CAUTION!!
このお話は大変おばかです。
作者のおばかさが120%濃縮されています。
おばかがうつったとしても、当方は何の責任も負いません。
あしからず。
また、
テレビアニメを見るときは、部屋を明るくして離れて見ようね。(関係ない)
……はあ、はあ、はあ、はあ……
「…さがせ…まだ…くには…行ってない…ずだ…」
……はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……
「…見ろ、血だ……のあたりに…るはずだ…」
……くっ、ここまでか…
あきらめにも似た感情に、私のこころは支配されていく。
ただ、目を閉じる。
瞼の裏にこれまでの記憶が、古ぼけた魔法ビジョンのように断続的に映されていく。
……これが、人生の走馬燈ってやつか……
周りの雑音も聞こえなくなり、脇腹の痛みも気にならなくなってくる。
口元に微笑を浮かべる。
そうしてこれまでの思い出と共に、こころ安らかに……
…こころ安らかに…
………安らかに…なれない…というか…
…なれるか!! ぼけええっっ!!!!
…幸せだった頃の記憶がまるで思い出せない…
(…あくまで思い出せないだけであって欲しい…)
「ああああぁぁーーーーー!!!! わたしってば、不幸すぎるうううーーーーー!!!!」
…と、思わず出てしまった絶叫に、あわてて口をふせいだが…
「…見つけたぜ、くのいちさんよ」
そいつらは…半ばあきれ顔をしつつも…そう言うと、ニヤリといやらしく笑った。
「くっ! …っんくううううぅぅぅーーーーーーー!!!」
すぐさま立ち上がろうとしたのだが、お腹から全身へと駆けめぐった痛みのため、それは実行できなかった。
「…くっくっく、…ボロボロになった忍び装束に、赤い血…そして苦痛に顔をゆがませる美しい女忍者か…
…いいねえ、そそるねえ」
どこか恍惚とした表情をうかべ、そいつは変態的なことを言った。
……こいつの名前は、仮に「須○龍也」としておこう……
【こ、こらこら、…ま、まあ、私的にも興奮するシチュエーションではあるが…】
「んっふっふっふっふ…、さぁて、どうしたものかな…」
そう言いつつ、「須達○也(仮称)」は舌なめずりをしながら、私の方へとじりじりと近づいてくる。
【…だ、だからだなあ、……でも、ちょいっとSの気があるのかなあ…ドキドキ…】
…こ、ここまでか…
…こんな、「須達龍○」にやられることになるなんて……
【…ひ、ひどい…こんなに愛してるのに……】
「…歪んだ愛はいらん!」
【…しくしく…】
…作者に対して、ある程度言いたいことが言えたので、わりあいこころがスウッとしてきたその時…
…そいつは現れた…
…一本杉のてっぺんにっ!!
「…そこまでだ! 外道共っ!!!」
マントをなびかせ、腕組みをしたそいつの容姿は…まあ、みんな予想がついてると思うけど…どおおぉぉぉーーー見ても怪しい、虎頭のマスクに…
…怪しさ120%アップ(当社比)の、舞踏会でつけるような赤い仮面をしていた。
「な、ななっ、なんだてめえはっ!!」
その怪しさ144%の赤仮面虎頭に、「○達龍也(仮)」がやられ役セリフを吐いた。
…だが、「須○龍也(ペンネーム)」なら聞くまでもなくこの漢の正体は知っているはずだから、残念ながら別人のようだ……ちぇっ!
