性体の)で、「等大の(同じ大きさの)」というisometricと間違いそうです。

191.立体構造 steric structure

 「立体」というと3D(three-dimensional)映像という感じがしますが、立体のことをsolidということから、立体感がある(look solid)や、数学ではsolid geometry(立体幾何学)のように使います。化学では、分子内の原子の配置を立体的に考える立体化学はstereochemistryといい、原子と原子がぶつかってうまく反応できないような立体障害はsteric hindranceといいます。これは、stereo-(stere-)もstericも「立体的な」という意味を示すからで、stereoには立体写真stereo graph、monauralに対する立体音響stereo phonicなど「立体」という意味の他に「固い」という意味もあるので、stereo typeのように「(独創性を欠いた)定型的な決まり文句(考え方)」という使い方もあります。分子の中の原子の配置について、単結合のまわりを原子が回転するようなものは立体配座conformationといい、二重結合などで固定された配置については立体配置configulationという言葉を使います。

192.置換反応 substitution reaction

 substituteはラテン語の「下に(sub)置く」という意味の言葉で、動詞としてWord processors are being substituted for typewriters.(ワープロがタイプライターに取って替わりつつある)のように使います。名詞はsubstitutionで、化学では「置換」と訳して、to substitute a methyl group for a hydrogen atom in an organic compoundというようなことをsubstitution reactionといい、例えば、このmethyl groupにあたるものを置換基substituent、置換基の入った化合物のことを置換体substitution productといいます。

193.クロロホルム chloroform

chloroformはメタンmethaneの塩素置換体で、系統的な名前はtrichloromethaneですが、最初にchloroformが作られたときに漂白粉(Chlorkalk)と蟻酸(formic acid)から作られたので、この二つの名前から名付けられたと言われています。formicはラテン語の蟻formicaからきていて、蟻の毒の中に蟻酸が含まれていることに由来します。chloroformには麻酔作用があり、「麻酔」で調べると、感覚がないという意味のanesthesiaからは麻酔学anesthesiology、麻酔医anesthetistが、麻痺という意味のnarcoticからはnarcotic addict麻薬常用者などが派生しています。

194.石油 petroleum

 ラテン語の「石petra」と「油oleum」からできた言葉がpetroleumで、petraからはpetrology岩石学、petrlogist岩石学者などが、そしてpetroleumからはliquefied petroleum gas(LP gas)液化石油ガスや石油化学petrochemistry、石油化学コンビナートpetrochemical complexなどができています。コンビナートはcombinationがロシア語になってから広まったものです。石油に関わる言葉を集めてみると、原油はcrude petroleum(oil)といい、このcrudeは「血にまみれた、生の」という意味です。ガソリンは米語ではgasolineで口語ではgasといい、gas stationで給油所(ガソリンスタンドは和製英語)、英語ではpetrolとなります。灯油は米語ではkeroseneでこの言葉はギリシャ語の「蝋(ろう)」から、英語ではparaffinといいます。軽油と重油はそれぞれlight oil、heavy oilで、軽油のことをディーゼル油diesel oilともいうのは、ドイツのDiesel が発明したdiesel engineに使うからです。また、粗製ガソリンのことをナフサnaphthaといいますが、古代バビロニアで使われていたnapta(石油)に由来する言葉で、naphthaleneナフタレンやnaphthaeneナフテン(cycloalkaneのこと)などが派生し、現在でもロシア語では石油にнефтьの語が使われています。

195.改質と分解 reforming and cracking

 reformという言葉はre-(再び)とform(形)からできていて、They are going to reform the educational system.(教育制度を改正しようとしている)のように、「作り変える」という意味で、形容詞のreformatoryには「改革の」の他に「更生の」という意味もあり、名詞として「非行少年更生施設」つまり少年院という意味もあります。化学では、a process in which straight chain alkanes are dehydrogenated and form aromatic or branched chain hydrocarbons.のことをreformingといいます。一方、crackは擬音語からきています。the crack of a whip(むち打ちのバシッという音)や、a crack of thunder(雷鳴)のようにパチッ、バリバリッなどという音とともに「ひび」が入るということから、a crack in the ground (地割れ)、cracks in a cup(茶わんのひび)などの意味になり、さらに動詞としてThis plaster may crack when it dries.(このしっくい(石膏)は乾燥するとひびが入るかもしれない)のようにひびが入ること、そしてThe nut cracked open.(クルミはパチンと割れて開いた)のように「割れて…の状態になる」という使い方もします。だから、薄くてパリパリするビスケットも、紙製で糸を引っ張ると破裂して中から紙テープがでてくるクリスマスパーティー用のおもちゃもくるみ割り器もcrackerというのでしょう。化学でcrackingは、熱や触媒を用いて大きな分子を小さく分解することをいいますが、きっとひびが入って割れていくイメージを表したのだと思います。cf. clackも擬音語「カタッ、パチッ」

