そば湯のはなし  < 次へ < サイトへ

そば湯とそばの栄養

そば湯
 「そばを茹でたときの湯」をそば湯というが、そばのタンパク価の多くが水溶性であるのと打ち粉として使ったそば粉がふんだんにそば湯の中に解けだしている。
特に手打ちそばは、麺の表面に無数のひび割れが生じているので「そば湯」にはそばの栄養と有益な成分が濃厚に浸みだしている。
 だから、そばを食べた後は必ずそば湯を飲む習慣をつけるようにお薦めする。
そば湯は「そばを茹でた湯」をとり分けたものであるが、なかには「そば粉を溶いた湯」の場合もあって、それぞれに食感や風味が違ったりするが、わたしの場合は、そばを食べ終えた後の余韻をそば湯で楽しむ習慣になっている。
期待通りのそば湯がタイミング良く出てきたときの幸せな気分と、期待はずれのそれを口にしたときの気分の落差は大きい。まるでそばそのものに差があったかのような気分にもなってしまう。

 ただ注意しなければならないのは、そば屋には必ずそば湯があると言うわけではない、塩分を含んだ乾麺や茹で麺、ましてうどんの茹で湯は「そば湯」にはならないのである。
昔から、うどんを茹でた湯は客には供されず、捨てられる運命にあったため、役に立たない者の例えに「うどんの湯」とか「うどんのぬき湯」(ぬきゆは 茹で湯の職人言葉)とも言われたそうだ。

ソバの栄養
 わたしたちの食生活が、米(ご飯)と小麦(パン)を主食にして成り立っているのは、それぞれが持っている優れた栄養価とバランスに裏打ちされているからだが、ソバもまたそれらと遜色のない優れた食品であると言える。
またソバには、米や小麦には含まれていないソバ特有のポリフェノールであるルチンという成分を持っているとともに、良質のタンパク質や必須アミノ酸の含有率も高く、それらの成分がバランス良く含まれるという優れた特徴をもっている。
特にルチンは、生活習慣病の予防に効果があるといわれる成分で、高血圧予防効果や抗酸化作用、血流改善効果などが期待されている。
 いささか各成分の効能を強調しすぎるかたちになるが、これらを説明している記述では、まずルチンには毛細血管や動脈の弾力性を高め血圧の上昇を抑える働きがあるといわれている。
また、ビタミンB群が豊富で、そのひとつであるコリンは肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ効果があるといわれ、ビタミンB1は体力の低下やイライラ、食欲不振の解消効果などがあって疲労回復ビタミンともいわれている。ビタミンB2には皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるなど、これらを含むそばの効用は数多くいわれている。
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