【…ちぇっ! …て、……しくしく…】
「外道にかける言葉無し!!」
その言葉と共に(矛盾してるよね)、その男の拳が爆裂したのだった。
……そんでもって…
「…少女よ、怪我はないか?」
「…いや、ご覧の通り怪我してますけど…」
苦笑を浮かべて応じようとしたのだが、痛みのためにかなわなかった。
「よし、DG細胞で…」
「…それはやめて…」
「…なら、少し時間はかかるが薬だ」
…こうして心ならずも、私はその男の世話になることになった。
………………
……
「……ふう」
私はその苦い薬湯をのどから流し込んで、一息ついた。
「…何があったのか、聞かせてもらえないかな?」
ベッドの傍らにあるイスに座った男から、そう聞かれた。
そこは、森の中にある一軒のロッジハウス…この男の家らしい…、そこに一つしかないベッドに私は寝かされていた。
「…ある任務で、ここ…JAPANの調査に来ていたの」
私はゆっくりと口を開いた。
「ほほう…」
「…さすがは本場JAPAN、私程度の忍者の存在がバレないわけがなかった。
ろくな情報も得られないまま、返り討ちにあって………この通りってわけね」
私は自嘲気味に語った。
「…なるほどな。……それでは傷が治り次第、主の元へ帰参するというわけか」
男からの確認ともとれる疑問に対して…
「……そうしなければならない…ってわけでもないわ…」
私の口から出た言葉は、驚くべきことにそんな内容だった。
「…多分、もう私は死亡したものと考えられているはずだから…」
死の間際を見たことで、私のこころは臆病になっていたのだろう。
「………………
……それで、行く当てはあるのか?」
「……………別に…」
私はどうでもいいような感じで答えた。
「……では…」
……断言しよう、どうにかしていたのだ!
「…なってみないか?」
……ああ、でなければ、…そうでなければ…
「………正義の味方に!」
……了承なんて、するはずないのにぃっ!!
「ふふっ、…それもいいかもね…」
…このうかつな言葉で、私の人生は大きく変わったのだった…
……………
……
「あ、あの……」
「なんだ?」
「ここは?」
「滝だ」
男の言うとおり、目の前には大きな滝があった。
「どうするんですか?」
「無論、当たるのだ」
何を当たり前な…と言う感じで、男が答えた。
「あ、あの、氷が浮いてたりなんかするんですけど…」
「冬だからな」
「あ、ああ、あの、滝に当たるのと、正義の味方になるのと、一体どんな関係が…」
往生際が悪いと思われるかも知れないが、この時期にこんなところに入ったら心臓麻痺で死んでしまう。
「修行と言えば、昔から滝に当たると相場は決まっているのだ」
私の背中をズルズルと押しながら、男が言った。
「あうう、そんな無茶な論法! 物事には順序ってもんがっ! 下準備もなくそんなことしたら体を壊すだけだってっ!!」
私の言っていることは理論的に正しい。…間違いなくそのはずだ!!
「正義の前には小さなことだ」
…だが、男には通用しなかった。
「…ひいいっ! に、忍術とは関係ない!!」
「心配するな、少々ゲルマン忍術には精通している」
…ど、どんな忍術だ!!
「こ、凍え死ぬって!!」
「胸に燃える正義の魂があれば、全く問題ない」
「うわっきゃあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
………………
………
「…ガ、ガチガチガチガチガチ………」
「うむ、やはり、最初は滝に当たっての精神修養だな」
泉から上がってきた私に対して、虎頭はそうのたまった。
「……ガチガチ……し、死ぬかと思った」
「…おおげさな」
そんなことを言いながら、バスタオルを渡してくれた。
「…おおげさじゃないって」
たき火に当たりながら、私は至極当然な反論をした。
「…とりあえず、修行はもういいわ」
私は、滝に当たっていた最中、ずっと考えていたことを口にした。
「……なに?」
怪訝そうな顔をした虎頭に、私はもう一度言った。
「…だから、こういうことはもういいの。
…助けてもらったことは本当に感謝してるけど、私にはちょっと…いや、かなり無理だから」
「……………」
「…そろそろ帰ることにするわ、本当にありがとうござ…」
「馬鹿者がアアア!!!!」
「ひっ!」
突然の男の言葉に思わずのけぞってしまう。
「少しぐらいつらいことがあったくらいで、簡単に諦めるなっ!!」
「あっ、いや、かなりつらかったんですけど…」
しかし、わたしの言葉なんてとーぜんのごとく耳には入っていない。
「滝に当たることが忍術と何の関係があるのかと問うたな」
「え、ええ、まあ…」
おそるおそる口を開く。
「もちろん! そんなものはないっ!!」
「ちょ、ちょっと…」
さすがにその言葉は看過できないわよ。こっちはそのせいで死にそうだってのに…
「正義を行うのは生半可では決してできん!
