秋山シュン太郎さん  (朝日新聞掲載) on lastModified
見る聴く遊ぶ 週末案内/福島   2004.03.05
還暦、ミュージカルに 50歳以上の素人限定出演 加計町で/広島   2003.12.05
障害者参加広がる輪 「発起塾わかやま」4年目の記念公演/和歌山   2003.04.22
お寺の劇場で自由な創造 一心寺シアター(探見劇場) 【大阪】   2002.08.30
「発起塾」2年半、いざNY公演 中高年の夢、肉体に託し/東京夕刊   2002.02.18
舞台で爆発だ、50歳以上の熟年パワー ミュージカル上演へ/大阪   2002.02.04
中高年がミュージカル 自分に喝、元気示そう 15日初公演/福島   2001.03.11
伸びやか熟年ミュージカル 19日と20日に下京区で公演 /京都   2001.01.16
中高年向きの音楽劇の教室 31日、説明・体験授業/兵庫   2000.07.29
シニア世代の300人がミュージカル初挑戦 天王寺【大阪】   2000.06.03
寺社が舞台、人形劇競演 天王寺区下寺町界わいでフェス/大阪   2000.03.04
秋山シュン太郎さん 戯曲家(人きのうきょう)【大阪】   1997.12.18
覚せい剤の怖さ知ろう 府が演劇の台本配布/大阪   1997.05.20
悲劇の陰の喜劇がくっきり 落語芝居「変身」(舞台)   1995.07.01
桂枝雀、落語芝居で「変身」 カフカを「あくまで喜劇」に   1995.06.13
枝雀落語芝居「変身」前売り開始情報   1995.05.19
吃(きつ)音教室   1991.08.01
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朝日新聞社 2004.03.05 東京地方版/福島 26頁 福島版 (全1912字)(T040305MFS2-06)  ○演劇
 中高年のミュージカル劇団発起塾いわき「くじらに乗ったお月さま」(いわき)
6日14時、7日13時。いわき市文化センター。人形劇として上演されてきた秋山シュン太郎の作品をミュージカル風に書き下ろした。無料。問い合わせは、同劇団(0120・86・2615)へ。

還暦、ミュージカルに 50歳以上の素人限定出演 加計町で/広島  top
朝日新聞社 2003.12.05 大阪地方版/広島 28頁 広島版 写図有 (全853字)(O031205MHSA-03)
 50歳以上で演劇経験のない人のためのミュージカル教室「発起塾」(事務局・大阪市)の広島教室が7日、加計町安野の正覚寺でミュージカル「花のクッキー売り娘」を披露する。01年5月に発足した同教室の3度目の公演で、メンバー13人は本番を目前に控え、けいこに励んでいる。
 発起塾は99年10月、塾長で演出家の秋山シュン太郎さん(46)が中心になり、「元気な中高年がいつまでも元気にいられるように」と旗揚げした。塾生は全国に約300人おり、東京、神戸など7カ所で活動している。
 「花のクッキー売り娘」は、20歳の時から劇場でクッキーの売り子を続け、還暦を迎えてしまった3人の「娘」を中心に、不況やリストラにもめげず、がんばる中高年の姿をコミカルに描く。
 けいこは月2回。秋山さんのほか、踊りと演出の講師2人の指導を受け、発声、振り付けなどの基本練習を繰り返す。本番の約3カ月前に台本が決まってから、演技とせりふの練習に取り組んできた。
 中高年にとっては、せりふを覚えるのも一苦労。リハーサルの際、せりふが出ず、つい謝ってしまうメンバーに、秋山さんは「本番で『すみません』はだめ。絶対続けないと」と声をかける。
 出演者の中で最高齢の坂井弘子さん(69)=府中町=は、もともと観劇が好きで、新聞で塾生募集を知り、長女のすすめもあって広島教室の初年度塾生になった。生け花や長唄、ピアノなど様々な教室に通ったことがあるが「頭と体をフルに使う」ミュージカルが一番面白いという。  一昨年9月、夫を病気で亡くしたショックから、一度は教室を辞めた。今年1月には自身も胸に大動脈瘤(りゅう)が見つかり、2週間入院。その時、「この世にいる間にやれるだけやってみたい」という思いが募り、再び入塾した。
 今回の公演では、クッキー売り娘のマネジャーを演じる。「見に来た人にパワーをあげたい」と意気込んでいる。
 開演は午後6時30分。入場無料。問い合わせは山下さん(090・4650・7381)へ。
 【写真説明】
 クッキー売り娘の扮装でけいこに励む塾生たち=広島市西区で

