<クラッチトラブルの誤解>
前記のようにクラッチ本体のトラブルもあたりまえに存在するが、その発生頻度においては圧倒的に多いクラッチトラブプル、本体以外の理由でのそれ、いいかえれば、ぺダルからリリーズシリンダにいたる過程でおこるトラブルと言うことになる。これは、しばらく、それを点検をしてないと思われるオーナーは必ず見て頂きたい。必ずと言って言いほどその兆候はあるはず。この油圧回路のトラブルにもかかわらすクラッチ本体のバラシ、つまりエンシン脱着までしでかしてしまった例があるほどで、これは思いこみやすい。ギアがはいらない等がこれに入り、その油圧回路でのトラブルでは、下のフォ ト、クラッチのペダルピンなのだが、ごらんのようにクラッチマスターシリンダープッシュロッドピンホールのピンでクラッチペダルにあたる部分がやせてフォトのようになり、さらにイラストのようにまたそのクラッチペダル本体の先端も図のように長穴になり両方の症状からクラッチリリースアームストローク不足のためにクラッチがきれなくなるトラブルがそれ。これで工ンジン脱着までやったとは何とも言えないが、そこのチェックをされてない方はぜひ御覧になって見て頂きたい。おそらくそういう症状が発見できるはず。S6は特に後で記述する理由の為に必須点検項目といえる。まず、その傾向を発見したら、ペダルピンは当然モリブデングリース等を塗布して交換。ペダ ル本体は交換といきたいところだがわざわざ交換しなくても溶接しホールを開け直せばそれで良い。自身の使用頻度のインターバルにて繰り返せばベスト。ボンネ ットを開け、マスターシリンダーのブーツをめくりマイナスドライバー等でそのガタ をチェックするだけで済む実に簡単なものでぜひ点検して頂きたいと思う。
次はリリースシリンダ。これは基本的にS6はサイドにS8はチェーンドライブの後期から上面にセットされている。これは、おそらく次に記述する内容によって設計変更されたと思っている。前記ピンまわりでの注意でS6は特に、とした意味は、そのリリースシリンダ、上のフォトがそれで、ごらんのように 、余りにもエグゾーストマニフォールドに近すぎることにある。したがって負荷がかかり、なおかつクーリング、ラムエアーの条件が良くないとき、例えばワインディングロードの上りやタイトコナーの多いヒストリックレース等にてS 6をドライブ中にまったくクラッチが切れなくなってしまった軽験をお持ちの方々がいるはず。これはそのリリースシリンダの位置による熱害、リリーズシリンダー内でのエアロックによるもので、これは、かなりあるはず。また先述の5速トランスミッション2タイプとも、このS6と同じサイドタイプのために同じトラブルが発生するおそれがあるはず。それが先に記述したS6は特に注意しなければならない意味でただでさえ熱にさらされているうえに、ぺダルピンやペダルホールのガタが致命的なクラッチレバー作動不良をおこすことになる。
さらにそのリリースシリンダーの下に茶色の遮熟インシュレータがセットするようになっているが、このパーツ、その「エス」の正しいメンテナンス姿勢や、オリジナル度、のバロメータにしていい。なぜなら、メ力的には先述の熱害があり、オリジナル度では見えないボンネットのほんの隅にあるもので知っていなければつかないモノ。無神経にリリースシリンダの取りはずしをすればほとんどの場合「エス」の下に脱落してしまうもの。意識しなけれぱ、つけないまま、セットしてしまってもそのトラブルは先述のようにある条件下にて発生するものだから気がつかない。「エス」のメンテナンス正統派を示すインディケータとも言える小さなパーツではある。
またその油圧回路に置けるエア抜きの問題もある。 これもサイドタイプに多発し、我々はビール現象と呼んでいるが、まるまる1リットル、ブレーキ液を使っても通常の方法ではエアが抜けない。で、とりあえずは使えるのだが極限では、切れない要因の1つになる。これにはエア抜き時、ペダルを素早く踏み、できるだけゆっくり離す方法や、ある位置でレバー固定化をして抜く方法もある。このようにS6クラッチまわりは特に注意されたし。それでは、また、スズカにて。