196.ひとつ mono-

 monaural monochrome monody monograph monolingual monologue monophonic monoplane monopoly monorail monotheism いくつわかったかな。

197.付加反応 addition reaction

 a process in which two substances react to form only one substanceのことをaddition (reaction)と言い、とくに水素が付加するときにはhydrogenation、アルキル基が付くときにはalkylationとなります。addはラテン語のaddo(つけ加える)からきていて、add salt to a dish(料理に塩を入れる)のように使います。名詞のadditionはan addition to…(…に加える)から、In addition to a thick fog, there was a heavy swell.(濃霧に加えてうねりも高かった)のように使います。逆に、the removal of atoms from a moleculeは、elimination reaction脱離反応で、subtraction reactionではありません。

198.重合 polymerization

 プラスチックplasticsには、ポリ〜(poly-)というものがたくさんありますが、poly-はギリシャ語の「多くのpolys」に由来した言葉で、例えば、レジ袋などに使われているpolyethylene(ポリエチレン)は、たくさん(poly-)のエチレンethyleneを付加反応addition reactionによってつないで作られたものです。この反応でethyleneにあたるものをmonomer(単量体)といい、それらが重合(polymerize)して、polyethyleneというpolymer(重合体)になることを重合(polymerization)といいます。ほかにpolyのつく言葉としては、Polynesia(ギリシャ語で「たくさんpoly-の島-nesia」の意味、-nesiaについてはMicronesia, Melanesiaがある)などもあります。よく似た言葉のmulti-も「多くの」という意味ですが、こちらは種類が多いことを示すのでmulticulture(多文化)、multipurpose(多目的)のような使い方になります。monomerがたくさんではなく、すこし(oligo-、oligosに由来)つながったものをoligomerオリゴマーといい、オリゴ糖はブドウ糖などが少しつながったものという意味です。また、oligosからは、oligarchy少数独裁政治、oligarch独裁者などが派生しています。

199.幾何異性体 geometrical isomerism

 幾何学geometryは「地球、土地」の意味を表すgeo-と、「測定(法)」の意味を表す名詞連結形の-metryからできた言葉です。古代エジプト(ancient Egypt)でナイル川(the Nile)の洪水の後に土地を測量するところからgeometryが誕生したというのでしょうか。geo-ではじまる言葉には、geochemistry地球化学、geophysics地球物理学、geography地理学、gomorphlogy地形学、geochronology地質年代学などがあり、-metryで終わる言葉には、thermometry温度測定、hygrometry湿度測定、anthropometry人体測定学(anthropo-「人」などの意味、anthropoid類人猿のような、anthropology人類学)などがあり、長さの単位や計器がmeterなのもここからきています。geometrical isomerには、on the same side of the double bondという意味のcis-configurationとon opposite side of 〜のtrans-configrationとがあり、cis-とtrans-は、ローマから見てアルプスのこちら側をcisalpine、向こう側をtransalpineというような使い方もあります。

