あなたの基準で。
「こんなところでのんびりされて、本当に上忍の方が羨ましいです」
アカデミーの前を横切っていこうとしたアスマの耳に、ほがらかな声がきこえた。
明るくはきはきとした話し方で、声に聞き覚えがあった。
イルカだ。
だが、その聞こえた内容はどうもイルカを思わせるには、皮肉な色に満ちすぎていて、アスマは首をめぐらせたのだった。あの真直ぐな人の好いイルカが、似合わないあてこすりも激しい台詞をどうして言ったのか気になった。
ぐるりと見渡して、すぐにその姿は見つかった。
アスマの左前方、木の陰からイルカの半身がわずかに見えている。
歩をすすめてその姿をもっとよく見ようとすると、どうやらイルカは木の上へ話し掛けていたもよう。
顔は笑っていた。
いつものようにニコニコとして、聞いた台詞がおや聞き違いかと思ってしまうほどいつもどおりで。
「―――よぉ、イルカ」
「あ、アスマ先生…」
声をかけて一瞬、表われたのは「しまった」という表情。
アスマはちらっと眉をあげて見せた。
「す、すいません、…俺はこれで失礼します」
「イルカ、おいっ?」
そのアスマの顔に怯えたわけでもないだろうが、イルカは焦ったようすで背中をみせて小走りに去ってしまった。
なんだなんだとアスマは後頭部を掻いた。もしかしてまずい処に鉢合わせてしまったのかと思ったが、ともあれ溜息を一つ。
声を、木の梢の間。
初秋の昼下がりに昼寝するにはうってつけな枝ぶり。そのなかでも一番、居心地のよさ気な枝にむかって、呆れた声をかけた。
「てめぇ、何やらかしてんだよ」
「まぁ失礼な」
声が届くや否やか、ぶらんと大きな影が梢から振りおりてきた。
「言っとくけど、俺はなーんにも悪くないんだからね」
「信じられねぇな、てめぇとイルカじゃ、どうやったってイルカに軍配が上がらぁ」
「ま、それもそうだね」
ぶら下った男は、あっさりと首を上下にふった。相変わらず、態度ののらりくらりとした男だ。そのくせ無駄に顔や才に恵まれているから始末が悪い。欠点を美点が補いすぎていると常々思うことだ。
アスマは懐から紫煙をとりだし、火をつけた。
「けどほんとのとこ、なんであの人があんな怒ってんのか、俺にはぜーんぜん、わかんないんだよ」
「なんかしたんだろ」
ふ〜、と白くけぶる色が、晴れた秋空に浮かんでいく。
逆さ釣りになったままのカカシが、小器用に首を傾げる。いい加減に地面に降りればいいのに、いつまでもチャクラで枝に張り付いたまま。アスマは軒先のつららのように、叩いてはたき落としてやりたくなった。ほんの一瞬だけだが。
「この間、好きっつっただけだけど…―――ッ、っていきなり何すんの」
「いやわりぃ。つい手が動いた」
つい、手が勝手に動いて、本気でつららを叩き落としそうになった。
あいにく、銀色の鬱陶しいつららは、なんなく逃げてしまったが。
「―――…てめ、悪い冗談かよ」
「え? なんで」
「この女好きの巨乳好きが、どの口で言いやがる」
「たしかに女も巨乳も好きだけどあの人も好〜き〜。抱きしめてひーひー言わせたいね―――…っ、っていきなり殴ってくるのやめてくれない、アスマ。カカシ困っちゃう〜」
「ほざいてろ」
アスマの拳をあっさり避け、逆さに張り付いたまま身をくねらせる男に、アスマは眉を盛大に寄せた。
分かった。
イルカがあんなにつんけんしている理由が、一分をあまたずアスマに了解できた。
この巫戯けた男が気に食わないからだ。
里でも名の知れた上忍で、女に不自由していなさそうで、見目良くて、最高に―――性格の悪い男。
いや、正しくいうなら性格が悪いわけではなく、素行が悪いだけ、という説もあるが、それはそれでよけいに始末が悪いという見方もある。ちなみにアスマは後者へ大いに賛同したいところだ。