障害者参加広がる輪 「発起塾わかやま」4年目の記念公演/和歌山  top
朝日新聞社 2003.04.22 大阪地方版/和歌山 24頁 和歌山版 写図有 (全1138字)(O030422MWKC-02)
 西日本を中心に活動している中高年の生きがい作りのためのミュージカル劇団、NPO法人「発起塾」(事務局・大阪市)の県内での取り組みが4年目を迎えた。障害者にも参加の輪が広がっている和歌山では、障害者と高齢者が主人公の新作を披露しようと、25日に開かれる記念公演に向け、団員たちは最後の追い込み練習に入っている。
 発起塾は99年10月、脚本や演出を手がける秋山シュン太郎さん(45)が「演劇を通じて新たな人生の楽しみを知って欲しい」と設立した。  入塾資格は50歳以上の「演劇なんてやったことのない人」。塾生はプロの指導を受けながら演技、歌、ダンスを基礎から学び、約1年半かけて一つの公演に挑戦する。活動は各地で反響を呼び、和歌山をはじめ、京都、福島、東京など全国に7校あり、昨年7月にはニューヨーク公演も果たした。  「発起塾わかやま」が発足したのは、大阪校設立からわずか2カ月後の99年12月。両足に障害のある和歌山市内に住む女性(35)が大阪での設立を知り「ぜひ参加してみたい」と秋山さんに手紙を送ったのが始まりだった。
 秋山さんは豊中市内の養護学校で3年半の間教師をしていた経験もあり、「年を重ねれば、みんなどこかに体のどこかが悪くなるもの。だから何も心配ない」と快諾。集まった中高年の主婦や教師、会社員などの女性50人でスタートした。
 今回3回目となる記念公演のタイトルは「あのすばらしい愛をもう一度」。秋山さんが和歌山公演のために書き下ろした新作だ。都会で暮らす足に障害のある女性と、過疎の村に独り寂しく暮らすそのおばあさんを主人公に「ありのままの人生を受け入れることの難しさと大切さ」を描く。
 発足時から仲間が減り、今回は17人の出演となった。練習は02年4月から始まり、今月からは週4日の猛特訓を重ねている。
 主役を演じる女性(35)は「今回の新作は秋山先生との雑談の中から発展していった作品でもある。みんなと同じようにはできないこともあるが、私という個性で受け入れてくれたことを励みに頑張りたい」。
 発足時から参加し、団員のまとめ役でもある和歌山市有本の主婦鎌田千枝さん(61)は「正直最初は、障害のある人と一緒にやるのは『めんどくさい』と感じることもあった。最近ではみんなつきあい方が分かってきて、人間的なつきあいが生まれている。内容だけでなく、そういう私たちの成長も含め、多くの人にじっくり作品を見てほしい」と話している。
 公演は25日午後6時半から、同市小松原通1丁目の県民文化会館で。チケットは前売り2千円、当日2千500円。問い合わせは発起塾(06・6774・2615)へ。
 【写真説明】
 互いにダンスの振りを確認しながら練習をする参加者たち=和歌山市小人町のあいあいセンターで

