★ 近況(2001年5月〜8月)★ 

  

2001年5月18日
本日,勤務先で「中学校理科観察実験講座」が開催されました。担当だった関係で,準備でしばらく大忙しでした。内容は「レモン電池で豆電球の点灯」で,このホームページで公開しているものです。さて,参加者数はどれくらいになるか不安でしたが,予想を大きく超え,教材を追加生産しなければならなくなりました。読売新聞社も取材に来られており,先生方の反応もよく,にぎやかな講座となりました。体験してもらえれば,とても興味深い教材で,全国に広がることを期待しています。  
2001年5月25日
伏見区に「五光研究所」という有名なおもちゃ屋さんがあり,ご主人はおもちゃの研究者として知られています。その方が,先日,逝去されたことを知りました。お店もなくなるようで,とても残念です。何度もお伺いし,おもちゃについていろいろと教えていただきました。謹んで,ご冥福をお祈りします。
2001年5月27日
少し前に,中村修二さん(元:日亜化学社員,現:カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授,青色発光ダイオードの開発者)の著書「考える力、やり抜く力 私の方法」(三笠書房)を読みました。その激しい主張は、爽やかで痛快でしたが、その背景がいまいちわかりません。昨日,本屋に行くと,中村さんの新しい本があったので,また買って読みました。「怒りのブレイクスルー」(集英社)で,前著と同じような構成ですが少し落ち着いた表現で,背景も含め,ずいぶんとわかりやすくなっています。産業界、学会、教育界を関連させ、自らの体験から日本の問題点を論破しています。お勧めの本です!   
2001年6月28日
勤務先の近所にあるアトリエ Motherに注文していた「背骨・内臓シャツ」が届きました。マジックテープで内臓が取り外しできるというもので,背中には背骨などが描かれています。京都市立学校の養護の先生の要望で制作を始めたというもので,よくできています。15000円という値段は納得の出来るものです。
2001年7月1日
久々に「京都パスカル」の会合を開きました。京都産の火打石で点火したり,大文字山の褐簾石4000個の放射線を測定したりしながら研究会での演示実験の段取りなどを検討しました。   
2001年7月10日
I中学校二部学級のセンター学習がありました。夜の勤務は辛いものですが,とても気持ちの良い学習ができます。さまざまな理由で学ぶ機会を得られなかった方々の真剣な取り組みに頭が下がります。
2001年7月16日
我が家のメインテレビが壊れました。来月でちょうど10年目となります。その間,故障知らずで,最後まで色ずれなし,実に鮮やかな映像を表示してくれました。感謝と感動で,修理依頼する気になれません。「画像の悪くなったトリニトロンを見たくない」「元気なうちに安らかにさせたい」という思いです。私は,テレビに愛情を感じていることを知りました。
さて,そこで新しいテレビですが,デジタルハイビジョンも間近ですが,メーカーはきっと最高の技術を出し惜しんでいるはずだと考え,憧れであった従来機種の最高品「トリニトロンのDRC−MF」を購入しました。同じサイズのテレビの2倍もする高価なものですが,数年前に比べると意外なほど安くなっています。画質ですが,感動ものです。放送局の送り出す電波の質がはっきりわかるなんて,あきれます。   
2001年7月19日
今日は,突然の交通事故で亡くなられた「巽正平先生」の1年目の命日です。自然をこよなく愛し,とんでもなく幅広い知識と行動力の素敵な先生でした。先生の素晴らしい「理科通信」が出版されることを期待します。また,2日後は,諫早湾の活動で世界に知られた「山下弘文さん」の亡くなられた日です。20世紀は,多くの巨匠を失いました。
2001年7月20日
勤務先で「おもちゃの科学展」が始まりました。原案は私が提出したものですが,直接の担当者ではなく少し寂しい思いで準備作業を見ていました。わが子の関係で京都のおもちゃ屋さんとおもちゃを研究したことが幸いしました。「五光研究所」のご主人の逝去は,この準備の中でわかりました。多くの親子連れで賑わっていました。   
2001年7月26日
勤務先の市民天体観望会が,出雲路橋北の公園で実施されました。いつも曇り空で参加者に申し訳ないことが多いのですが,今日は晴れ間が広がり,ある程度の観望が可能でした。参加者も750名ほどとなり,なかなか望遠鏡を覗いていただけませんでした。砂ぼこりはかなりのもので,後片付けも大変でした。
2001年7月28日
弟が,本とシャンプーを持ってきました。本の最初の2/3くらいは,身近な家庭薬品などの危険性をきちんと書いてあります。ところが,最後のほうは怪しげところが見え隠れする商品説明になります。シャンプーは成分が明記されていません。どうやら「バイブル商法」というもののようです。問題点をはっきりさせようとしましたが,恐らく商品は普通のものであろうし,値段もばかげたものではありません。考えようによっては,ブランドバッグを買うのと同じようなものです。唯一気に食わないのは,拡販に怪しげな化学知識を利用していることです。私は,だまされないためにある程度の専門的な化学知識は必要だと考えます。しかし,これを見破るには,ある程度の知識では難しそうです。というより、ある程度の化学知識を逆に利用しているんですね。
結局,インターネットで被害者の声を検索し,問題点を明らかに出来ました。契約解除のための内容証明郵便のやり方などもインターネットでわかり,IT様さまでした。   
2001年7月26日
姪がコンパス(方位磁針)を借りにきました。理由を聞くと,中国に行ってパオ(モンゴルではゲルという)に泊まるので,砂漠で迷わないようにということです(GPSの時代にコンパスとは…)。ツアーがあるのかと聞くと,現地で交渉するそうです。電通に入社が決まっている芸大生です。
2001年8月3日
夜,盛口襄先生の実験演示が同志社中学校でありました。先生は化学教育の第一人者ですが,身近なものを用い,少し怪しげな工作にもかかわらず見事な結果を見せていただけます。その基本は変わらないのですが,今回は,誘導コイルや液体窒素などを用いた実験やダイヤモンドの合成など,目立つ実験が続きました。「盛口襄先生」のお名前の「襄」が,同志社の設立者「新島襄先生」からきていることを聞きました。お父さんが,同志社大学の先生で設立に尽力されたようです。   
2001年8月6日
「アルケミストの会」の合宿が5日に大原でありました。30名限定の秘密会のような不思議な会です。初めての参加ですが,どうしてこんなに真面目で熱心で個性的な先生が存在するのか不思議でした(私が感心するんだからすごい!?)。早朝,盛口先生を京都駅まで送り,そのまま出勤です。73歳の先生は,少しお疲れのようでした。
2001年8月8日
「論座(朝日新聞社)」が話題になっていることを知り,購入しました。有馬前文部大臣の「理科と数学の時間は減らし過ぎだ」という論文で,「今更それはないよ!?」と驚きつつ呆れました。前大臣の次に書いているのが「科学教育研究協議会」委員長の小佐野正樹先生,その次に書いているのが「学力研」常任委員の陰山英男先生(「陰」は正しくありません。正しい陰は表示不可能です)です。「科教協」と「落ち研」の主張を掲載する朝日新聞社の見識は立派なものです。   
  