天は二物を与えず、というが、この場合、カカシに腕と色は与えても、心根の美しさは与えてはくれなかったのだろう。カカシに関わって泣いた女を、片手に余るほど知るだけに、せめて腕と色のどちらかが性根へと転換してくれればよかったのになカカシよ、と思わずにはいられないのだ。
そんなアスマだから、このときも吐き出す煙とともに、溜息も吐き出したのだった。
「あんまり真面目な奴、からかってやるなよ。どうせあのナルト繋がりなんだろうが、玩具もいじくりすぎるとすぐに壊れっちまうぞ」
疲れた心境でアスマはそれだけを言い残し、本来の目的地へ行くことにした。
これ以上つきあっていては、大して身体を動かしたわけでもないのに、疲労困憊しそうで。
イルカもこんなのに目をつけられてかわいそうに、と心で労って、アスマは里一番に始末の悪いつららに背を向けた。
だから、そのつららが呟いた言葉を、アスマは聞くことが出来なかった。
心底、不思議そうに呟いた言葉を。
「なんで本気に見えないの?」
二日後。
カカシが受付へ足を踏み入れたとき、不意に、するりと二の腕が取られて、そこへ柔らかいものがふにゃっと押し付けられた。
少し驚いて絡み付いてきたものをみると、案の定、きつい眦を楽しげに緩ませた女。
いつものように髪を後ろで上げていて、胸元はこれまたいつものようにあけっぴろげだ。
「あれ、アンコじゃない」
「ねーねー、イルカが居るってきいたんだけど、どこ?」
「なに、何の用? 珍しい」
「用じゃないんだけど、顔見に来たの、玩具にされてやつれてないかな〜って」
「…なんだよ、それ。誰からきいたの」
「アスマちゃん」
「うわー、言いふらしてんの? 俺とあの人のこと」
「まあね。あんたがまた酷いことしそうだって」
「違うって」
酷い誤解だ。本気で最近の自分はイルカを中心に回っているのに。とはいえ、別に誤解でカカシやイルカを見物しにくることは、構いはしないが、それがもしイルカの耳に入りでもしたらマズいんじゃないだろうか。一応、人目のあるところではカカシも気をつかって話し掛けているのに。
馴れ馴れしくすると、反動で、二人きりでいても最上級丁寧語笑顔攻撃をくらう。以前、一度されて懲りた。せめて二人きりのときは、笑っても怒ってもいいから、本音を晒してほしい。できれば笑って自分の名前など呼んでくれたりしないかな、と野望を抱いていたりするが。
「あ、みーっけ。ちゃんと仕事してるねー。偉い偉い」
「仕事サボってるお前と違ってね、真面目なの、あの人は」
「うーん、この間からちょっと痩せたかしらねー」
「まっさか。眼科行ってくれば? いい奴紹介するよ」
受付の少なくない人ごみのあいだから、机にむかうイルカが見え隠れする。入り口で佇む二人からは、ときおり上がる面と、ひょこひょこと揺れる一つ結わいぐらいしか見えないが、カカシはそれさえ慕わしくて目を細める。
まるで心が、離れ難く寄り添うように、傍へと引き寄せられる。
ひとつひとつ、しっかりと確認をとりながら報告書を受けとる姿をみているだけでも、嬉しい。
そんな物思いを、二の腕にアンコを引っ付けたまましていたものだから、むー、とアンコが頬を膨らませたのにも気がつかない。
そして攻撃がきた。
「なによ可愛くない奴! そーいう奴にはこうだ!」
むにゅ。
と、なぜか押し付けられたのは、ボンッキュボン、の一番柔らかいところ。ちなみに女のなかでカカシが一番好きな部位だったりする。アスマのいったことは間違ってはいない。
しかし。
生憎とカカシは本当に可愛くなかった。
「やめてよ」
と、カカシはさも嫌気に眉をしかめ、身を離す。アンコは「おやっ」という顔をした。
「なによー。気持ちいいでしょー?」
「お前のは中身に団子と汁粉がつまってそうで嫌なん―――」
――――――ドグ…ッ!