200.アルコール alcohol

 物の精を表すアラビア語にal-kuhl(alはアラビア語の定冠詞で星の名前にもよくある)があり、ラテン語でぶどう酒の精を意味するalcool vini(viniはwineのこと)からいつしかviniがとれて、アルコールのことをalcoholというようになりました。現在の英語では精神を表すspiritも複数形のspiritsでアルコールを表し、日本語でもアルコールは漢字で「酒精」と書きます。alcoholismはアルコール中毒(症)で、alcoholの形容詞はalcoholicとなり、alcoholic drinksは、「液体の状態」というラテン語からきたliquorとともに(諸種の)アルコール飲料を示します。アルコール飲料には、ぶどう酒wineを蒸留したオランダ語で「燃えたワイン」からきたbrandy、古期英語の「飲みもの」からきたbeerを蒸留したともいえるwhiskeyはゲール語の「命の水」の意味、bourbonは米国のKentucky州の産地の名前からきたトウモロコシとライ麦製の米国産のウイスキー、tequilaはテキラリュウゼツランの茎の汁を発酵・蒸溜して造るメキシコの酒、ginはライ麦・トウモロコシを原料としネズ(juniper)の実でかおりをつけた蒸留酒、rumは糖みつまたは砂糖きびから作る酒、vodkaはロシア語の「水」の意味でライ麦・小麦から作るロシア産の無色無臭の蒸留酒、そして日本酒はsakeとなります。では、spirits of wineはアルコールですが、spirits of saltは何でしょう。

201.第1級 primary

 アルコールはその反応性によって3種類に分類されます。第1級のprimaryはラテン語の「第一位の」からきていて、第一アクセントはprimary accent、初等教育はprimary education、オペラの主役女性歌手は、prima donna(first ladyの意味、the Madonnaで聖母マリア)のように使われ、prim number素数、prim minister首相なども関連しています。第2級のsecondaryは、a secondary infection 第2次感染、of secondary importance二次的に重要な、This matter is secondary to that.(この問題はそれに比べれば二次的な問題だ)のように使います。そして、第3級のtertiaryになると用例はぐっと少なくなって地質時代の第3紀the Tertiary periodや、やけどの程度が3度を表すくらいです。では、secondはsecondaryと同じ系統の言葉ですが、firstはどこからきた言葉でしょう。

202.高級アルコール higher alcohol

 アルコールについての高級higherは、high classとかhigh qualityという意味ではなく単に分子量がhigherであるということで、逆に分子量の小さいアルコールは低級アルコールlower alcoholとなります。highは、high heels ハイヒール、high society 上流社会のように高いことを表しますが、人や動物には代わりに、He is six feet tall.のようにtallを使います。tallの反対はshortで、a short man(背の低い男)のように使いますが、shortはshort hairのようにlongに対して短いことや、at a short distance(近くに)のように遠いに対しての短いこと、short weight(量目不足)などを表します。では、the Lower House(下院)に対して上院は何というでしょうか。

203.グリセリン glycerin(e)

 グリセリンglycerinのglyc(o)-は「甘い」という意味の連結形であることから予想されるようにグリセリンには甘みがあります。glyc(o)-で言葉を探してみると、甘いアルコールという意味のglycol(グリコール)や、糖のもとという意味のglycogen(グリコーゲン)、甘みのあるアミノ酸のglycine(グリシン)などが見つかります。たぶん、お菓子の「グリコ」もこのあたりからきたものでしょう。glycerinは乳液のような化粧品cosmeticsにも使われますが、このcosmeticは、ギリシャ語のcosmosからきたものです。「混沌」を表すchaosに対して、cosmosは「秩序、宇宙」を表し、the cosmosで秩序と調和の現われとしての宇宙(the universe)を意味します。「宇宙」という意味での形容詞はcosmicですが、「秩序や調和」という意味での形容詞はcosmeticとなります。例えば、make cosmetic changes in a manuscript(原稿の(大意を変えないで)文章を整える)のように、心や容姿の乱れた状態を整ったものにするのがcosmeticsということになります。

204.エーテル ether

 ギリシャ語には、「天空の空気aither」と「地上の空気aer」があり、etherは、aitherからきたと言われています。そして、the etherで(古人が想像した)大気外の精気や霊気、詩の中などで「天空、青空」をあらわし、形容詞のetherealからはethereal beauty(この世のものと思えない美しさ)という言葉があります。また以前には光を伝える媒体としてのetherが考えられていましたが、アインシュタイン(Albert Einstein)の相対論(the theory of relativity)によって否定されてしまいました。

205.アルデヒド aldehyde

 「アルデヒド」という言葉は、ドイツのLiebigによって脱水素されたアルコールという意味のラテン語alcohol dehydrogenatumから作られたと言われています。最近ではalcoholに分類されるものはmethanolのように〜olにするのに倣って、form aldehydeのように〜aldehydeという形からaldehydeのalをとってmethanalのようになってきています。では、ケトンketoneの場合はどんな名前になるでしょう。

