「………………で、できた…できたわ…」

 

 巨大な装置の前で、絞り出すように言った。

「……す、すごいわ、私…天才だわ…」

 光の反射で、その眼差しまでは確かめられないが、暗闇の中で光るそのメガネはビシバシとそのマッドぶりを示していた。

 マリア・カスタード…普段は心優しき、常識を持ち合わせた少女なのだが、現在は悪の科学者の道をひた走っていた。

 

「…マリア、例のやつができたそうだな…」

 

 いつの間に耳に入れたのか、そうマリアに聞いたのは、ピンクの髪の少女を引き連れた緑のスーツをまとった男だった。

「マリア、ホントに作っちゃったの?」

 とんがり帽子をかぶった、緑の髪の少女が呆れたように聞いた。

「…まあね、…神の領域を犯す、禁断の発明ができてしまったわ」

 マリアは、どこか恍惚としたようにそう答えた。

「………ゴクリ…」

 ピンクの髪の少女が、息をのむ。

 

「禁断の発明!『クローン製造装置』の完成よ!!」

 

 カカァッ!! ピッシャアアアアァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!

 

 地下なのに、背後に稲妻を背負ってマリアは宣言した。

 

「くくっ、見てろよかなみ、今度こそギャフンと言わしたるわ〜〜〜〜〜!!

 がぁーはっはっは!!!!!」

 

 

 

 …………………

 ………

「………はう〜〜、住み込みのバイトって、ほとんどないな〜〜」

 バイト紹介雑誌を片手に、その少女はため息をついた。

「…これというのも、あのバカが私のバイト先を次から次へと台なしにしてくれるから…」

 1週間前に久しぶりに決まったバイト先も、つい3日前にゴタゴタで駄目になったばかりなのだ。

「あう〜〜〜、大陸の平和より、自分の平和を守りたいよ〜〜〜」

 とほほ〜という感じの愚痴をこぼしながら歩いているその少女は、もはや言うまでもないであろう、知る人ぞ知る仮面の忍者、赤影こと…見当かなみであった。…その相変わらずの不幸っぷりは、涙よりも笑いを誘ってしまう。

「…………ん?」

 そんなかなみの目に、一人の少女が入ってきた。

 町の喧噪の中、そこだけ切り取ったようにくっきりと、はっきりとその2人は引き合うように出会ったのだった。

 

「えっ! ……う、うそ…」

 

 かなみは思わずそうつぶやいていた。

 滅多なことでは驚かないように修行を重ねているはずの忍者が、受けてしまった動揺を隠せないほどの…つまりはそれほどの衝撃が、そこにあったのだ。

 かなみの遥か先にいた少女…それほどの衝撃を与えた少女は、やった見つけたと言わんばかりに、ゆっくりと笑みを浮かべた。

 紫がかった紅い髪をおさげにし、赤い忍び装束に背中に差した忍者刀…いずれもが酷似していた。

 

 そして、彼女がゆっくりと口を開いた。

 

 

「ママ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

 ちっちゃい女の子らしい、舌っ足らずな声を出すと、一直線にかなみへと向かってくるのだった。

「…は、…は? …はああぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!??」

 愕然とした表情を浮かべるかなみと、そんなことお構いなしに飛びつく女の子。

 

 …運命とも言える、2人の出会いであった…

 

 

 ヒソヒソ……ヒソヒソヒソヒソ…………

 

「…はっ!」

 しばらく茫然としていたかなみだったが、まわりから感じられる好奇の視線と、ヒソヒソ話で我に返った。

 

「…いくつなのかしら…」

「や〜ね〜、最近の若い子は…」

「ボソボソ…」

 

「あ、あう〜〜〜」

 私の子供じゃないってば!!…という絶叫をなんとか飲み込み、かなみはその子をつれてそそくさとその場を後にするのだった。

 

 

 

