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21 第21作 DM-53 ミッキー&ドナルド

発売日 昭和57(1982)年11月12日
マルチスクリーンシリーズ
本体色 レッド
発売価格 6,000円
中古品参考価格 3,500円
(中程度、本体のみ)
 
 
☆ マルチ第3弾はキャラクター物
 
 クリスマス商戦を前にして、ゲームウォッチの新作ラインナップはドンキーコング&ドンジュニと、ドンキ一辺倒で少し寂しいものがありました。ドンキの売れ行きも鈍化してきたこともあり、画面は2枚で楽しさ3倍!のマルチスクリーンで女子向けにかわいいやつを一発かましとこう!と任天堂の会議で誰かが言ったのかどうかわかりませんが、マルチ第3弾はキャラクターライセンスの作品、ミッキー&ドナルドとなりました。
 
 
☆ ミッキーが火を消してる訳ではない
 
 舞台は火事のビル。ファイアを思い出す設定ですが、このゲームでは飛び降りません。
 ドナルドが屋上から火を消そうとホースを構えています。怠け者のグーフィーがポンプ車から水を送るのですが、すぐ怠けて水が途絶え、火事が広がってしまいます。水を待つドナルドに水を送るべく、グーフィーを怠けさせないようにミッキーを操作します。なお、ホースに2か所穴が空いているので、大きな水が送られた時はミッキーがホースを押さえて水を送らないといけません。
 水が漏れてもミスにはなりませんが、水が届かなくなってしまいますので、火はすぐに燃え広がります。屋上のドナルドまで火が来てしまうとミスになります。ドナルドは焼け出されてしまいますが、右側にあるクレーンに何とか助けられます。
 
 
☆ 難易度は低めだが面白い
 
 ミスはドナルドが焼け出された時だけになります。水が漏れても、グーフィーが怠けてもミスにはなりません。
 得点パターンは
@ 1か所火を消すごとに1点
A すべての火を消すごとにボーナス点
の2つです。すべての火を消すと、ミニーマウスのハートを受けるオマケつきです。
 最高得点は前作同様999点です。ミスクリアは300点、すべてのミスがクリアされます。もちろん、300点到達時にミスがなければ、得点が点滅して次にミスをするまでチャンスタイムになります。このチャンスタイムに限り、水漏れを起こすとチャンスタイムが終わってしまいますので要注意です。
 難易度は低年齢層や女性向けであったためか、低めになっているのが特徴です。低めではありますが、非常にゲームバランスが良く、実際にプレイしても心地良く得点できます。
 前作ドンジュニが若干複雑で難しいことを考えれば、画面は2枚でもずいぶんスッキリしたなという印象です。
 この作品は、左側の上下キーでミッキーを、右側の左右キーで屋上のドナルドを操るという、同時に2つのキャラを操作する特徴が強く出ています。
 一見複雑ながら、その操作性の高さと、しっかり者のミッキー+お調子者のドナルド+怠け者のグーフィーそれぞれのキャラクターが強く印象付けられます。
 
 
☆ 大量に作ったが…
 
 この作品は、キャラクターライセンス物のため、現在は実物を持っていないとプレイできません。
 しかし、このゲームほど新品が出回っているものはないのではないでしょうか。
 とにかく、クリスマス商戦に向けて本作をプッシュした任天堂でしたが、肝心の売れ行きはイマイチに終わったようです。
 いや、詳しい事実はこうです。ドンキーコングの売れ行きが鈍化したので、ドンジュニとミッキー&ドナルドをプッシュしたけれど、意外にも初代ドンキやオクトパスなど過去の名作が順調に売れて、プッシュした2作が思ったように伸びなかったというのが真相のようです。
 さらに、エポック社のモンスターパニックも順調に伸ばしていましたし、他社からも多くの携帯ゲームが発売されて、売り上げが分散化したことも不振の要因にあったと思われます。
 発売から2年半、任天堂の独り勝ちという状況ではなくなってきたんですね。
 
 
☆ きれいな実物で遊びたい
 
 というわけで、この作品と前作ドンジュニは、割ときれいな中古品がまだ流通しています。本作はライセンス作品のため、他のゲーム機で復刻されていませんから、ぜひきれいな実物を入手されて、大切に遊んでいただければと思います。
 なお、きれいな本体を触れずに大切にされる方も多いでしょう。コレクターの方がそうされる心理はよく分かるのですが、ゲーム機はあくまで遊ぶためのもの。賛否両論あるかとは思いますが、実際に遊んでなんぼだと個人的には思っています。私はその方が変なストレスもなく楽しめます。遊んであげた方がゲーム機も喜んでると思いますから。
 
 


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