206.酢酸 acetic acid

 ラテン語の「酢acetum」からきていて、aceto-でacetoneやacrtoaldehydeのように酢酸に関連する化合物を示します。英語では酢のことをvinegarといいますが、これは古期フランス語で「egre(酸っぱい)とvin(ブドウ酒)」という意味です。vineはwineと同系統の言葉で、現在ではブドウgrapevineをはじめツタivy、キュウリcucumberなどつる植物のことを指します。関連する言葉を調べるとvintageという言葉も「ブドウの収穫」からきていてvintage wineで上等のぶどう酒をあらわします。IUPACの命名法に従うと、酢酸のようなカルボン酸は〜oic acidとなるので、2個の炭素からできている酢酸は、ethanoic acidとなります。

207.カルボン酸 carboxylic acid

 カルボキシル基(carboxylic group)を持つカルボン酸は生体に広く存在し、名前もそこから付いたものが多くあります。例えば、ギリシャ語からはステアリン酸stearic acidが脂肪stearに由来し、ラテン語からはアジピン酸adipic acidが脂肪adepsに、オレイン酸oleic acidが油oleumに、パルミチン酸palmitic acidが椰子palmに由来しています。palmはもともと「手のひら」という意味の言葉で、椰子(シュロ)の葉の形が手のひらに似ていることから付いたもので、palmからは手相見palmist、記念にシュロの枝[葉]で作った十字架を持ち帰ったことから(昔の)聖地巡礼者palmerなどができています。なお、炭素を含む酸として炭酸もありますが、こちらはcarbonic acidといいます。

208.不斉炭素原子 asymmetric carbon atom

 asymmetricのa-は否定を表す接頭語で、symmetricに対して「不均整の」という意味です。symmetryは、「同じ」という意味のsyn-(mの前ではsym-)と、「測る」という意味のmetryからできた言葉で、「対称性」だけでなく均整や調和の美しさも表します。水泳のシンクロ(synchronized swimming)もchronoが時なので「同時に」、つまり、音楽に合わせて泳ぐということになります。

209.光学異性体 optical isomerism

 asymmetric carbon atomをもつ分子には、光学異性体optical isomerが存在します。この異性体は、化学的chemicalには同じ性質を持つのですが、光という波の振動面の変化という光学的opticalな(opticは、「視力の」)性質が異なります。この変化には、右方向と左方向があり、化学では右方向をD(dexterに由来)で、左方向をL(laevusに由来)で示すので、化学調味料のL-グルタミン酸ソーダのLは左を、デキストリン(dextrin)は名前のとおり右を表します。また、光には波の性質と粒子としての性質とがあり、光を波と考えるときは、光学optics、光ファイバーoptical fiberのようにopt-を使い、光を粒子と考えるときは、写真photograph、光化学スモッグphotochemical smog、光子photonのようにphot-を使います。

210.油脂 oils and fats

 油がoilsで脂がfatsなのですが、油脂工業というときには単数でthe oil and fat industryとなります。油には、linseed oil亜麻仁油、turpentineテレビン油、castor oilひまし油(castor-oil plantヒマ、その種子からひまし油を採る)のように酸化されて固くなる乾性油drying oilと、colza oilナタネ油、cottonseed oil綿実油、eucalyptus oilユーカリ油、olive oilオリーブ油などのように固くならない不乾性油non-drying oilがあります。また、水素を付加した硬化油hardened oil(hydrogenated oil)からは、石鹸soap(フランス語でsavon、ケン化saponification)やマーガリンmargarine(フランス語で「真珠色の」から)が作られます。

211.芳香族化合物 aromatic compound

 ベンゼンの六角形(ベンゼン環、benzene ring)を含む一群の化合物を芳香族というのは、これらの化合物が安息香をはじめとする芳香aromaをもつ物質から発見されたことによります。例えば、benjamin treeから採れる樹脂(バルサムbalsam)の安息香benzoinを乾留して得られた物質は油状であったので、ラテン語の油oleumの-olをつけてbenzol(この言葉は現在でもドイツ語でベンゼンを表します)と名付けられました。その後、不飽和炭化水素の語尾を-eneとするようになったので、これがベンゼンbenzeneとなりました。また、tolu balsamから得られたトルエンtoluene(独Toluol)、styrax benzoidesというエゴノキ科の木の樹脂から得られたスチレンstyrene(独Styrol)などがあります。しかし、現在では共役二重結合conjugated double bondによって安定化することを「芳香族性aromaticity」というので「香り」とは関係なくなっています。