 ……………………

 …………

「……とほほ〜〜〜」

 かなみはさっきよりも遙かに肩を落として、とぼとぼと町を歩くのだった。

 一方、そんなかなみとは正反対に、女の子はニコニコ顔で手を引かれて歩いていたのだった。

「…参ったなあ、どうしたものか…」

 女の子の手を引きつつ、かなみは困り果てていた。

 そんなかなみの前に、頼りになる…おそらく大陸で最も頼りになる…後ろ姿が目に入ってきた。

「…め、メナドォ〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 子供のように、かなみはその後ろ姿の少女に声をかけた。

「…ん、あっ、かなみちゃん! どうしたの……って、あれ……」

 振り返ってかなみの姿を目に入れると、メナドは嬉しそうな顔を浮かべ…そして、その友人に手を引かれている女の子に気付くと…

「…えーと…

 

 …いつ、子供作ったの?」

 

 …おそるおそる、そう聞いた。

 

「わたしのこどもじゃなああぁぁ〜〜〜〜〜〜い!!!!!」

 

 かなみの絶叫が、平和な町中に響きわたったのだった。

 

 

 

 …………………

 ………

「…と、いうわけなのよ…」

 カチン…と音を立ててティーカップを置くと、かなみは吐き出すように言った。

「…なるほど、そうだったんだ…」

 メナドもカフェオレを飲みながら、うなづいた。

「いやあ、ボクもおかしいなとは思ったんだけど…」

 メナドは頭を掻きながら、恥ずかしそうにそう言った。

「ホントよ、大体計算があわないでしょ。私まだ18なのよ、12で産んだことになるじゃない」

 レモンティーをすすりながら、かなみがぼやくように言った。

「……でもさ…」

 メナドは、そこで視線をかなみの隣でチョコレートパフェと格闘している女の子へと向けると…

「………ものすごく似てるよね…」

 …ため息とともに、そう吐きだした。

「…そうなのよ、私ですらホントに自分で産んだんじゃないかと思っちゃうもの…」

 泣きそうな感じで、かなみはそう言った。

「…確かに、どう見ても年の近い親子か、年の離れた姉妹にしか見えないよ」

 メナドは隣り合った2人を見比べながら言った。

「ホントなら、この子のお母さんを捜すためにも、町の相談所とかに行くべきなんだけど…」

 どうしたものかというように、かなみが言った。

「…ねえ、キミの名前はなんて言うの? ボクに…お姉ちゃんに教えてくれるかな?」

 子供好きのする笑顔を浮かべて、メナドが女の子に聞いた。

「…あたちのなまえ? けんとうかなみ、だよ!」

 女の子は、自信満々にそう答えた。

「…あ、あはは、そうなんだ、…いい名前だね。

 …じゃ、じゃあさ、今度はお母さんの…ママのお名前を教えてくれるかな?」

 一言一言、わかるように優しくメナドが女の子に聞いた。

「…まま?

 

 ……えへへ〜〜〜、ま〜ま!!」

 

 女の子はかなみに抱きつくと、嬉しそうに答えた。

「あはは、あはははは……」

 もうどうにでもしてくれと言うような、乾いた笑いをかなみは浮かべた。

「あ、あはは、ちょっとどうしようもないね…」

 メナドも引きつった笑いを浮かべる。

「…でしょ。………これで相談所になんて行こうもんなら、子供を捨てに来たと疑われるわ…間違いなくね」

「……間違いないね」

 2人は顔を見合わすしかなかった。

「ん〜、ん〜」

 そんな雰囲気も気にせず、女の子はパフェとの格闘をし終わってスプーンを置くと…

「ま〜ま、おしっこ」

 かなみの袖をくいくいっと引っ張ると、そう言った。

「はいはい、じゃあちょっと行ってくるね」

 メナドにそう断りを入れると、かなみは女の子の手を引いてトイレへと向かった。

(…う〜ん、ほんとにどう見ても親子かも)

 メナドも苦笑するしかなかった。

 

 

 

 ………………

 ……ところ変わって…

 

「…しかし、大失敗だったな」

 玉座に座っていた男は、憮然とそう言った。

「それはランスが、『どうせなら胸をでかくしよう』とか言っていじったから」

 マリアがそう反論した。

「…それよりも、あんな小さい女の子を一人で行かせて良かったんでしょうか?」

 シィルが心配げにおずおずと言った。

「まったく、あんたが取りあえずダメモトで戦わせようなんて言うから」

 志津香が呆れるように言った。

「フンッ、まあその話はどっかやるとしてだ、あれの改良版は完成してるのか?」

 ランスは無責任に話を変えた。

「まあ、一応ね」

 マリアは『ほんとに私、悪の科学者みたい』と思いつつ、そう答えた。

 