「―――ッゥ、ゲホッ、…ちょ、何するわけ、ひど…」
「男も可愛げって必要よね」
語尾が弾んで、「お仕置きよ♪」とでもいいかねない声音で、アンコがにっこり笑う。目は笑っていない。そしてカカシのみぞおちに確実にヒットした裏拳は、上忍ゆえのスピードのため誰も気づいていない。いつもながら怖い女だった。
「にしても、ほんと、どうしちゃったわけ?」
「なにが」
「アスマも言ってたけどさ、遊ぶにしたってやめときなよ。好い奴だよ、あいつ」
「知ってるよ、だから好きなんじゃない」
言うと、アンコの眉間に皺がよった。そうすると一気に目が吊上がって、いかにも鬼といわれる上忍らしい。もちろん口には出さないが。
「だーかーらーぁ、そういうの、抜きにしてやんなよ。見てりゃわかんでしょ、あんたに向いてないよ。幸い、あいつも迷惑してるみたいだし、あんたの毒牙にかからないうちに…」
「ちょっとちょっと、幸いってなんだよ。俺にとっちゃ不幸だっつの」
「イルカみたいな奴が、里の基礎戦力を支えるような、地味な忍びを作ってくれんのよ。分かる? あんたみたいにずば抜けて無くても、そこそこに良いガキを作ってくれるんだから。非生産なことはしないでほしいわ、マジな話」
「おいおい、つまり種馬?」
「里的にはそうね。あらやだ、最近、里中心でモノ言うようになっちゃって悪いわねー、ほほほ」
と、わざとらしく笑って、目はまったく笑っていないアンコに横目を流して、カカシは溜息をついた。
遠まわしのこれは、つまり忠告だ。
どうもイルカはカカシが思うより大勢の人間に好意をもたれているらしい。カカシさえ捕らえたのだから、それもまぁ頷ける話だが。
アンコは、遠まわしにイルカにはごく一般的な「幸せ」が似合うといっているのだ。イルカの地位、生い立ち、性格、行動、言動、価値基準、思考。それらが大方のところで平凡な忍びの範疇ならば、カカシなどと交わらずに、いつかは女と結婚し、子供を生み、老いて死ぬこともできるかもしれない。そんな人生を歩ませてやれと、カカシに言っている。
アンコ自身が、非凡といえる生い立ちであるがゆえに、よりそう思うのだろう。
「普通」であることが許されるなら、そのままでいい。
「身勝手な話だねー」
「そんなの百も承知よ、カカシだってそうでしょ」
「まあね」
アンコが身の勝手を承知で話すのなら、カカシとて、自分の勝手を通している。
誰になんといわれようとも、イルカを追い続ける思いでいるのだから。
アスマが玩具のように壊すなと言い、カカシの本気を信じまいが、アンコがイルカの「幸せ」を決め付けて手を出すなと忠告してこようが、そんなものはカカシには関係がない。
今までに味わったことの無い、体中が温もりに満ちる感覚を、一度味わってしまったのだからもう遅い。
イルカに笑いかけてもらえて、共に話して、その目が自分を見ていると感じたとき、生まれて初めて、幸福を感じた。女のなかに射精する瞬間よりもずっと、強い快感。脳が揺さぶられた。全身に満ちた熱に一瞬で浮かされた。この人を好きだという思い。イルカが好きだという想い。
彼の目に映る自分を好きだと想い、イルカを好きだと想った。
