刀剣店などで展示してある刀を購入する場合

実際に刀剣類を刀剣店などで購入される場合は、他の美術品などと同じように、お気に入りの作品をそのまま購入する事ができます。最初に書いた通り、古い刀も新作刀も各都道府県の教育委員会が発行した登録証が付いていれば、それは武器ではなく絵画や陶磁器などの美術品と同じ扱いになります。刀剣類を所持する為の免許などは必要有りません。

また、古い刀剣類には各都道府県の教育委員会が発行した登録証の他に「日本美術刀剣保存協会」などの団体が発行している認定証が付属している場合が有ります。こちらは、その刀がどの程度の刀か、各団体がランク付けをして、それを証明する為に発行した認定証です。認定証を発行している団体は幾つか有りますが、それぞれ独自にランクを付けています。それらの認定証を購入の時の参考にされるのも良いかも知れません。ただし、現在作られている新作刀にはこういった認定証は付いていませんので御注意下さい。

それから、刀剣類を購入した場合、保存方法に付いても頑丈な金庫やロッカーに入れておかなければいけないと云ったような法律的な規制は有りません。ただし、安全な所に保管するように心掛けるのは当然の事です。

また、特に刀剣類の場合、湿気の多い所や極端に乾燥する所、防虫剤などが入れてある箪笥に保管する事は禁物です。刀身が錆びたり鞘が割れたりする原因になります。それから、当然の事ながら、刀剣類は鉄で出来ています。長く放っておくと錆びてしまいますから、一年に二度くらいは油を引き直して手入をする事をお勧めいたします。
古い刀剣類は何百年もの間、先人達が守り続けて来た日本の文化財です。私達は、ほんの少しの間それらを預かっているに過ぎません。これらの文化財はまた次の時代の人たちに、出来るだけ良い状態で手渡さなければいけない責任が有ります。刀を錆びさせてしまうのは、文化財の破壊行為ですから特に気を付けて下さい。手入道具は刀剣店等に有りますから、刀剣を購入する時に一緒に購入する事をお勧めいたします。

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