お寺の劇場で自由な創造 一心寺シアター(探見劇場) 【大阪】  top
朝日新聞社 2002.08.30 大阪夕刊 5頁 ゆめ3 写図有 (全1548字)(O020830E05--01)
 6月に新装開館した大阪市天王寺区の一心寺シアター倶楽(くら)が、独創的な劇場づくりを模索している。観客と公演者の両方に格安な「壱千円(しぇんえん)劇場」やミュージカル教室をスタートさせ、深夜早朝の劇場活用やラジオドラマ制作指導などを企画中だ。前身の一心寺シアター当時から定着してきた浪曲や講談、若手演劇家への劇場貸し出しと併せ、文化・芸術活動の出発点づくりを目指している。(竹久岐史)
 8月の一心寺シアター倶楽の公演は、演劇や人形劇、上方落語、アジア舞踊など多彩だ。3日間開かれた「一心寺門前浪曲寄席」。初日はまずベテランの泉和子、長谷川公子が堅実に浪花節の世界を見せ、売れっ子の松浦四郎若が「武士気質」を披露。最後に出演した三原佐知子は、あどけない子どもや悲しみにくれる母親が登場する「ああ残留孤児」を情感たっぷりに演じ込んだ。
 「一心寺門前浪曲寄席」は8年前に始まり、10月に100回目を迎える。主催の浪曲親友協会の中田萬夫理事は「大正末から昭和初めの大阪には浪曲小屋が80軒以上あった。今は寄席と言えるのはここだけ。月1回3日間だけだが、浪曲師にとっては勉強の場になり、新しいお客さんがふらりときてくれる場所だ」と話す。  ■元は生花市場
 一心寺シアターの建物は、元生花市場。93年に桂枝雀らが落語芝居に使ったのをきっかけに改装され、94年6月から観客席約300の劇場になった。公演によって、芝居小屋にも寄席小屋にもなるのが特色だった。市場跡には当初からお堂を建てる計画があり、00年4月末に休館。今年、地上は一心寺三千佛堂、地下は観客席約280の一心寺シアター倶楽というユニークな建物に生まれ変わった。
 約800年の歴史がある一心寺。劇場を続けてきた背景には、寺のあり方を見つめ直してきた高口恭行住職の存在があった。
 ■大震災に衝撃
 阪神大震災やオウム真理教事件に衝撃を受けた。震災時に一心寺が十分な救援活動ができず、オウム事件では宗教に遠い存在と思っていた若者とインテリがかかわっていた。「かつて寺にはアミューズメント、カルチャー、コミュニティーの機能があった。それが今ないということについて、震災とオウム事件で一層考えさせられた。倶楽は宗教色を考えずに自由に使ってもらいたい。地域の文化・芸術の出発点で、宗教家が若者にどう向き合えばいいのかを知る接点にしたい」と高口住職は語る。
 ■新企画も続々
 関西の劇場文化の先行きは暗い。ともに85年に開館し、若手劇団の登竜門になった扇町ミュージアムスクエア、人気劇団の上演の場の近鉄劇場・小劇場の閉鎖が今年、明らかになったからだ。
 倶楽のプロデューサーを務める劇作家の秋山シュン太郎は「3劇場とは規模や運営形態、性格が違い、代替と期待されると戸惑う」と前置きし、「倶楽のイメージは、人やモノが集まる広場のような場所。地域との関係をどうしていくかなどの問題もあるが、ここで劇場のあり方を変えられるかも知れない。徐々に自主公演を増やしていくためにも、新しい人が育つ仕組みを作りたい」と話す。
 考え出した新機軸の「壱千円劇場」は、「芝居を見たいけど料金が高い」「芝居をしたいけどお金がない」という人たちへの支援制度。深夜・早朝の劇場活用は、早朝の教室活動や終電に間に合う公演に使う案だ。元宝塚歌劇団員が講師の子供ミュージカル教室、演劇ワークショップ、ダンス教室なども企画していく予定だ。
 【写真説明】
 「寺ということを意識せずに自由な活動を」と話す高口恭行・一心寺住職(左)と、秋山シュン太郎プロデューサー=大阪市天王寺区の一心寺シアター倶楽で
 地下に観客数約280の劇場「一心寺シアター倶楽」がある一心寺三千佛堂
 10月に100回目を迎える「一心寺門前浪曲寄席」。出演は松浦四郎若