イルカと共にいるのなら、一生、自分は「幸せ」なのだと決めてしまった。
勝手に。
それ以外の理屈は知らない。
カカシの知ったことではない。
「で、さ。あんた、なんか用事あったんじゃないの? 受付に」
「え? いや別に」
七班は今日は演習場で自己鍛錬だ。自習。カカシは昨夜から自分の任務で里を出ていた。
一夜明けて、昼前にようやく終わったから報告書をだしに来たが、あいにくとこの受付とカカシの任務報告書の受付は違う。つまりイルカに会いにいく理由はないのだが、遠くから眺めるだけなら構わないだろうときたわけだ。じつは一昨日もそうで、寝ていないうえに良い天気で、つい寝てしまったのだが。
だから今度はちゃんと会いにきたのに、運悪く絡まれてしまった。まったく、ついていない。溜息をつきたいぐらいだ。
「隙人ねー」
「うるさいよ。お前もたいがい隙人のくせに」
「まーね! じゃあ私はそろそろいこっかな。イルカも見れたし」
「あー、行け行け」
せいせいするとカカシが掌を振れば、入るのは速攻の裏拳。
「グッ、ハ…ッ」
あまりの衝撃に、思わず腹をかかえて屈んだカカシの覆面の頬に、生暖かく柔らかいものが一瞬触れて離れていった。
ちゅ、と音が響く。
「なまってんじゃない? じゃね!」
「こ、の、覚えてろ…ッ」
「覚えてられたらね」
軽やかな声を残し、フッと姿がかき消えた。
カカシの手に余る姦しさは、激濃のあの男と良い勝負だ。
やれやれと溜息一つで、カカシは後頭部を掻いた。ご丁寧にも、カカシの頬に接吻けてなど去っていったものだから、受け付けの目の大半が、カカシに集まってしまっていた。本当にツいてない、とカカシはアンコに倣って姿を消す。溜息をもうひとつだけ、残して。
どうも、人の間からみえたイルカの目が、刺さるようにカカシを見ていたような気がしていた。
んだなんだなんだ、あのクソ上忍!!!
前は昼寝、今度はイチャこきかよ!?
しかもなんで俺の目の前でするわけ!
嫌味か!? あてつけか!!? ただの中忍風情に本気だす人間じゃないって思い知らせてんのか!!?? いっつもへらへら女と一緒に居やがって、アカデミーじゃアンコさんとかよ!
見ていたような気、ではなく本当にイルカは一部始終を見ていた。カカシとアンコの微笑ましく仲睦まじい、ように見えるやりとりを遠目で。
その受付に座って、一見、普段どおりに仕事をこなすイルカの心中で、荒れ狂った罵詈雑言が駆け巡っていた。それはもう、指先までかっかと燃えるように熱くなるほど。
カカシとアンコがなにを話していたかは知らない。
だが、親しげに腕を組み、身を寄せて話し込んで、あまつさえキスまでされていた。カカシも嫌がる風ではなかった。身をかがめて何かを言っていたようではあったが。
そんな様子だったから、イルカのなかの、カカシへの評価は凍りつくばかり。
罵る言葉が溢れて止まらない。
んな隙してるっつーんなら倉庫の掃除でもしてやがれ!!
外にばっかり出てんだからたまにゃーいーだろーよ!!!
のほほんとしやがって、こっちは仕事ちゅーだってんだよ! あれかっ、俺を苛つかせるためにきたんか!? 去れ! 消えろ! ってもう消えてんのか、てか俺の記憶、消えろー!