「よし、そいつで出撃だ! 待ってやがれ、かなみ!!」

 

 

 

 ………………

 ………

「…さて、これからどうするの、かなみちゃん?」

 支払いを終え、外で待っていた大きい方のかなみに、メナドが聞いた。

「…うん、あんまり先のことまではわからないけど、放ってはおけないよ」

 かなみは、小さい方のかなみの頭を撫でながら、微笑みをうかべてそう言った。

「そっか、うん、ボクもできる限りの協力をするよ!」

 メナドが腕まくりをして言った。

「うん、ありがと、メナド」

「…はえ?」

「ふふふ」

 大きいのと小さいの、2人のかなみにメナドは思わず笑みを浮かべた。

 これから先、いろいろと大変なことが起こるだろうことは簡単に予想できた。でも、なんとかなるような気もしてくるから不思議だった。これから起こるどんな不幸にも負けずにやって行けるだろう…

「…だって、かなみちゃんだもんねえ」

「…ん、なに?」

「あはは、なんでもない!」

 

「……ん〜?」

 

 かなみが怪訝そうな顔をする。

「やだなあ、気にしないでよ」

 メナドが手を振って、話題を変えようとする。

「……いや、そうじゃなくて…なんだろ、あれ?」

 そう言ってかなみが指し示した方向には、黒い点のようなものが浮かんでいた。

「…ほんとだ、何かな?」

 メナドも目を細めて、その物体を凝視する。

「…………………

 ……ちょっと、この子のことお願いしていい?」

 かなみは黒い物体を見据えたまま、そう口を開いた。

「えっ、うん、いいけど…」

 

「…ちょっと、行ってくるね」

 

 親友と、新しくできたばかりの扶養家族に対して、かなみはそう言って微笑んだ。

 

 

 

 ………………

 ………

 

 …ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ……

 

 遠くから見れば点にしか見えなかったその物体は、草木もまばらな荒野に静かに降下していく。

「…システムオールグリーン、チューリップ30号着陸成功…」

 その黒い物体の内部、様々な計器の前に座っていたマリアがそう告げた。

「おし、『スーパーランス1号改』を出すぞ!」

 チューリップ30号の、あらゆる意味で中心にいる男…ランスがそう言った。

 そんなランスの体には、ゴチャゴチャと配線のついた器具がいくつも装着されていた。ヘッドギアに包まれて、その眼差しはうかがい知れないが、彼の目は一つの方向しか向いていないだろう。

 すなわち、かなみをギャフンと言わせる!

 ただ、それだけのためにこれだけの設備投資をしたのだから。

「はい、『スーパーランス1号改』リフトオフ!」

 そのランスの隣に座っていたシィルが、ランスの言葉に従って、目の前の計器を操作していく。

「…あくまで、チューリップ30号本体なんだけどなあ…」

 そんなマリアの不満そうなつぶやきをよそに、チューリップ30号の前方部が開閉されていき、その中からランスを3頭身にしたような全高20メートル近いロボット…スーパーランス1号改が姿を見せる。

「…コントロールケーブル異常なし、命令伝達率98%以上を維持…

 ……ふ〜、なんで私、これに乗ってるんだろう…」

 小声で愚痴りながら、志津香が言った。

 そんな志津香の言葉通り、スーパーランス1号改の体からは何本ものケーブルが伸ばされており、ランス達が乗っている搭乗部分とつながっていた。

 

 …作者が今、何にはまっているか一発でわかる代物である…

 

「…来たな」

 スーパーランス1号改のカメラアイを通してえた映像を見て、ランスがつぶやき、笑った。

 スーパーランス1号改の前方に立ちふさがるは、正義の使者…

 

 …仮面の忍者、赤影であった…

 

 

 

