「パスカル電線(S-cable)Ver.2」
 3.接続ボックスの組み立て 

  
★観察実験には専門知識と経験が必要です。本サイトの閲覧は理科教育関係者に限らせていただきます。★
1.はじめに   「1.木質部分の加工」で製作した接続ボックスを組み立て,パーツを取り付ける作業を紹介します。

  木工部分の組み立ては,両面テープを用います。接着剤(木工用ボンド)の使用が一般的とは思いますが,固まるまでにずれたり,湿って反ったりすることがあります。両面テープ留めは,少しの注意をすれば,より簡単に接着できます。

2.パスカル電線(Ver.2)の木工部分の組み立て (1)必要部品と作業概要
・必要部品:「1.木工部分の加工」で製作した箱部分(「底板」「コの字形の厚板」「蓋板」),「パーツパネル」と電子パーツなど。
・作業概要:「底板」と「コの字形の厚板」の両面テープによる接着と着色。「蓋板」の着色。「パーツパネル」の取り付けなど。

(2)両面テープの貼り付け
 
・両面テープの貼り付け前に,しっかり絞ったぞうきんで汚れを拭き取ります。
(汚れで問題となるのは,木の細かい切り屑です。これが,木と両面テープの間に入って,接着力が低下します。)

※この手間だけで両面テープで確実に接着でき,作業が楽になります。
拭き取り
図1  拭き取り作業(重要)


両面テープ貼り付け
図2  両面テープの貼り付け作業
(※全面に貼ります)
貼り付けた板
図3  両面テープを貼り付けた
「コの字形の厚板」


(3)接着
  両面テープでの接着は,慎重に行ってください。簡単で確実ですが,ずれてしまうと修正が難しくなります。
私は,以下のように,ガラス板を定板の代用としています。

向かい合わせる
図4  両面テープの保護紙を剥がし,
定板上で接着面を向かい合わせる
接着
図5  「底板」と「コの字形の厚板」を接着


※手で押し付けただけではしっかりと接着しません。

・右図のように,重しをして,押さえつけておきます。
1日ほど放置すると,木の柔軟さによって,しっかりと接着するようです。

・木が反っていて隙間が出来そうな時は,一週間程度,押さえ続けてみましょう。
重し
図6  押さえつけておく



(4)着色
・木工は,何らかの着色が必要です。
見た目もありますが,ラワン合板はささくれ立った部分があり,塗料の接着性により,安全対策となります。

・塗料は水性のアクリルエマルジョン塗料とし,私は30%程度の水を追加して粘度調節をしています。プロの比率は知りませんが,少しでも水を入れすぎると木に吸い込む量が増えます。少ないと,塗りにくくなります。
※塗料は,陶磁器の食器を容器とします。安定してひっくり返りにくく,洗い易いよさもあります。
※必ず2度塗り以上が必要です。

・乾燥には時間がかかります。アクリルエマルジョン塗料が乾くと耐水性の皮膜となり,内部の水分を逃がしにくいためのようです。私は3〜5日程,乾燥を続けています。
着色
図7  着色


(5)パーツの取り付け
  塗料が完全に乾けば,パーツを取り付けます。
・接続ボックス内部:「端子台(11P)」をトラスタッピングビス(3×12mm)留めする。両面テープ留めを併用すると確実に固定できる。
・パーツパネル:「ターミナル(赤と黒)」と「スイッチ」を取り付けたパーツパネルをトラスタッピングビス(3×10mm)留めする。

電子パーツ
図8  パーツパネルと端子台の取り付け
部分
図9  取り付け部分の拡大


3.次の作業と「Ver.2」について   ここまで加工した「接続ボックス」と「電線」と「解説ビデオ」をプレゼント送付しております。手元に届けば,「端子台に電線を…」「端子台からスイッチとターミナルに…」はんだ付けをします。「蓋板」をトラスタッピングビス(4×12mm)で留めると完成です。

※ここで取り上げた「パスカル電線Ver.2」のプレゼントは,こちらのページ→「パスカル電線」をご覧ください。

  安価で量産しやすいという事で,このような構造「Ver.2」としております。数台作る程度なら,アルミシャーシを用いて,コネクタで切り離せる構造としたほうが簡単で使い易いかもしれません。
  つまり,理想のお勧め構造という事ではありません。パスカル電線だけでなく,他の教材を製作するときの参考にしていただくことを願っての掲載です。
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《SUGIHARA  KAZUO》