僕は暗い闇の中にいた。いつもは虫かごに入れられると「お泊まり」だけど、
 今回はももが一緒だった。そして僕はがたんごとん揺れるヘンな乗り物に乗った。
 どこに行くかも分からない、ひどく揺れるかごの中で僕は怖かった。
 眠れない。こけないように地べたに足を踏ん張った。ちかれた。多分痩せた。

 ももは僕を何処に連れて行くんだろう・・・

 お留守番の不安はない。だけど、こんなにずっと暗くて揺れるのは始めて。
 一晩中のんびり眠る事ができなかった。
 朝日が差してきた。だけど「がたんごとん」は続く。
 人間の時間でいうと17時間、がたんごとんは続いた。
 そして僕は、潮の香りがする街に辿り着いた。



               今日は何だか特別な日みたい。
               朝からママは、お電話を手に取りメールとかいうのをしてまし。
               どこかから「お客さん」が来るみたい。
               誰が来るんだろうなあ。わんっ♪

               お話い〜っぱい聞かせてあげようかな〜。
               それとも無視しちゃおっかな〜。
               おっかない人だったら、どうちよ・・・
               ママがお迎えに行っちゃった!寂ちいなあ・・・
               早く帰って来ないかな〜。わんっ♪


着いたぞ〜♪函館だあ〜♪(でも、尻が痛てえな・・・)
固まっているマリンを尻目に、ももはワクワクしていた。
てくてく歩いていくと一目でしぇふさんを発見できた。

ご対面の感動と、念願叶って大好きな黄色いお顔に会える喜びに胸が高鳴る。
しぇふさんとお話をしながら快適なドライブ、お忍び北海道上陸は幕を開けた。
北海道に上陸して、村上春樹の「羊をめぐる冒険」を思って道々きょろきょろ。
(だが羊はいなく、いるかホテルもなく、広い道路と懐かしい町並みがあった)

マリンとプランちゃん。
1羽飼い同士な2羽は、どんな反応をするんだろう。
マリンは、よそのインコさんには「変態さん」に見える。
それは胸を膨らませ、嘴でどついて迫るからだ。
おまけにインコさんが寄ってくるとビビって逃げる。
当然まともに遊んではもらえなかったのだ。
おりーぶさんちの「営業部長べりたろさん」とは数日かけて
対面しながらお話に成功しているが、今回は一泊。
果たして仲良くなれるんだろうか?

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