212.キシレン xylene

 キシレンxyleneは木の乾留から得られたので、「木」を表すxyl(o)-と不飽和炭化水素の語尾-eneを組み合わせて名付けられました。また、キシレンはベンゼンの六角形(ベンゼン環(核)benzene ring(nucleus))にメチル基が2つ付いているので、ジメチルベンゼンdimethyl benzeneにあたる化合物ですが、メチル基の位置によって「正」という意味のorth(o)-、「beyond」という意味のmeta-、「側」という意味のpara-の3種類の異性体が存在します。では、dimethyl naphthaleneには、何種類の異性体があるでしょう。

213.カップリング coupling

 coupleというと夫婦のような男女一組を考えますが、(組になっている)二つ(人)、一対を表し、a couple of players (二人ひと組の競技者)、a loving couple(恋仲の男女)のようになります。coupleがもとはラテン語の「結ぶもの」からきていて、同種類のものが組み合わさったものを示すのに対して、似た言葉のpairは「等しい」という意味からきているので、a pair of oars(一対のオール)のように類似または同種のもので二つそろってひと組として用いるものに対して使われます。ゴルフのparも語源は同じようです。また、「対の一つ」をmatchということから、matchはThis tie is a good match for that suit.(このネクタイはあのスーツにぴったりだ)のように使ったり、meet one's match(好敵手を得る)のように使われることから「試合」という意味も派生しています。例えば、テニス(tennisフランス語の「取る」という意味で、ボールをサーブする時相手に「受け取れ」ということからきたとされています)ではgameが集まってsetに、setが集まってmatchになります。そして、baseball、footballなど-ballの付くスポーツの「試合」に対して、米ではgameを用い、英では一般にmatchが用いられます。gameは古期英語の「gamen遊び・戯れ」に由来し、変わったところでは「獲物」という意味もあります。

214.解熱剤と鎮痛剤 antifebrile (drug) and analgesic (drug)

 「熱があるhave a fever」に対して、「解熱する」にはalleviate feverやlower(lowerはlowの動詞形) temperatureを使うようですが、「解熱剤」としては、an antifebrile (drug)、an antipyretic、a febrifugeなどがあります。これらの言葉の成り立ちを調べてみると、antifebrile (drug)はfebrileがfeverの形容詞なので「熱に対抗する薬」となり、antipyreticは、「火」を意味するpyro-からpyreticが「熱病」という意味なので「熱病に対抗する薬」となります。そして、febrifugeはfebriが熱を表し、-fugeは「逃げる」を表す(例えば、refuge後ろに逃げる、逃避)ので、「熱から逃げる」ということになります。「鎮痛剤」としては、「無痛の」という意味のan analgesic (drug)のほかに、a painkiller、a pain-relieverなどがあります。relieverは、relieve(救援する)からきていて名詞のreliefは野球でも使います。pain は程度を問わず「痛み」を表わす一般的な言葉ですが、体の一部に感じる長く続く鈍痛にはheadache(頭痛)のようにacheを、突然襲う一時的だが断続的な痛みにはpangs of hunger(空腹痛)のようにpangを使います。