「これ頼む」
「お疲れ様です、はい、確かにお預かりしました、どうも」
さらっと顔は微笑んで、報告書を受け取り。
ハンコがポンと押される。
密かに、「うみの」のインクが力の入りすぎで滲んではいたが、それを気にする者はいないだろう。
「次の方どうぞ」
「頼むわ」
「はい、―――これでけっこうです。お預かりします。どうもお疲れ様でした」
大体、あそこに居たのだって何が「あなたが通りかかるかと思って」だ! この間いきなり言ってきたことといい、…っ、人をからかうのも大概にしろってんだよ! 待ってんなら待ってるで昼寝なんてしてんじゃねーよ!! 家で寝ろよ! 「つい気持ちよくて」ってそりゃそーだろーよ! 一昨日は良い天気だったしな! さっきだってアンコさんの胸が密着してて……あ〜! もう、なに考えてんだよ俺!!!
―――ガタン!
「すいません、ちょっと俺、便所いってきます」
「ん、ああ分かった」
隣席の職員が、軽くした返事を背中できいて、イルカは足早に受付を出た。
火照った頬が嫌で嫌で仕方が無かった。
そのころ、上忍控え室ではアンコとアスマ、そしてその他いくらかの顔見知りの上忍たちが隙をつぶしていた。囁き声で情報を交換しあっているものもいるし、世間話をしにくる者もいる。アンコたちはさしずめ、ここ二三日の関心の的についての、情報交換だ。
「だからアレってマジじゃないのかなーってアタシは思ったんだけど」
「見間違いじゃねぇのか?」
「これが間違いだったらアタシ、団子千本食べてやるわよ、アンタの奢りで」
「…お前しか得しねぇじゃねぇか」
「ふふん」
ぷかりとアスマの紫煙が昇った。
先ほどアンコから聞いた話が、どうも信じられず、眉根を寄せていた。
受付でのカカシの様子。
アンコの見た限りでは、今までに無く甘ったるい顔でイルカを見ていたというのだが。しかも、他の誰も眼中にない様子で、イルカのみへと視線を注いで。
あれはどうみても「恋する者」の目だったとアンコはいうのだが、…アンコにしてもそれが果たして分かる人間なのかどうかが怪しい。
命が惜しいので言わないが、アンコだってカカシと似たり寄ったりの情緒レベルの持ち主で、アスマも人のことはいえないが、褒められたものではない人間で…―――。
「にしたって、あのカカシがねぇ〜。世の中、春が来るときは来るのね〜」
「……」
そう、褒められたものではない人間にも、春の喜びは訪れるのか。
ぷかっと再び、アスマは煙を吐き出した。
だがそれならそうで、少々、面倒なことになるのではないだろうか?
なにせあのカカシだ。
半年前ほどには見知らぬ里の少女から菓子を山ほど貰い、三月ほどまえには女二人が往来で口論をしていたらしく、つい一月前には任務で懇意になった女と酒を飲んでいた。いつみても、不思議なほど女気の絶えない男だ。それでいて飄々として気の悪いやつでもないから、男から嫌われるわけでもない。
あの怪しげな面布の下はたしかに美丈夫といえるから、それだけでも寄ってくる人間はいるというのに。
一悶着、起こりそうな気がしてアスマはふーっと溜息と煙を吐いた。
そういえば、以前に通りで口論を繰り広げた女はどうしたのだろう。
さんざん、カカシは私みたいな巨乳が好きなのよ、と叫んでいたらしいが。
どうにも歪んだ愛情の持ち主だったようで、カカシも辟易していたようだった。たまんない、とぼやいていたカカシに、そういえばあの時、自分はなんといったのだろう。
そうそう。
『てめぇが歪んでっから、歪んでんのが引き寄せられてんだよ』
言えばカカシは眉を下げて、不承不承といった風に頭を掻いていた。何も言い返さずに。
そのカカシに、春。
煙を吐き出そうとして、大きく紫煙を吸えば、
「アチ!」
根まで進んだ火種に、アスマの唇が焼けた。
慌てて備え付けの吸殻入れに捨てる。
「なにしてんの、アスマ。ドジね〜」
「うるせー」
めでたいこと、なのかねぇ。
休憩室の窓から覗いた晴天。
アスマは少し、遅れてやってきた春を、羨ましく思った。
2003.11.19