発車を指示するブザーが鳴ると79607が汽笛を鳴らし、ドラフト音とともにゆっくりと動き始める。轟音とともに目の前を通り過ぎ、貨車の響きが遠ざかる。やがて、列車がりんご園の向こうに消えると甲高い汽笛が寂しげに田園に響き渡った。