 …………………

 ………

「…懲りないわねランス、またそのおもちゃを持ち出してきたの?」

 仮面の奥から不敵な笑みをこぼしながら、赤影が言った。

「へっ、その減らず口も今日で最後だ! アンアン泣かせちゃるわ!!」

 外部スピーカーからそれだけ言うと、ランスはゆっくりと戦闘態勢をとる。そして、そのランスの動きをトレースし、コントロールケーブルを伝ってスーパーランス1号改も戦闘態勢を取った。

 その伝達速度は、わずかな誤差も感じさせなかった。

「…どうかしら? 前よりも弱そうに見える…けどね!!」

 赤影は瞬間、地を駆けると全高20メートルを越すスーパーランス1号改を軽々と飛び越えて…

「もらった!!」

 …その背中に何本ものびている、ケーブルに攻撃を定めた。

 

「甘いわっ!!!」

 

 ケーブルが切断されるかと思われた瞬間、スーパーランス1号改の拳が赤影を捕らえていた。

「くっ!!」

 クリーンヒットこそ避けたものの、赤影は数十メートルほど吹き飛ばされてしまった。

「…なに、いまのスピードは…」

 冷たい汗が流れるのを感じ、赤影は思わずつぶやいていた。

「……だてに搭乗ハッチ、動力炉、コントロール部分を切り離した訳じゃあないわ。

 ロボットには純然たる駆動システムしか積んでいない…それために反射速度、反応速度、動作速度、あらゆるスピードが格段に上がってるわ」

 マリアがどこか嬉しそうにつぶやいた。

「…なんかさあマリア、潤沢な資金でいろんなものを研究できる現状に、満足してたりしない?」

 マリアのつぶやきを聞き止めた志津香が、ジト目で言った。

「………………………

 ………そ、そんなこと、な、ないわよ…」

 マリアはドモリまくりながら、そう答えた。

「………………………

 ………ま、いいけど…」

 志津香はため息をつきながら、呆れたようにつぶやいた。

 

「くっ、はっ、このっ!!」

 

 赤影は色々なフェイントを織り交ぜつつ、露出された明らかな弱点であるコントロールケーブルを狙うのだが、その度に阻まれ、防がれ、迎撃されるのであった。

 

「くくっ、そんなものかっ!」

 

「くぅ〜〜〜!!」

 

 どんどんと精細を欠いていく赤影の動きとは逆に、スーパーランス1号改の攻撃は徐々に激しさを増していった。

 

「……くく、がははっ、勝ったな…」

 

 勝利を確信し、ランスはニヤリと笑った。

 

 

 

 …………………

 ………

「…だめだよ、かなみちゃん……攻撃が縛られちゃってる」

 一人と一体の対決を観戦していたメナドは、思わずそうつぶやいていた。

 

 …忍者の攻撃の最大の売りは、その意外性にあると言っていいだろう。

 神出鬼没の言葉が示すように、どこから来るのか、どんな攻撃が来るのか、予測がつかないところこそが、最大の利点であり、赤影がこれまでランスを圧倒してこれた理由でもあるのだ。

 …しかしながら今回に限って言えば、あからさまなほど弱点が露呈されているために、意識無意識に関わらず攻撃がそこへと集中させられてしまった。

 

 …真正面からの攻防…その優劣は誰の目にも明らかだった…

 

 

「きゃあああああぁぁーーーーーーーー!!!」

 

 スーパーランス1号改の攻撃をまたもにくらい、赤影ははじき飛ばされて地面に転がされた。

 

「もらったあぁーーーーーーー!!!」

 

「かなみちゃん!!」

 

「くぅっ!!」

 

 ……だれもが勝負の結幕を感じた瞬間だった…

 

 

「ちょこまでよ!!」

 

 

「えっ!」

「あっ!」

「はっ!?」

 

 3者3様に、その声の主に対する驚きをあらわした。

 赤い忍び装束に、赤い仮面…どこかで見たことのある、格好であった。

 

「かめんのにんじゃ、ちびかげさんじょう!!」

 