215.糖類 sugars

 普通は、sugarというと「砂糖」ということになりますが、化学ではsugarは炭水化物carbohydrate(炭化水素はhydrocarbon)の総称なので、いろいろな糖、つまり「糖類」というときにはsugarsとなります。では、いろいろなsugarを紹介しましょう。まず、白砂糖はwhite sugarですが精製したということでrefined sugarともいいます。黒砂糖はunrefined sugarかraw sugarで残念ながらblack sugarではありません。砂糖は化学的には蔗糖(しょとう)sucroseで、フランス語で砂糖を表すsucreに糖類の表す語尾の-oseが付いたものでしょう。以前は蔗糖のことをsaccharoseともいいましたが、この言葉は、単糖monosaccharid、二糖disaccharidや人工甘味料のサッカリンsaccharin(形容詞はsaccharineで「甘すぎる」という意味)などに残っています。植物の細胞壁cell wallを構成する糖がcelluloseですが、これはcellのラテン語の縮小形(英語の形容詞形でもある)のcellulaに-oseがついたものです。cellulaからはセロハンcellophane、セルロイドcelluloidだけでなく、携帯電話のことを英語でcellula (phone)というのも、利用する電波を小さな範囲(cellula)ごとに切り替えて利用することからきています。この他にも、「甘い」をあらわすgluc(o)-と-oseでブドウ糖glucose、fructify(植物が実を結ぶ)という動詞の名詞形がfructificationで「果実」になるのでfructと-oseで果糖fructose、麦芽maltと-oseで麦芽糖maltose、乳に含まれる糖は、ラテン語の乳lactと-oseでラクトースlactose(乳糖)、ラクトースを加水分解して得られるのがギリシャ語の乳galaと-oseでガラクトースgalactoseというぐあいです。アイスクリームなどで「ラクト〜」とあるのは牛乳を使っているという意味なのでしょう。天の川のことは一般にthe milky wayですが、銀河という感じのときのgalaxyもギリシャ語のgalaからきています。しかし、galaはイタリア語では「歓楽」の意味なので、gala dayは祭日となります。

216.デンプン starch

 日本語のデンプン(澱粉)は、芋などを水でさらしたときに底に沈澱するところから名付けられたものですが、英語のstarchは古期英語の「硬くする」からきていて、動詞としてstarch sheets(シーツにのりをつける)のように洗濯ものをパリッと糊付けするというのがもとの意味で、そこから洗濯のり(化学的にはデンプン)もstarchというようになったので、starchには、cornstarch(コーンスターチ)のような「デンプン」という意味と「糊」という意味があり、形容詞のstarchyにも、starchy foods(でんぷん質の多い食物)のように「でんぷん(質)の」という意味と、糊をつけた(こわばった)という意味があります。starchの他に「糊」という言葉を探すと、pasteはギリシャ語で「大麦のかゆ」の意味で、かゆのようにとろっとしたものを表し、動詞でpaste two sheets of paper together(2枚の紙を糊で張り合わせる)のように「糊」でくっつけるというような意味になります。また、昔から使われてきた接着剤のにかわ(膠)glueは古期フランス語の「鳥もち」の意味で、instant glue瞬間接着剤、He glued his photograph into his passport.(彼はパスポートに写真をのりではりつけた)のようにしっかりと接着するという感じになります。さらに、「固着・付加」という意味のad-とhereからできたadhereでは、「二つの面が(互いにしっかりと)くっつく」となり、adhesive tape接着テープのように使われます。

217.タンパク質 protein

 proteinはギリシャ語で「最初の物質」という意味になりますが、prot(o)-には「最初の、原始の」という意味があるので、prototype 原型、protoplasm原形質などの言葉があります。卵の「しろみ」に含まれるタンパク質はアルブミンalbuminと呼ばれ、これはalbumと同じようにラテン語の「白いalbus」に由来しています。日本語の「蛋白質」は、「蛋」が鳥の卵を表す漢字で、蛋白で卵の「しろみ」の意味になるのでalbuminから作られたと考えられます。生体では、タンパク質をpepsinペプシンのような酵素enzymeで消化(ギリシャ語で消化pepsis、消化性peptikos)して、ペプチドpeptideにし、さらに分解してアミノ酸amino acidとします。例えば、鳥もちglueに含まれるタンパク質のglutenを分解して得られるamino acidはglutamic acid(グルタミン酸)といわれ、化学調味料chemical seasoning(seasonは種seedをまく時期からきた言葉)として使われています。

218.最後 the last

「最後の」という形容詞はfinalになります。この言葉はラテン語ではfinisからきていて、フランス語で「終わり」はfinとなり、イタリア語からのfinaleは、終楽章や大詰めを表します。finalが一般的な「終わり」を示すのに対して、lastは連続したものの一番最後のものを表わしますが、その一連の事物の完了や終結は必ずし必要ではありません。逆にultimateはある長い過程の最終的な段階を示して、それ以上は続かないことを表します。ということにして、このあたりでお開きとしましょう。

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