寺社が舞台、人形劇競演 天王寺区下寺町界わいでフェス/大阪  top
朝日新聞社 2000.03.04 大阪地方版/大阪 大阪版 写図有(全1003字)(O000304MOSE-02)
 約三十の寺や神社が立ち並ぶ天王寺区の下寺町かいわいを舞台に人形劇や大道芸を繰り広げる「なにわ人形芝居フェスティバル〜冥途(めいど) IN てらまち」が二十六日に開かれる。地元有志らで組織した運営委員会は「かつての寺社のにぎわいを取り戻したい」と意気込んでいる。
 この地区は、人形浄瑠璃を集大成させた竹本義太夫や、植村文楽軒をはじめ、歌人や天文学者に深いゆかりがあり、「天王寺七坂」と呼ばれる七つの坂など古い街並みや豊かな自然も残っている。しかし、「上方文化を支えた地としての知名度はいまいち」と、奮起した住職らがフェスティバルを企画し、今年で四回目。阪神大震災で寺社がボランティア活動の拠点となったことなどがきっかけになった。周辺には寺院がつくった劇場が二カ所にあることも手伝い、「昔のような憩いの場として寺社に人々を呼び戻そう」という機運が高まっている。
 今年は、仏教でいう「三界」にごろを合わせ、芝居見物、歴史散歩、お祭りのゾーンを、それぞれ「みてみん界」「あるいてみん界」「あそばん界」に分けている。人形劇は寺と神社の本堂や境内を舞台に二十七カ所で、全国から公募したプロ、アマ約二十の人形劇団が披露する。初めて企画した「てらまち自然・歴史ウオーク」は、市が指定した「歴史の散歩道」を地元の人が案内する。仏前結婚式を挙げるカップルの花嫁行列もある。
秋山シュン太郎のプロフィール  事務局長を務める演出家の秋山シュン太郎さん(四二)は「昔の子どもは学校帰りによく寺や神社で遊んだ。七五三や結婚式に加え、運動会や盆踊りの練習をしたり、住職に人生相談したりするなど多くの機能や役割があったが、最近は葬式だけになってしまった」と話す。フェスティバルを開くようになってからは、カメラを持って周辺を散策する人が増え、寺社に休憩所や記念碑が整備されるなど、着実に成果が表れているという。
 また、運営委員会は、フェスティバル前日と当日に受け付けや炊き出し、会場整理など、イベントの準備と片づけを手伝ってくれるボランティア(食事付き、交通費なし)百五十人を募っている。説明会は十二日午後三時から一心寺、十四日午後七時から運営委員会事務局がある単信庵で開く。いずれも、天王寺区逢阪二丁目。
 人形劇の全会場フリーパスは五百円。問い合わせは事務局(6774・2877)へ。


秋山シュン太郎さん 戯曲家(人きのうきょう)【大阪】  top

朝日新聞社 1997.12.18 大阪夕刊 3頁 くらし 写図有(全311字)(O971218E03--04)
 関西中心に活躍する戯曲家秋山シュン太郎さん(四〇)=写真=が手がけた演劇「高校生・智子の場合」が、劇団や府内の高校で毎月のように公演されている。覚せい剤に引き寄せられる高校三年生。大学受験を控えた主人公の心理が、同世代の共感を得ているようだ。
 薬物が十代にも広がる現状を受け、大阪府青少年課から創作を依頼された。大阪・ミナミの繁華街で若者に声をかけ、シンナーや覚せい剤への依存症を克服した人たちでつくる民間団体を訪ねて練り上げた。「不満がないことが不満、不安は募るが夢や希望はない、という主人公の心の揺れは多くの薬物依存者にみられるが、それとは無縁の若者にも共通する部分がある。危うい時代にあることを思い知らされました」


覚せい剤の怖さ知ろう 府が演劇の台本配布 /大阪  top

朝日新聞社 1997.05.20 大阪地方版/大阪 大阪版(全255字)(O970520MOS1-03)
 覚せい剤乱用防止を訴える演劇の台本を、府が作製、希望する団体に無料で配布している。とくに未成年者に見てもらいたい、という。
 台本は、有名大学の受験を控え心が不安定になった女子高校生が、友人を通じて覚せい剤に手を出し、補導されるまでの心の動きを描いている。関西を中心に活躍している脚本家、秋山シュン太郎さんが書いた。学校行事で公演してもらうため、府内の高校には四月中に配った。
 台本の著作権は府にあるが、台本をもとに公演したり、内容を一部変更したりすることはできる。問い合わせは府青少年課(941・7634)。


