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ーここでは刀剣の勉強をする為の観賞会を開催している会をご紹介します。ー

 古来、日本刀の世界では「日本刀学」とも言える様な刀の研究が盛んに行われ、その分類方法も細かく研究されて来ました。そのお陰で、作者の銘を見なくても、作品を観察する事で製作された時代や地方、ならびに流派から製作した個人に至るまでを特定できる方法が確立されました。そして現在では、その方法を記述した本が広く一般に出版されるまでに至っています。

 江戸時代には香道や煎茶の会のように、刀の作られた場所や作者を当てるゲームのようなルールも確立され、観賞会が催されるに至りました。現在の刀剣界でもその伝統を守り、定期的に観賞会を開き「入札鑑定」といわれる一種のゲームをしながら、日本刀の勉強会を開いている組織が有ります。

 当然、刀鍛冶も日本刀の勉強は欠かす事ができません。弟子のうちから鑑賞会に参加して刀鍛冶としての鑑識眼を養う様に教育されます。刀鍛冶は職業柄、鑑定はもちろんの事、その刀の作り方なども想像しながら鑑賞しています。もし鑑賞会に刀鍛冶が来ていれば、その辺りの感想を聞いてみるのも面白いかも知れませんよ。

→観賞会・入札鑑定

工芸品の勉強する場合、本などを購入して知識を増やす事は大事ですが、やはり本物を手に取ってその質感や重量感を直に感じ取ったり、また光の加減で輝きが変化する作品を、自分の手の中で細かく鑑賞することで、初めて本当の良さを理解出来るものです。

また、刀剣の観賞会では一般の人が普段見る事が出来ない、かなりの銘品をじっくり鑑賞して、講師の先生に解説をして頂けますし、質問なども自由にする事が出来ます。工芸品や美術品は二流品、三流品をいくら沢山見ても鑑識眼はなかなか肥えるものではありません。考えてもみて下さい。「重要美術品」はもちろん、極稀ですが運が良ければそれ以上の文化財までも自分の手に取って鑑賞可能な場合もあり得るのです。他の工芸品の世界ではあり得ない、かなりの銘品を直に自分の手に取って解説付きで鑑賞できる、この仕組みを利用しない手は有りません。ただし、観賞会に参加して刀を拝見させてもらうのにはそれなりの心構えも必要です。

ここからは必ずお読み下さい

○ 昔の鑑賞会では、大事な武家の第一のお道具を拝見させて頂くと云う事も有り、作法を心得た人たちが、羽織袴の正装で会に臨んだそうです。現在でもスーツにネクタイ着用とまでは言いませんが、あまりにラフな身なりで会に参加する事は避けた方が良いでしょう。

○ 鑑賞会に使われる刀剣類は鋭利な武器であると同時に貴重な文化財でもあります。その上、大変高価で、表面は傷付きやすく取り扱いは特に慎重に行わなければなりません。

○ 刀剣類の鑑賞に際しては、茶道のような作法が有ります。作法に則して鑑賞している限り刀を傷つける心配は有りませんから、作法は必ず守って下さい。また、初心者の方で作法をご存じで無い方も、作法はそれほど難しくはありませんし、先輩から優しく教えてもらえますから、その点はご安心下さい。

○ 昔は女性が武士の魂である刀に直接触れる事は出来なかったのですが、現在ではそのような事はありません。研究会では女性の方も少しではありますが参加されています。ただ人数は少なく、もし入会されると、どの会でも待遇はとても良いと思いますよ。(会場によっては観賞会が座敷きで行われる事が有りますので、短いスカートでの参加は御遠慮下さい。)

観賞会に参加して刀の勉強をしてみたいと思った方は、以下の連絡先へ問い合わせてみて下さい。

日本美術刀剣保存協会