日曜日の大内宿である。バイクは有料駐車場ではなく路肩の駐輪コーナーへと誘導される。大内宿についての特段の知識はなく、 ただ紀行ものの本の写真と同じ角度でそこに立ってみたかったというだけである。またこの後予定している「塔のへつり」もドラ イブ誌の3cm×4cmの写真を見たのと大内宿に近いので、という理由。
コスモスの咲く大内宿に脇っちょから進入。
大内宿は日曜日である。観光客もぞろりぞろりとやってくる。保存地区両側の家々はほとんどみやげ物屋・食べ物屋になっ
ていて、奥会津、山奥の県道沿いの忘れ去られた街道宿という鄙びた風情ではなくなっているし、稲を干す高い柱や竿も
ない。重要伝統建造物群保存地区に指定されたのは1981年とのことだから、拙者の見た写真はそれ以前のものかも知
れぬ。今その本を手にしても発行年月日もなければISBNもないのでやはり古いものなのだろう。
それで観光地化しているとはいえ、明るく楽しい雰囲気である。埃っぽさや「人やローカルバスで踏みならされた泥の道のテカテカ」 もなくなってしまい、「忘れ去られた過去」の味わいはないが、悪くない上品な感じになっている。 拙者の地元京都嵐山のような「いやらしさ」がないのに、楽しくて活気がある。ただし、みやげ物の産地や原材料は地元 のものとは限らないのだが。