2002年9月6日(金)

朝7時に起きて、朝食をとったりなんやらかんやらで9時にウタムさんとソナムさんが迎えに来てくれる。
今日は一日ティンプー見学。
最初に向った先は
メモリアルチョルテン
三代目の国王がつくったらしい。
ここで仏教の説明をしてもらうがむずかしくて??だった。
チベットから仏教が伝来したらしく、様々な宗派に分かれていて、それぞれの哲学があるそうだ。
ここで老人達がお経を唱えながら、マニ車を回しながら、数珠の玉をまわしながら、寺院の周りをまわりながら、お祈りをしていた。
来世での幸福を祈っていると言う。
日本の仏教についてたずねられるが、よく知らない、というのみで大変恥ずかしい。
日本の仏教は形式だけ残り、中身がなくなってしまったように感じた。
私達は、毎日お祈りをしないし、宗教についても特に気にかけない。
単一民族国家だと信じている我々日本人は、日本そのものが信仰なのかもしれない。


その後、
チャンガンカ・ラカンという、山の上にそびえたつ寺院にいく。
多くのヒトが集まって、お経を唱えていた。
日本では、こんな風景は滅多に見られない。
ブータンのお葬式について聞く。
昔は、
鳥葬であったらしいが、今は、火葬になった。
でも、10歳以下の子供であれば、まだ水葬や鳥葬を行っているところもあるという。
死後、生まれ変わるために、墓はない。
次に、山の高いところにある眺めの良いところへいく。
かなりすごい道を車で登った。
すの場所は、多くの
ダルシンがはためいており、幻想的な世界をつくりだしている。
ティンプーの街自体の標高が2400mなので、その場所は結構高そうだ。
写真を何枚かとって、
ドゥプトプ尼僧院へ向う。
そこで韓国人の観光客に出会った。
かなり年配の方で、(といっても60過ぎくらい??)
日本語を話す事ができる人だった。
「この年頃の人間はみんな日本語を話しますよ。」
といわれ、心が痛んだ。
何も悪い事はしていないのに、スミマセンと謝りたい気分になった。
WWIIは、一方的に日本が悪いとはけっして思わない。
日本のために戦って亡くなった多くの人びとのはらった犠牲を考えると、正当化こそしないが、かつての日本を悪とはみなせない。
その事に対し、素直に反省する心は重要だと思う。
まさか、こんなところでこんな事を思おうとは夢にも思っていなかった。
旅とはそーゆーものである。
尼僧院では小さな女の子が一生懸命お経を唱えていたのが大変印象的だった。
タシジョ・ゾンにいく。
タシジョ・ゾンというのは国王と、宗教界の最高権威者のオフィスである。
国会議事堂のような役割もかねており、中には寺院もある。
大変立派な建物であった。
そこで何枚か写真をとって、伝統的な屋根付きの橋をみて、ホテルへ戻る。


昼食。
ブータン風の料理が3品。
くて食べきれず。
おいしいのにたくさん食べられないこともあるもんだ。
この頃には二人とも疲れきっていた。
旅も中盤にさしかかり、疲れがたまってきているのだろう。
ガイドさんが常についていてくれると安心ではあるが気をつかう。
そんなわけで少々グッタリ気味ではあるが午後の活動へ…


まず
野菜市場を見に行く。
生活のことを知りたければ市場をみるのが一番。
どのようなものを食べているのか、よくわかる。
ドマとよばれるブータンのたばこのようなものの臭いがきつくて少し気分が悪くなった。
これはガイドさんも運転手さんもよく食べている。
健康には良くないが、やめられないらしい。
道によくペッと赤い者をはいているのを見かけるが、それがドマらしい。
その次に、
The folk heritage museum へいく。
昔の家を当時の様子を再現しながら見て回れる博物館で、去年オープンしたばかりだという。
そこの館長(?)さんが智香ちゃんを見てブータン人のようだといっていた。
ネパールではネパール人のようだと言われていた彼女は戸惑っていた(笑)
そこの館長さんは、いくつか外国へ行ったらしいが日本が一番きれいで、よかったと話してくれた。
興味深かったコメントは、日本語がちゃんとあることが良いと言っていたことだ。
一つの国の人々が1つの統一された言語を持ち、文字表記を同じくすると言う事はもしかするとすごい事なのかもしれない。
博物館自体は特にものめずらしいものはなかった。
日本でもありそうな古い生活の道具などがあった。
珍しいものといえば、仏間で部屋1つ分あることと、建築様式くらいであろうか。
その博物館で働いている人が、親切にも落ちていた梨をくれた。
うれしそうに手渡してくれたが渋すぎたので申し訳無かったが捨てた。


その後
民族衣装を買いにいく。
そこで気づいたのだが、ホテルの部屋に財布を忘れてきていたのだ。
ガイドさんに告げた時の慌てようがすごかった。
何か会ったらこっちの責任になるから、といって、運転手さんがすぐホテルに連れていってくれた。
財布はあった。
智香ちゃんはガイドさんと二人っきりにされて困惑していた。
民族衣装は全部そろえて30ドル。
ガイドさんと運転手さんは男なのですごくテキトーだった。
女の人に選ぶのを手伝ってほしかった…。
でも満足。
明日きせてもらうことにする。


私達もそうだが、ガイドの人もそろそろ疲れてきたみたい。
対応が形式的になってゆく。
私達が悪いのかカナ〜とかいろいろ考えて相手の顔色をうかがってしまう。
相手に決して他意はないのはわかってはいるが、人に接するとき、
表情をよんだり、分析してしまったりするのは、悪い癖だと思う。
個人の性格なのか、日本人だからなのか…。
とりあえず気疲れ。
精神的ストレスがたまる。
(実際身体も疲れているけれど。)
明日は、そんな事を考えずにブータンを楽しもう。