悲劇の陰の喜劇がくっきり 落語芝居「変身」(舞台)  top

朝日新聞社 1995.07.01 東京夕刊 12頁 芸能2 写図有(全792字)(T950701E12--05)
 高座狭しと、派手に動き回る大阪の人気落語家・桂枝雀にもっと大きな舞台を与えたらどうだろうか――。落語芝居「変身」(6月27―29日、東京・吉祥寺の前進座劇場)は、そんな興味から発想された舞台である。
 為吉(枝雀)は、腕っこきの太鼓職人だが、酒にだらしない。それに愛想を尽かした妻おとく(三林京子)と娘絹江(井上人美)は家を出てゆく。一カ月ほどたったある日。為吉はトイレに行って驚いた。男の大事なものがなくなり、乳房がふくらんできたではないか。女体に変身してとまどっているところへ、娘が婚約者(桂雀松)を連れて帰ってきたから大あわて……。
 カフカの「変身」を秋山シュン太郎と早坂暁、落語作家の小佐田定雄が共同で脚色した。早坂の演出。変身による人間の存在理由の追究などといったカフカの主題にはほど遠いややドタバタ調芝居だが、落語四、芝居六分という案配具合がまことに結構である。悲劇の陰に潜む喜劇(またはその逆)がくっきり浮上し、ほろりと笑わせる。
 ここ数年、テレビドラマ出演も多い枝雀だが、往々にして芝居のし過ぎによるくどさが見られた。が、ここではぐっと抑制を利かせて「好役者」に“変身”していた。
もちろん、三林、井上、南条好輝(家主)といった芸達者にわきをしっかり固めてもらった上でのことである。
 女体に変わった為吉は、さらにウシ(牛)になってしまうわけだが、カフカの変身がムシ(虫)であることを前提にした語呂(ごろ)遊びがいかにも落語風だし、牛の革を使う太鼓職人なるが故にウシに変身するといった設定が奇妙におかしい。しかし、その落語的観点から言えば、結幕のドタバタ調は粋(いき)とは言い難い。落語のサゲのように、すっきりとしゃれてみたいところである。
(太田博)
9日には愛知県扶桑町で公演する。
【写真説明】
 女体に変身して大騒動。左から桂雀松、桂枝雀、三林京子=写真家、御堂義乗


桂枝雀、落語芝居で「変身」 カフカを「あくまで喜劇」に  top

朝日新聞社 1995.06.13 東京夕刊 11頁 芸能1 写図有(全656字)(T950613E11--05)
 落語の自由闊達(かったつ)な演出法を芝居に生かしたら面白いかもしれないと、大阪の人気落語家・桂枝雀が「落語芝居」と呼ぶ目新しい演劇に取り組んでいる。二十七日から二十九日までの三日間、東京・吉祥寺の前進座劇場でカフカの原案による「変身」を公演する。
 落語四、芝居六の割で混ぜ合わせた舞台といっていい。一昨年、大阪の一心寺シアターで、テレビ、映画のシナリオライター、早坂暁が書いた「好色一代男」を公演したのが「落語芝居」の始まり。物珍しさもあって、大入りだった。東京では今回が初公演となる。「変身」は昨秋、大阪でも演じられた。
 舞台は、現代の大阪。頑固一徹の太鼓職人、為五郎は大の酒好き。仕事もそっちのけのこともある。ある日、酔いが覚めて便所にゆくと、男のあるべきものがなくなっている。胸もふくらんで、女になってしまった。そこへ、娘の婚約者が父親の許しを得にやって来るというので大弱り……という物語。
 脚本は、秋山シュン太郎、落語作家の小佐田定雄、早坂暁。演出も早坂。一時間四十分の芝居。配役は為五郎に枝雀、妻おとくに三林京子、その娘に宝塚出身の井上人美ほか。
 枝雀は「カフカを枝雀がどう料理するか、などという深読みはしないでほしいですね。私がやるのですからあくまで喜劇です。でも、早坂先生からは、『演じる側は悲劇のつもりで』と言われています」と話す。
 開演は各日とも午後二時、七時。前売り五千円、当日六千円。
問い合わせは電話〇三―三七一三―〇五五八(オフィス小川)。
 【写真説明】
太鼓職人の為五郎(枝雀=中央)


前売り開始情報 top

朝日新聞社 1995.05.19 東京夕刊 9頁 芸能1(全1281字)(T950519E09--08)
枝雀落語芝居「変身」 6月27−29日=吉祥寺・前進座劇場。原作 カフカ。
脚本 秋山シュン太郎ほか。脚本・演出 早坂暁。出演 桂枝雀、三林京子ほか。5000円。電話03−3713−0558(オフィス小川)
 *情報協力は「ぴあ」。問い合わせはチケットぴあ(電話03−5237−9999)


会・催し 告知板・1日 大阪 top

朝日新聞社 1991.08.01 大阪地方版/大阪(全713字)(O910801MOS2-01)
吃(きつ)音教室
 2日午後6時45分、中央区森ノ宮中央1丁目、市立労働会館。「演劇による自己表現」をテーマに講師は演出家、秋山シュン太郎さん。300円。大阪言友会主催。
伊藤さん(441・8559)