2001年8月10日
中学校理科研究会の後期講座で,京都大学総合博物館を見学しました。各学部の自然科学関係の標本や資料を調べると200万件もあったことなどから設立にいたったということです。地下の収蔵庫なども特別に見学させていただきました。既に手狭であり,先行きどうなるのか心配になります。展示は,京都大学で研究されたものに限定されているだけに,聞けば聞くほど深まるというものでした。そこが,他の博物館と違うところのようです。
2001年8月14日
10日の夜から岐阜の故郷に行きました。母の墓参りと空家の掃除と雑草取り,柿の剪定作業などで汗だくでした。昔の農村風景は一変し,さまざまな大型店が続きます。イルミネーションでギンギラの観覧車が回っていてびっくりしました。映画館もいくつかあり,京都ではなかなか入場できない「千と千尋の神隠し」を見ました。
近くの春日村へ行って「さざれ石公園」を見学しました。さざれ石は全国にあるそうですが,ここが本家(?)ということです。石灰質角礫岩のことですが,理科の教材として役立ちそうです。ここのさざれ石は春日村と岐阜県の天然記念物なので,採集はしませんでした(商品として販売されています)。以前に,生まれ故郷にある「藤橋村道の駅」で購入しました。伊吹山や金生山など,このあたりは石灰岩地帯が広がり,さざれ石はあちこちで見つかるようです。
2001年8月15日
E-mailで「パスカル電線」の注文がありました。「楽しい理科授業9/2001421」に掲載されていたということです。雑誌を買ってみると”日常生活で接する「電流と磁界」の楽しいネタ”という記事の中で坂元新先生が紹介しておられます。ありがたいことです。
2001年8月16日
姪から「チベットにいる。」という電話連絡があったそうです。電話は通じにくく,次はE-mailで連絡するということです。チベットもインターネットが普及しているのでしょうか? また,日本人観光客がいっぱいということで,秘境であったのは今は昔。
  
2001年8月17日
朝は,地元の平安高校と金沢高校の高校野球です。平安高校は,母校の姉妹校を破っての出場,金沢高校の応援団の団長は親しくしている理科の先生,こうなると見たくなります。しかし,同じ時間に胃カメラとエコーの予約,病院で「ゲー」と唸ってました。エコーは途中から2人がかりで調べられ,結果が不安です。高校野球は「残念な結果でした!」
2001年8月18日
姪からE-mailが届きました。チベットのラサにいて,「高山病にすっかりやられました。三回吐いて、絶食状態です。頭痛もひどい。」ということです。高度を調べると3658m…つまり,富士山頂とほぼ同じなんですね。「ここは電話事情が非常に悪く、インターネットの方がずっと発達してます。」…インターネットは地域の情報格差をなくすという好例ですね。「明日はチベット50周年のお祭りです。日本人バックパッカーは腐るほどいるので一緒に楽しみます。」…結構なことです。MSN Hotmailは,ありがたいものです。しかし,オーストラリアからきた娘のメールはローマ字で,チベットからが日本語というのはどういうこっちゃ!?
  
2001年8月19日
毎週土曜日にNHK総合で放映されている「ロズウェル」はおもしろい。この時間帯は「ドクタークイン」がよかったのですが,なくなって寂しかったところです。奥さんと夢中で見てます。身近にファンがいないのが不思議で残念!
2001年8月26日
昨夜,理科の先生らの懇親会がR大学前教授やK大学教授らを交えてありました。タバコは誰も吸わず,話題は理科教育ばかりというのが気持ちのよいものです。また,どんな疑問も誰かがすぐに回答してくれるところがあって,普通の一杯飲みの会とは違います。指導要領作成の内情など,興味深い話も聞けました。「教師は勉強しない!」という批判を聞きますが,私がお付き合いしている先生方は異常ともいえる熱心さで呆れます。
  
2001年8月31日
8月末から理科相談が増えてきました。毎夜,少なくとも1時間はその返事を書いてます。もっと丁寧にお答えしなければとは思いますが,時間が取れません。しかし,1日5通程度で,昨年に比べるとずっと楽です。今年は,「点電球」の問い合わせが最も多かったです。私がイメージしていた特徴をもつ商品を,10年程前に偶然見つけただけなのですが,かなりおもしろいものです。