警告

最近、今まで刀剣類に接した事のない方々が、ネットオークションで気軽に刀剣類似品を購入してトラブルに巻き込まれる事例が発生しているようなのでレポートします。こちらはちょっと極端な例ですが、その一例です。

ある人が和鉄の製品の蒐集を続けていて、ここ半年くらいインターネットオークションで刀の折れたもの、薬研等を購入してきました。ところが、先日、警察署から家宅捜索を受けてしまいました。被疑事実なるものは、銃剣の不法所持とのことでした。彼は、ついうっかりオークションに出品されていた旧日本軍の銃剣を購入していて、それが、警視庁のサイバー捜査で検挙されたとのことです。

彼は、銃剣なるものが銃刀法に違反するという認識が全くないまま買ったと説明しましたが、聞いてもらえませんでした。また、その銃剣は、刃渡りを計測すると39センチあるということでしたが、刃は全くついておらず、分厚い状態のものでした。しかし、研げば切れるということで、押収されました。本人は全く興味本位で購入したのですが、これは銃刀法に触れる行為です。

さらに、折れた刀についても没収された様です。こちらは刃渡りが20センチ程度あったのでこれも違法になります。14センチ程度の手槍の朽ちたようなものについても、特にこれは長さに関係なく違反だと判定されたとのことでした。たとえ和鉄で出来た刀剣類でも、登録証の無いものは売買できないのです。本人は、悪用の意図は全く無く、古い鉄器として、蒐集していたのですが、やはり法律の上では通らなかったようです。

刃物のうち、長さが8センチ巾1.5センチ厚みが2.5ミリ以上有り、その形状から武器と判断される物で、登録証の無い物は全て銃刀法の取り締まりの対象になります。何でも気軽に買えるネットオークションですが、そう云った物を間違えて購入しないように気を付けて下さい。一般の買い物でもネット上でも、刀剣類の姿をしたものを購入する時は登録証が付いているかどうかを必ず確認して下さい。又、刀剣類を購入した場合はその登録証を発行した教育委員会へ届けるのをお忘れなく。届け出の方法が分からない時は、その県の教育委員会の刀剣の係の人に電話などで聞いてみて下さい。

ちなみに、サバイバルナイフや狩猟用ナイフの中にはかなり長大なものがあります。これらは使用目的が違い、包丁と同じで、使い方によっては危険なので「用法上の凶器」といい、これに対し、銃剣等は人を殺傷する目的で造られた刃物ですから「性質上の凶器」というふうに区別されています。ですから、最初から人を殺傷する目的で作られた刃物は凶器として見られ、その他の使用目的で作られた刃物は道具として認識されているのです。ちょっと釈然としない説明ですが一応これが現行の法律ですので、必ず守って下さい。

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