それこそ、小手先の技術が何の役に立とうかっ!!」
「…う、…べ、別に私、正義の味方に…」
男の迫力に押され、私はごにょごにょとしか反論できなかった。
「魂だっ!!」
「…たましい?」
「そうっ! 何者にも屈さぬ、強き魂こそ大事なのだっ!!」
虎頭の男は拳を握りしめ、感涙の涙をどとーのように流した。……ちょっと…かなり怖い…
「魂を一朝一夕で鍛えられるか? …無論、否!!」
「あ、あのー…」
「それこそ血のにじまんばかりの修行の果てにしか、無理に決まっている!!」
…あーあ、入ってるよ…
「死の淵でしか掴めぬものもあるだろう、はたまた魂のぶつかり合いの中でしか育たぬものもあるだろう!」
…長くなりそうだな…うんちく好きそうだし…
「艱難辛苦を友とし、万難地天のはてにこそ…」
…うう、どうして私の知り合う男って、ろくなのがいないんだろう…
「………………………………」
…うう、どういって断ればいいんだろう…
「………………………………」
…押し強そうだし…私は押しに弱いし…
「……わかるな、少女よ!」
「…はい?」
「そうか! わかってくれたか!!」
「はいいい!?」
「いざゆかん! 遙かに遠く険しい道なれど…」
「あっ! いやっ! だから…」
ガシッと私の肩をつかむと…
「あの輝く正義の星に誓って!!」
感涙の涙を流しながら、夜空に怪しく輝く星を指さすのだった。
「あううう……」
その横で、私も泣くしかなかった。……るーるるるーー…
………………
………
…血もにじまんばかりのひどい修行がどとーのようにあったんだけど…
…そんなこんなで…
「見事だ! もはや私に教えることはない!!」
虎頭の男が何度目かの感涙のなみだを流しつつ、そう言った。
「…と、いうことは…」
私はおそるおそる聞いた。
「うむ、免許皆伝だ!」
どとーの涙を流しつつ言った。
じいいいいぃぃぃぃーーーーーーーんんんん……やっと終わった。思えば長くつらい道のりだった。
…恐るべしっ! 私の忍耐力!!
「卒業証書がわりに、これを授けよう」
そう言って、自らつけていた怪しすぎる赤い仮面を外した。
…かなり欲しくないんだけど…
「…これより、『仮面の忍者、赤影』と名乗るがいい」
…すっごく名乗りたくないんだけど…
「お前の活躍、風の便りにて聞かせてもらうぞ!」
…あうう、やらなきゃまた出てきそう……
「…とりあえず、ここで得た力は有効に使わせてもらうわ」
「…うむ、また会おう! 私が認めた『漢の魂をもつ少女』よ!」
…うう、いやすぎる称号…
……………
……
「…と、いうようなことがあった訳よ」
私はゆっくりと吐き出すように言った。
「…ふーん、すごいねかなみちゃん」
メナドが感嘆の声を出した。
「…ほんとに…私もそう思うわ…」
私は心の底からそう思った。
……ところで、この「すごいよ、かなみちゃん!」エンドは幸福エンドなのか、不幸エンドなのか…
…一体どっちだろう…
……るーるるるーー
後書き
というわけで、ついに一周年を迎えました。
わーーー!! パチパチパチ!!
しかも、30000アクセスも突破して、二重にめでたいです。
かなみ「…で、その記念SSが、このバカ丸出しの話なわけ」
おおー、やっぱ一周年はかなみちゃんの「不幸」で決めてもらおうかと思ってね。
かなみ「…しくしくしく…」
本気でバカ丸出しなのは、思いっきり妄想に突っ込んだ証拠です。
かなみ「…ところで、本編のほうはどうなの?」
うむ、「真〜2」のほうも順調に書いてますよ。
かなみ「いや、そうじゃなくて、『忍耐帳』本編のほうだけど…」
……………………
かなみ「…………おい」
……というわけで、クイズコーナー! どんどんパフパフ!!
かなみ「……思いっきりそらしたな」
…この話に出てきた虎頭の漢は一体誰でしょうか?
かなみ「…そんなわかりきった…」
…特に商品はないですが、わかったかたはメールしてね。掲示板に書かれるとみんなにわかっちゃうから。
かなみ「いや、書かれなくてもわかるんじゃあ…」
ヒントは「Only You」の登場人物です。
かなみ「……あいつしかいないって」
ではみなさん! 一年間おつきあいありがとうございました。
かなみ「ほんとに、見捨てないでありがとうございました」
これからもよろしく!!
かなみ「『私を幸せにしてあげて』メールなんかお待ちしてます」←こないって
ではでは!!