 そのちっちゃい女の子が言った。

「あっ、あの子は…」

 赤影が茫然とつぶやく。

「あれっ、いつの間に…」

 メナドも、側にいたはずの少女が居なくなっていることを確認する。

「…ら、ランス様、あの子ひょっとして…」

 シィルがおずおずとランスに聞く。

「………ひょっともなにも、間違いないだろう…」

 あんぐりと開いた口を、どうにか閉じてランスが答えた。

 

「ちん、まじ○けん!!」

 

 チビ影は、背中に差した忍者刀を抜くと、思いっきり振り下ろした。

 

「あっ!」

「あらっ!」

「はっ!?」

「…ほえっ?」

 

 チビ影は、何も持っていない両手をまじまじと観察していた。

 チビ影の手からすっぽぬけた忍者刀は、ぐるぐると回転して飛んでいくと…

 

 ズバズバズバァッ!!!

 

「あっ!」

「ああっ!」

「あああっっ!!」

 

 

 

 ……………

 ……

「…えーと、コントロールケーブル、全て切断…命令伝達率0%………やれやれね」

 志津香が呆れながら、そう言った。

「…あ、あの、それってつまり…」

 シィルがおそるおそる口を開く。

「…あ、あはは、チューリップさんじゅうごう…」

 マリアがただ涙を流した。

 

「さーんきゅー、チビ影!」

「ぶいっ!」

 赤影の言葉に、チビ影が嬉しそうにVサインで答える。

 

「…さあてと、逃げるわよマリア」

「…ちゅーりっぷさんじゅうごう」

「はいはい」

 ずるずると引きずるように、志津香はマリアを連れてチューリップ30号をあとにした。

「あ、あの、ランス様、私達も逃げたほうが…」

「わかってるわっ! なかなか外れないんだこんちくしょう!!」

「はやや」

 ランスの体にくっついている器具を2人がかりで外そうとしているが、無論、それを待ってあげるほど赤影は優しくなかった。

 

 

「真、魔○剣!!!!」

 

 

 …赤影が放った衝撃波は、見事にチューリップ30号を吹き飛ばしたのだった…

 

「ブイッ! 正義は勝つ!!」

「あははっ、ぶ〜いっ! ぶいっ!!」

 2つの赤い影が、勝利のポーズをさっそうと決めた。

 

 

 

 

 

 …………………

 ………

「…じ、次回こそはっ、おぼえてやがれ、かなみっ!!!」

「はう〜〜〜、もうやめましょうよ〜、ランス様ぁ!!」

 

 

 

 

 …ちゃんちゃん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …幕間…

 

 

「…う〜〜、まりあ、おなかすいたのだ!」

「はいはい、ちょっと待っててね」

 マリアが楽しそうに一人の男の子の世話をしていた。

「はやくするのだ!」

「くすくす、もうちょっとだけ待ってね」

 嬉しそうに振り返ったマリアの目に、少年の向こうに佇む一つの影が入った。

 

「あっ、し、志津香っ、この子はっ!」

 

 思いっきりあせるマリアに対して、志津香はつーっと涙を流して言った。

 

「…バカだよ…あんた、バカだよ…」

 

 

 

 

 

 ………ちゃんちゃん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

 

 パンパカパ〜〜〜〜ン!!!

 ついに……ついに、このHPが2周年を迎えました!!

 うう、ここまで来れたのも、皆様のおかげです! ありがとうございました!!!

 

 

かなみ「ふ〜〜、2年もたったのね…」

  うい、かなみちゃんも、2年間ありがとうなのだ!!

かなみ「あれっ、珍しいわね。まあ、どういたしまして」

  かなみちゃんにも、ついに子供ができるくらいになりました。

かなみ「そうそう、長いわねえ…って、ちょっと待てえっ!!」

  ほえっ?

かなみ「私の子供じゃないでしょ!!」

  おやおや、そんなこと言っていいのかな?

チビ影「ま〜ま〜(グスッ)」

かなみ「あ〜〜、泣かないで、よしよし」

メナド「親子だね」

  親子だねえ…

かなみ「しょうがないなあ…とっほっほ」

 

  ではでは、これからもよろしくおねがいします!!

 

かなみ「よろしくね!」

チビ影「だぁ〜〜〜〜!!!」

 

 

 

 

 


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